※下記はジチタイワークスVol.11(2020年9月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
南さつま市は、障害の有無や年齢にかかわらず、誰もが楽しめる「バリアフリー観光」に取り組んでいる。「バリアフリーは福祉の分野と思っていましたが、観光のマーケットと捉えていいと知り、目からウロコが落ちました」と担当者は語る。
同市の事業者は、平日に少人数の観光客をコンスタントに受け入れたいと希望していた。一方、住民の高齢化が進んでいる。そこで観光庁のモデル事業に手を挙げ、専門家と共にバリアの現状を調査して改修を行い、海でのアクティビティメニューを考案。
また、県内事業者の車いす用リフト付きバスや水陸両用車いすを活用したり、障害者本人にツアーの感想を発信してもらうなど、それぞれの取り組みを線でつなぎ、バリアフリー観光として展開している。
取り組みを始めて約6年、旅行の相談窓口には、障害者や高齢者からの相談が多く、観光客が増えつつある。多様な人を受け入れる環境を整えれば住民も暮らしやすくなるので、このバリアフリー観光の波及効果は大きいといえそうだ。
ユニバーサルツーリズムの様子