
※下記はジチタイワークスVol.38(2025年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
温暖な気候に恵まれ、スポーツ合宿地として人気の高い石垣市。物価高騰の影響で移動費や宿泊費は上昇傾向にあり、合宿費用は学生にとっても、チームにとっても大きな負担だという。一方で、同市には大学などの高等教育機関がなく、若いアルバイトの働き手不足が以前から課題だった。
こうした中、令和6年2月、仙台大学女子硬式野球部が島内の事業者に交渉し、合宿しながらアルバイトを行ったという。それをきっかけに、「学校と事業者をつなげば、合宿費用の確保と人手不足、両方の課題を解決できるのではないかと考えました」と新見さん。
そこで、4月にプロジェクトを立ち上げ、地域企業への協力依頼を開始。前例のない取り組みのため、当初は理解が得られなかったが、何度も足を運んで説明を重ねた。その結果、ホテルやコンビニエンスストア、農業・畜産業者などの賛同を得て受け入れスタートにこぎ着けた。すぐに2つの大学が参加し、スポーツ庁「スポまち!表彰2024」のゲスト特別賞に選ばれた。問い合わせが多いそうで、事業者からは“学生との交流で元気をもらえた”、学生からは“初めての社会経験ができた”という声が届いている。今後は“アルバイト×合宿”だけでなく、“インターンシップ×ゼミ研修”も視野に入れていくそうだ。
▲合宿と両立できるよう時間帯などを配慮してマッチング
石垣市 企画部 スポーツ振興課
地域おこし協力隊 新見 弘基(しんみ ひろき)さん