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自治体での人員縮小が進む中、デジタル人材の確保は悩みの種だ。「日立ソリューションズ東日本」が提供する「官公庁・自治体EBPM推進データソリューション」は、自治体がこれまで活かしきれていなかったデータの分析や解釈を、データの一元管理とAI活用の分析ツール、BI基盤で可能にするサービス。専門知識をもたない職員でもデータ利活用が可能となり、業務効率化や経費削減、人的リソースの有効活用につながるという。同社の山口さんに詳細を聞いた。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです
[PR]株式会社日立ソリューションズ東日本
Interviewee
株式会社日立ソリューションズ東日本
Data & AIソリューション部 GL主任技師
山口 正人(やまぐち まさひと)さん
自治体におけるEBPM推進の課題を解決する。
行政においてEBPM(※1)の重要性が説かれるようになって、数年が経過した。ただ、自治体でこれを遂行していくには、日常業務の負担やデータ活用の専門性など幾つかの課題があるという。
「まず必要なのが人員です。自治体職員は通常業務だけでも多忙なので、その合間になんとか時間を工面して、データの分析を行なわなければならない。おのずと担当者の負担は増大します。当社にも『時間がない中で取り組むのは難しい』という声が寄せられています」。
加えて、自治体が保持しているデータは膨大だ。住民情報、経済、インフラ、文化、防災など地域社会の情報が日々集まり、過去のデータも蓄積されている。これらの有用性は極めて高い反面、十分に活かされていないケースが大半なのではないだろうか。
「膨大なデータを収集・整理して、分析する。そして業務に適用して分析結果から気づきを得た上で、業務を効率化するなどして、より適切にお金を使っていく。こうした流れを生み出すためのソリューションが求められてきました」。
これを実現するために同社が提供しているのが「官公庁・自治体EBPM推進データソリューション」だ。
各々の原課がもつデジタル化された非構造データ(※2)や構造データ(※3)を収集、一元管理して、データ分析やその解釈を支援。また、ダッシュボード支援機能などで分析結果をもとに関連性や将来予測などのヒントも与える。これにより原課の職員が大きな負担を感じることなくデータ活用を行うことを実現するという。
「部局を横断したデータの分析と、個別の分析を総合支援し、有用なデータ分析結果を作成者の原課以外に連携することができます。また横断的にデータを分析可能です」。
※1:EBPM Evidence-Based Policy Makingの略。「証拠にもとづく政策立案」を意味し、経験や直感ではなく、データや合理的な根拠にもとづいて政策を立案・評価する手法のこと。政策の透明性や効果の向上が期待され、内閣府などが推進している。
※2:デジタル化された非構造データ 紙に活字テキストで出力した印刷物や、画像を含んだPDFデータ
※3:構造データ 業務システムに保持するデータやオープンデータ
保育園、介護、インフラなどの将来予測に貢献。
このソリューションは、これまで複数の省庁や自治体で導入され、それぞれの場所でEBPMの支援を担ってきた。例えば自治体の事例では、保育や介護などの領域における活用が代表的なものだという。
「保育サービスは拡充していかなければなりませんが、施設を増やせばよいというものでもありません。そこで地域の人口動態や保育需要、世帯収入などのデータを関連づけて分析し、適切な保育所数を推計する、といった使われ方をしています。介護分野でも同様で、高齢者数の推移だけでなく、健康や財政のデータとも紐付けて、“健康寿命の延伸施策を強化しよう”といった結論を導き出すことに貢献します」。
ほかにも、活用が想定される場所としては、上下水道における劣化リスクが高い場所の推定、消防局での将来的な機材調達の予測などが考えられる。
また、各中央省庁の統計業務などですでに活用されており、公開統計として社会へ情報を還元しているそうだ。
利用している自治体からは、「単に保育所を増やすのではなく、地域の保育ニーズに応えながら将来的に“ここがベスト”と考えられる施設数を見つける上で役立った」、「健康増進の事業評価ができ、事業の継続性について担保できた」といった感想が寄せられているという。
「本ソリューションは、例えば将来必要となる保育施設数の予測や、適正な施設配置の可視化などに活用でき、地域ニーズに答えながら最善な施策を行えます。働き方についても以前よりもコア業務に集中できるようになり、よりよい施策計画と実行を支えます」と山口さんは話す。
部局を横断したデータ分析と、個別の分析を総合支援。
こういった総合的な支援は、BIツールである「uniSQUARE BA」と分析ツールである「ML」、データレイクハウスサービスである「watsonx.data」を組み合わせることで実現するという。
uniSQUARE BAは、様々なデータをインプットして指示を出すだけで、自動的に分析して表やグラフなどに可視化するBIツール。大規模なデータを組織横断的に収集・分析できる「エンタープライズBI」と、個人や個別の部署でデータ分析を簡単に行なえる「セルフサービスBI」の、両方の機能をあわせもつ。
「当社が、これまで省庁や自治体への支援で蓄積してきた知見を、このシステムに落とし込んで開発し、使いやすく、精度の高いツールをつくり上げています」と、山口さんは説明する。「例えば、複数のデータをかけ合わせて分析する“セルフデータモデリング”機能では、人口統計と福祉・教育、インフラなど各分野のデータを読み込ませることで地域の状況を立体的にとらえ、地域内の施設を将来的に増やすべきか、減らした方がいいのか、といった議論を行う際のエビデンスを得ることができるようになります」。
また、データレイクハウスを実現する生成AI関連ソリューションと組み合わせることで、すでに基幹系システムでデジタル保存されているものに限らず、紙に活字テキストで出力されている印刷物についても、AI-OCR などを活用して取り込むことが可能。画像を含んだPDFデータも情報として吸い上げることができるという。
加えて、取り込んだデータを分析する際の職員負担を減らす“サンプル分析モデル”も付属しているという。「サンプル分析モデルは、いわばシステムに分析指示を出す際のテンプレートのようなもので、自治体業務ですぐに使えるよう汎用化されています。これをカスタマイズすることで、より自分のまちに合った分析モデルへ進化させていくことが可能になります」。
さらに、同システムはAIによるダッシュボード支援機能を内包しており、データから作成された分析結果をもとに、関連性や将来予測などのヒントも与えてくれる。
こうした作業は従来、高いITスキルを持つ一部の職員が担ったり、あるいは外部のコンサルに委託したりすることが多かったが、同サービスを活用することで原課の職員が大きな負担を感じることなくデータ分析作業を進められるようになるそうだ。「マニュアルを充実させており、個々の職員が独力で分析作業を進められるようになるまでの伴走支援も行うので、高い専門知識やIT技術を持っていなくても、複雑なデータ分析を行うことが可能になります」。
ベテラン世代の穴埋めにも有効。自治体業務を継続的に!
EBPM推進について、各省庁はそれぞれに基本方針を打ち出しており、自治体に向けた研修やワークショップも多数開催されている。同社も行政と足並みをそろえ、中央で、そして全国各地でEBPM推進のサポートを展開している。こうした動きはこれからも加速していくだろう。
また、今後はベテラン世代の数も減少していき、自治体の現場はどこも負担の増大が予想される。そうした場面で、業務の内容を人対人で引き継いだり、マンパワーを費やして施策の方針を決定したりするのも無理がある。このソリューションの導入により、自治体業務を標準化し、継続性を担保する効果が期待できるという。
「EBPMは、事業を立案する際の、“なぜそれをやるのか”という理由を裏付けることにほかなりません。本ソリューションは、この作業をより正確かつ迅速に行うためのものです。さらに、従来はデータ化できなかったものをデータ化したり、活用されていなかったデータを分析したりといった取り組みの中で、新しい気づきが得られることも多くあります。また、職員による自走ができるようになれば、外部コンサルの活用も不要になり、コスト削減にもつながります。こうした取り組みは勤務時間の削減や人的リソースの有効活用に直結し、職員は市民サービスを高めるためにエネルギーを割くことが可能になるはず。そんな世界を実現したいと願っています」。
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