
※下記はジチタイワークスVol.37(2025年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
草津市と同市国際交流協会は平成27年、外国人で構成する「機能別消防団」を発足させた。同市には約3,000人の外国人が暮らしているため、災害時のサポート体制を整えることが目的だ。令和6年度時点では、ベトナム・中国・フィリピン国籍の20~50代の男女8人が所属している。
発足のきっかけは、外国人に向けて防災講座を実施した際、避難時の知識の少なさに危機感を覚えたことだという。「語学力に優れ、日本の生活への理解が深い外国人を機能別団員に任命し、“支援される側”から“支援する側”へ、まわってもらうことがねらいでした」と小川さん。消火器の使い方を確認したり、胸骨圧迫を練習したりする一般的な訓練に加え、避難所運営を想定した炊き出しの実践も行っている。外国人の団員が中心になってカレーをつくり、役割分担などをしながら現場を取り仕切っているそうだ。活動が10年続いているポイントは、団員同士の仲のよさだという。これまで避難所運営が必要になるほどの災害は起きていないそうだが、毎月1回程度、市や同協会が開くイベントなどで顔を合わせ、関係性を築いている。
市内に住む外国人の中には留学生も多いという。「今後は、大学などと連携して啓発活動を行いながら、団員が新たに活躍できる場も広げたいです」。今後の活動にも注目したい。
▲防災イベントに出席するなど、啓発活動にも取り組んでいる。訓練を繰り返し実施し、有事に備えているという。
草津市 総合政策部 危機管理課
小川 冴子(おがわ さえこ)さん