
※下記はジチタイワークスVol.38(2025年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
近年、技術職員の人材不足に直面している自治体が多いようだ。沼津市でも、採用予定数を確保できない状況が続いていたという。危機感を抱いた若手技術職員が声を上げ、令和4年に「技術職員採用プロジェクトチーム」が発足した。
まずは、受験しやすい環境づくりに着手。6月募集開始、9月内定の従来スケジュールを3カ月前倒しにし、年々早まる民間企業の就活戦線に対応した。さらに、試験科目を見直し、一般教養や専門分野などの筆記試験や、小論文を廃止。代わりに、学生が民間企業と同じ対策で受験できるよう、総合適性検査(SPI 3)を導入した。面接も2日間から1日に短縮し、移動の負担を減らしたそうだ。加えて、技術職の魅力を伝えるために、大学など累計64校を訪問。就職説明会開催の交渉や、情報発信の協力依頼などを行った。また、学生が若手職員とともに現場を見学する、「しごとスタディツアー」も実施したという。
一連の取り組みの効果は大きく、令和4年度の採用試験では倍率が1倍強だったが、同年度の追加募集で3. 3倍、令和5年度は4.8倍まで上昇。「内定後にはオンライン相談会を開催し、辞退の抑制につながりました」と鈴木さん。今後は、市外に進学した高校生のUターン就職を視野に、高校生へのPRも強化していくそうだ。
▲技術職の魅力と職員のリアルな姿を学生に伝えている。
沼津市 元・建設部 建設デザイン政策課
(現・都市計画部 まちづくり政策課)
鈴木 雄介(すずき ゆうすけ)さん