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※下記はジチタイワークスVol.36(2025年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
行政保健師が奔走する漫画「保健師がきた」が話題だ。小野市市民福祉部の保健師たちが主人公のモデルになっており、住民に寄り添い支える日々が細やかに描かれている。作者は、市在住の漫画家・埜納(ののう)タオさん。令和3年、コロナ禍で奮闘する保健師たちの姿を見て関心をもったという。“保健師という仕事を知りたい”という取材依頼に、同市は快く応じた。「保健師は、人情味あふれる仕事。漫画を通して、魅力ややりがいをぜひ多くの人に知ってもらいたい」と長谷川さんは語る。
取材には、若手保健師3人が最初に対応し、主人公である新人保健師のモデルになった。以来3年にわたり、毎月2回ほど業務時間の後で取材に協力。健康増進課・子育て支援課・社会福祉課・高齢介護課の計15人の保健師がテーマに合わせて対応し、現場のリアルを伝えている。現代社会におけるニーズを考慮しながら、題材の提案も行っているという。「例えば、母子支援であれば、核家族化が進み、出産後にサポートが得られない人が増えている現状を伝えています」と長谷川さん。
漫画を読んだ市民や庁内職員から、“どんな仕事なのか初めて知った”“分かりやすかった”との反響が。近隣自治体の保健師からも、“もっとこういうことも描いてほしい”とリクエストが届いているそうだ。「理解が深まることで、保健師を目指す人が増えるきっかけにもなれば」と、期待を込める。
©埜納タオ/双葉社
▲令和5年に1巻、翌年に2巻が発刊された。評判がよく、広報紙にも初めて漫画を採用。
小野市 市民福祉部 健康増進課 保健師
長谷川 知佳(はせがわ ちか)さん