※下記はジチタイワークスVol.28(2023年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
昨今、段差の解消などのハード面だけでなく、心の中のバリアを取り払うソフト面でのバリアフリーが各地で推進されている。中能登町では、心のバリアフリー先進地を目指し、平成29年4月より「障害攻略課プロジェクト」をスタート。「皆さんが笑って楽しめる社会の実現に向けて、少しの知恵と工夫をしながら、日本にある社会障害をゲーム感覚で楽しく攻略するプロジェクトです」と駒井さん。取り組みの一つが、まちの伝統的な基幹産業である織物を活用した“繊維スポーツ”だ。
繊維の廃材や布で軟らかなボールなどをつくり、「SDGs玉入れ」や「おにぎりビリヤード」といった、全12種目を考案。子どもや高齢者、障害者、運動が苦手な人など、誰もが同じフィールドで一緒にできることがポイントだ。
▲初考案の種目は、相手のポケットをねらう玉入れゲーム「ポップコーンウエーブ」。
▲繊維スポーツの種目は、世界ゆるスポーツ協会からのアドバイスも受けながら設計。
ルールブックも発行しているが、参加者に応じてルールはその都度変えている。「例えば同じ年代の高齢者でも、元気な方もいれば脚の不自由な方もいます。ルール通りに行うことが目的ではなく、みんなが笑って楽しめることを目指しています」。小学校への出前講座も行っており、今後は運動会の種目としても採用されるように広めたいという。「障害の有無にとらわれず、親子や祖父母と一緒に楽しい時間を共有してほしいですね」と期待を込める。
中能登町 企画課/障害攻略課
駒井 秀士(こまい しゅうじ)さん