※下記はジチタイワークスVol.26（2023年6月発行）から抜粋し、記事は取材時のものです。
品質には問題ないものの、リニューアルに伴い旧仕様となり、未開封のまま返品される化粧品の余剰在庫。こうした“行き先の決まっていない化粧品”を経済的に余裕のない女性に届ける活動がある。一般社団法人「バンクフォースマイルズ」による「コスメバンクプロジェクト」だ。一方、“ひとり親世帯”の支援などを行う柏市こども福祉課では、シングルマザーの約40％が非正規雇用で、“自分にはお金をかけられない”という声に課題を感じていた。
この2者が提携し、令和4年8月、児童扶養手当を受給しているひとり親約2,000世帯に「コスメギフト」を配布。毎年8月は、現況届の提出期間。暑い中、足を運んだ母親たちからは笑みがこぼれ、“欲しくても買えなかった商品が入っていてうれしい”“これを機に自分磨きも頑張りたい”という感想が寄せられたという。
また10月には、ひとり親世帯対象の「仕事に役立つメイクセミナー」をバンクフォースマイルズと共催。化粧品メーカーからメイク講師が来場し、就労面接や仕事に役立つメイク術をレクチャーした。このイベントも反響は大きく、「ひとり親の就労支援を目的に、自立した生活へ向けた後押しの一つとして、今後も継続的に開催できるように努めたいですね」と田之上さんは話す。
メイクセミナーは、1日2回各2時間・定員計20人で開催。
コスメギフトの一例。スキンケアからメイクアップアイテムまで種類も豊富。
柏市 こども部 こども福祉課
田之上 文孝（たのうえ ふみたか）さん
_ バナー.png)
