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戸籍確認を特許技術で高速化!“終わりの見えない相続人調査”の負担軽減へ。

近年、自治体業務で顕在化した課題の一つが、戸籍調査の負担だ。相続人の特定や空き家対策、令和6年に開始された戸籍証明書等の広域交付など、戸籍にまつわる事務作業に多くの職員が労力を割いている。こうした課題に対し、業務の効率化や属人化の解消を支援するツールとして注目されているのが「AI相続ミツローくん」だ。どのような特徴を備えているのか、提供元である「サムポローニア」の小栗さんに話を聞いた。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです
[PR]株式会社サムポローニア

interviewee

サムポローニア
DX Lab
小栗 謙一(おぐり けんいち)さん

終わりの見えない戸籍業務、職員に重くのしかかる負担。

超高齢社会の到来に伴い、さらに多忙化することが予想される業務は多い。そうしたものの一つが“相続人調査の事務作業”だ。小栗さんはこの課題について「早急な対策が必要だ」と懸念を示す。

「日本では今後、死亡者数が増加し、相続に関する案件が増えていきます。その反面、労働力人口の減少に伴って職員数も減る。おのずと相続人調査を行う部署は人手不足が加速してしまうでしょう」。

この業務で欠かせないのが、戸籍の追跡と相関図の作成作業だ。例えば税の滞納がある住民が亡くなった場合、所管する部署では相続人を調べ、該当する相続人が支払いをするのか、あるいは相続を放棄するのかを確認する必要がある。その際には、親類縁者の戸籍を揃え、相関図をつくって対応しなければならないが、この負担が職員には重くのしかかっているという。

「相続人の特定に必要な戸籍が揃うまで確認と公用請求を繰り返し、相関図をつくっては不足している部分を探して再び公用請求をする、という作業の繰り返しになります。縁者が全国に散らばっていたり、転籍していたりする場合は“終わりの見えない追跡”になってしまいがちです」。

相続人調査のイメージ


また、法定相続分にもとづいた支払額の算出、という事務作業の負担もある。相続人が配偶者と子などとシンプルなケースなら分かりやすいが、人数が増えたり、相続順位が変わったりするにつれて算出も複雑に。手続きを進めている中で誰かが亡くなるとさらに混乱する。

「ベテランの職員であればスムーズに進められるかもしれませんが、ともすれば属人化し、その職員がいなくなったら現場の混乱を招きかねません。加えて、定期的な異動や人員不足もあり、次の世代に知見を受け継いでいくのも簡単ではないでしょう。まずは紙やExcelからの脱却、そして業務の標準化を行うことが必要だと考えます」。こうした課題に対し、同社が開発したのが「AI相続ミツローくん」というシステムだ。

特許技術で戸籍確認を効率化!最短20分の“相続人調査”へ。

同システムは、戸籍調査の業務に特化したソリューション。AI-OCR機能を使って戸籍を読み取り、記載内容を解析・データ化した上で、相関図の作成や法定相続人の判定、相続分の計算などを自動処理する。

「戸籍確認業務の一部を自動化することで、業務効率の大幅な向上が期待されています。運用環境や業務フローの工夫次第では、従来1件当たり約60分を要していた作業が最短で20分程度にまで短縮される可能性もあるとされており、福島県郡山市では、令和7年9月からの実証実験でその効果を検証する予定です」。
 

- AI-OCR機能を使って相関図データを自動作成‐
AI-OCR機能を使って相関図データを自動作成


このシステムはオンプレミスでの提供となっているため、戸籍を扱う上でのセキュリティ要件にも対応。また、読み取ったデータは庁内のデータベースに格納し、複数部署での戸籍調査関連業務に活かすことができる。「自治体では納税の所管課をはじめ、様々な部署で戸籍の調査を行います。データがデジタルで一元化されていれば、同じ戸籍を別々の課で調べるといったムダがなくなり、庁内全体での業務効率化にも貢献できます」。

ちなみに、OCR読み取りをもとにした相関図の自動生成や、法定相続人の自動特定、相続分の自動計算といったものは特許を取得した同社独自の機能だ。「ほかにも、戸籍の読み取り後に相続関係を確認できない場合でも対応する機能、そして相続関係人を時系列で整理する機能でも特許を取得しています。これらが凝縮した『AI相続ミツローくん』は、文字通り当社だけのサービスです」と、小栗さんは力を込める。
 

- AI相続ミツローくんを使った相続人調査の流れ‐
AI相続ミツローくんを使った相続人調査の流れ

複数部署にまたがる業務だからこそ、導入効果も大きい!

こうした多彩な機能で自治体業務を支える同サービス。活用のメリットは職員の負担軽減や時間短縮だけでなく“正確性”という面もある。とりわけ相続に関する業務は個人の資産に直接関わってくるものだけに、万が一ミスが起きると大変なことになる。そのために職員も細心の注意を払って事務作業を進める必要があり、「間違えてはいけない」ということがストレスにもなるが、そうした点の改善にも貢献できるという。

「本サービスが対応しているのは横書き戸籍ですが、定型フォーマットの活字とAI-OCRは非常に相性がいい。この高い正確性を活かしつつ、業務フローを標準化することで、職員は要所だけ確認すれば済むようになり、結果としてヒューマンエラーの防止につながります」。

また、業務フローの標準化は、庁内での利用拡大においても大切な要素となる。そして利用する部署が増えていけば、費用対効果を上げることにもつながっていくだろう。参考までに、庁内での利用が想定される部署としては以下のような例が挙げられる。

◎ 固定資産税課・・・税の滞納者が死亡した際に、納税者(相続人)を特定する
◎ 空き家関連課・・・所有者不明の空き家・空き地対策として相続人を特定する
◎ 生活支援関連課・・・受給審査の際に、相関図で扶養義務者など親族関係を可視化する
◎ 住民・戸籍課・・・広域交付の際に、請求者の戸籍関係確認を迅速化する


上記は活用の一例だが、特に住民・戸籍課での広域交付では、来庁者に申請資格があるかどうかの戸籍確認に時間がかかることが多い。この手順を自動化すれば窓口の混雑解消につながり、住民サービスの向上に寄与することが期待できる。

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戸籍業務を支える、相続人調査に特化した頼れるパートナー。

このように、様々な導入メリットを持つ同サービス。令和7年にオンプレミス対応となった直後から、自治体からの問い合わせが増えているという。小栗さんは、戸籍調査の属人化を防ぎ、“誰もが一定の水準で対応できる仕組みづくり”が、今後さらに広まっていくだろうと予想している。

「原課では経験豊富な職員が活躍しているため、『今はまだ大丈夫』と考えている自治体もあると思います。しかし今後の社会では、解決すべき案件が亡くなる人の数に比例して増加し、職員が対応するスピードも追いつかなくなるでしょう。その時になって人事体制を組み直すのは、かなり難しい話です。こうした将来の課題に向け、今から備えておくことがオススメです」。

また、郡山市との実証実験を通じて得られた成果を今後のサービスに活かしながら、全国の自治体へ還元していく予定だという。これまで職員を悩ませ続けた“戸籍の連続性”や“網羅性”という問題。ここにシステムを投入することで、不足している情報は明確になり、“終わりのない追跡”にもピリオドを打つことができる

そして事務作業の負担軽減と時間短縮が実現すれば、増加していく戸籍調査に対応するための新しい体制もつくれるはずだ。その新しい体制の中、ミツローくんは職員たちを支える“チームの一員”となってくれることだろう。

 

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- AI相続ミツローくんの強み -

(1)特許技術×AI-OCRで実現する圧倒的な時短効果
相関図の作成をはじめ、法定相続人の特定、相続分の計算などを自動化。他社にはまねできない複数の特許技術でサービスを構築し、業務効率化と作業時間の短縮、職員の負担軽減が期待できる。

(2)全庁的な業務効率化と情報共有を後押し
税滞納者の相続人調査をはじめ、空き家対策や福祉など、戸籍調査を必要とする様々な部署で活用可能。データベースを一元化することで作業の重複を避けることができ、庁内の業務効率化に貢献。

(3)属人化、紙文化、手作業からの脱却をサポート
システムによる作業フローの標準化で、ベテランの経験・知見に頼っていた慣習から脱却。引き継ぎ業務も簡略化することができ、相関図のシステム化によってペーパーレスも実現する。

 

コラム|福島県郡山市とサムポローニアが連携協定を締結。「AI相続ミツローくん」で相続人調査の負担軽減へ

令和7年8月29日、サムポローニアは郡山市と、固定資産税賦課業務における相続人調査の省力化を目的とした共同実証プロジェクトに関する連携協定を締結した。

固定資産税課税事務の現場では、所有者不明の不動産問題や相続登記の義務化への対応が求められており、従来この戸籍調査は職員による手作業で行われていたため、その煩雑さが大きな業務負担となっていた。今回の実証は、全国の自治体として初めて「AI相続ミツローくん」を導入する事例であり、戸籍書類をAI-OCRで読み取り、相続関係を自動解析することで、調査業務の大幅な効率化と迅速化、さらには人的ミスの防止が期待されている。

締結式において、郡山市長の椎根 健雄さんは「全国初のこの取り組みが、DXによる業務効率化の好事例として広く発展していくことを期待する」と述べた。また、サムポローニア代表取締役社長の竹内 澄成さんは「われわれの技術が、市民サービスの向上に貢献できることをうれしく思う。実証実験を通じてシステムをさらに磨き上げたい」と語った。

本実証事業は、セキュリティを確保したオンプレミス環境で実施される。両者の連携によって、迅速かつ適正な課税事務の実現がどこまで可能となるのか、今後の展開に注目したい。

 

 

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