
読者投稿ページは、自治体職員が日々の業務や活動している内容を発表・共有できる場です。読者自ら執筆した原稿の中から、編集室が選出した記事を、ジチタイワークスWEBで公開させていただきます。
ぜひ、皆さんの自治体職員としての経験や取り組みを、編集室にお届けください。
● 投稿者(自治体職員)プロフィール
テーマジャンル : キャリア、公務員の強み
投稿者名 : 竹村 彰太郎さん(30代)
所属部門 : 上下水道局 経営企画課
目の前の仕事に全力で取り組み、未来の自分をつくる。
私はこれまで、民間企業と公務員の世界を何度か行き来してきました。転職により、民間企業で3社、公務員として3自治体を経験し、現在はIT採用の事務職員として働いています。この経験を通じて、公務員と民間企業には異なる強みがあると感じています。今回は、ジチタイワークスのセミナー(2025年1月開催:ここでしか聞けない!地方公務員の「キャリア」と「生き様」#3)にパネリストとして登壇した経験も踏まえ、その気づきを共有します。
公務員として働く中で、特に20代から30代のうちは、“この仕事、自分じゃなくてもできるのでは?”“異動によって覚えることが変わるので、勉強してもムダでは?”と疑問を感じることがあるかもしれません。しかし、目の前の仕事に真剣に取り組むことで、自分の可能性を広げることができます。私自身、未経験の業務に対応するため、必要なスキルを身につけて成長につなげてきました。
例えば、社会福祉法人の会計監査を担当した際には、「社会福祉法人会計基準」を徹底的に勉強し、県内で講師を務められるレベルまで知識を深めました。これにより、企業の財務諸表が読めるようになり、強みを増やすことができました。情報技術分野では、IT用語を学び、複数の情報処理技術者試験の資格を取得しました。また、実際にプログラミングをしたり、ネットワーク機器を購入して設定を学んだり、様々な勉強をした結果、システムエンジニアへの転職という新たな世界を見ることができました。
主体的に学ぶ姿勢は、いい仕事をするためのスキルを磨く上で重要です。職場に所属している自分ではなく、「個人として何ができるのか」という視点をもつことで、市場価値を高められると考えています。
スキルの棚卸しで自分の現在地を把握する。
“今の仕事にやりがいを感じない”“もっと自分に合った仕事があるのでは?”と悩む人もいるかもしれません。どんな仕事でもスキルアップの機会はあり、自分が何をできるのかを把握する「スキルの棚卸し」が大切です。私は現在、転職を考えているわけではありませんが、定期的に職務経歴書をブラッシュアップしています。そうすることで、自分が今、社会にアピールできる能力や、逆に不足している部分を客観的に把握できます。
例えば、現在携わっている公営企業会計では、“会計や税法の知識を身につけている”と職務経歴書に書きたいと思い、「地方公営企業法施行規則」だけでなく、「消費税法」や「所得税法」などの関連法規まで掘り下げて学習しました。足りない部分は、自ら手を動かし、経験を積み重ねて補うことを意識しています。転職を視野に入れずとも、“転職できる状態”を意識し、自分自身を常にアップデートしつづけることが、現職での高いレベルのアウトプットや、モチベーション維持につながると考えています。
公務員の強みである“横のつながり”を業務に活かす。
“公務員としてのキャリアやモチベーションに悩んでいる”という声をよく聞きます。そんなときは、視点を変えることで新たな発見があるかもしれません。公務員の強みの一つは、「横のつながり」です。私が民間企業、特にシステムエンジニアとして務めていたときは、同業とのネットワークが希薄でした。しかし、公務員は自治体間や職員間の連携が強く、情報交換や意見交換が活発に行われています。
例えば、年度当初契約のあり方を研究していた際は、公務員コミュニティで他市の職員に相談し、業務改善のヒントを得ました。他市の業務を知ることで、自分の業務を客観的に見直す機会にもなります。私はこの「横のつながり」を大切にし、様々な情報を収集するため、自らも積極的に情報発信をしています。自身の業務経験や知識をコミュニティやSNSで発信し、フィードバックをもらうことで、新たな気づきや視点を得られます。それを業務に活かし、さらに情報技術の専門性を発揮することで、私らしい、よりよい仕事ができると考えています。
この公務員の強みを活かし、ぜひ皆さんもほかの自治体の職員と積極的に交流し、モチベーションを高めながら、よりよい仕事を目指して頑張ってほしいと思っています。
竹村さんが登壇したセミナーはこちら
ここでしか聞けない!地方公務員の「キャリア」と「生き様」#3
●公務員コミュニティはこちら
地方公務員オンラインサロンbyHOLG