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「先生を続けるための『演じる』仕事術」教員から教員へ、現場を学べる一冊

「笑ったり、怒ったり──こんなに感情豊かに働ける職業は、ほかにないかもしれません」。
そう語るのは、教員歴20年以上の松下隼司さん。授業はまるで“即興劇”のようだと語り、日々の教育現場で「先生を演じる」ことの意味を見つめ続けてきました。
本書は、そんな松下さんが、自身の演劇経験と教員としての歩みをもとに綴った、“楽しく働き、自分を守る”ためのヒント&メソッド集。

──子どもたちに楽しく学んでもらうために。そして、先生たちが元気に仕事を続けていくために──しんどさに向き合う日々にそっと寄り添い、明日を少し軽くしてくれるような一冊です。

※著者の所属先及び役職等は2025年7月公開日時点のものです。
※記事の掲載情報は公開日時点のものです。


【著者】
松下 隼司(まつした じゅんじ)さん

大阪市立豊崎小学校
教員


プロフィール
大学卒業後、小劇場を中心に10年間の演劇活動を行い、2003年度より現職。「令和4年度 文部科学大臣優秀教職員表彰」での表彰をはじめ、「第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール」で文部科学大臣賞、「第69回 読売教育賞 健康・体力づくり部門」で優秀賞を受賞。本の執筆に取り組むほか、「しくじり先生の”今日の失敗”」をテーマに、音声プラットフォーム「Voicy」でパーソナリティとしても発信中。

 

先生を続けるための『演じる』仕事術

 

【書籍】
先生を続けるための『演じる』仕事術


【本の内容を要約すると?】

職場で心をすり減らさないために――本書は「先生を演じる」という視点から、しんどい状況でも自分を保つためのメンタルコントロールやメソッドを紹介。働き方の工夫や、人間関係の築き方、子どもとの接し方など、現場で役立つヒントが満載です。

“先生を演じること”で、私自身が職場でのしんどさから救われました

小学校の先生になったばかりの頃、職場の人間関係が本当につらくて、「このままマンションから飛び降りたら楽になれるかも…」と考えてしまうことが何度もありました。そんな私ですが、今では「先生を続けられるのもあと●●年か…」と、残りの時間を惜しむほどポジティブな気持ちで働けています。
何が変わったのか?――それは、「演じる」という視点を取り入れたことでした。
そこで、20年以上の教員経験と10年以上の演劇経験をもとに、自分の心を守りながら働くための工夫を、ユーモアも交えてお伝えしてみようと考えました。
教育現場に限らず、しんどい職場で頑張っている全ての方に、少しでもヒントになればうれしいです。

心が折れそうなときにこそ届けたい、“仕事を演じる”という選択肢。

本書は、全5章で構成されています。

第1章では、「『演じる仕事術』についてのマインドセット」を紹介します。教員に限らず、私たちはプライベートの顔と職場での顔を使い分けており、さらには相手ごとに異なる“顏”を見せているものです。ここでは、“職を演じる”ことのメリットについてお伝えします。

第2章は、「パワハラ気質の同僚・カスハラ気質の保護者への演技対応」です。職場でのパワハラは、精神的に最もダメージを受けやすい要因のひとつです。マウントを取ってくる同僚や保護者にどう向き合うか、その対応法と心構えの工夫について解説します。

第3章は、「子どもへの演技対応」です。教師のイライラが、大切な子どもたちを傷つけてしまわないようにするための工夫を、“アンガーマネジメント×演技”という視点で紹介します。ただ我慢するのではなく、楽しく叱るためのコツもお伝えします。

第4章では、「同僚とのコミュニケーション×演技」をテーマに、職場で“愛されキャラ”を演じる工夫や、悪い同調圧力に巻き込まれないための対処法を具体的に紹介します。職員室での人間関係をよりよくするヒントが詰まっています。

第5章は、「『演じる仕事術』のポイント」です。気持ちがしんどいときに仕事モードへ切り替える方法や、仕事で疲れた心をリフレッシュするための具体的なアイデアをまとめています。

人間関係の悩みやしんどさを抱える誰かの心を軽くできますように。

私自身、職場の人間関係に悩み、メンタルが崩壊する寸前まで追い詰められたことがあります。逆に、自分の言動で同僚や子どもたちを傷つけてしまったこともありました。

同じ失敗を繰り返さないように、何度も試行錯誤を重ねた末にたどり着いたのが、「演じる仕事術」という考え方です。仕事には、楽しい瞬間もあれば、しんどい場面もあります。それは教員に限らず、どんな職業にも共通していることだと思います。

本書が、今、働くことにしんどさを感じている誰かの心を少しでも軽くし、“楽しさ”を再発見するきっかけになれば、これ以上にうれしいことはありません。

 

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