
オンライン動画学習サービス
目まぐるしく変化する社会環境に対応するには、職員一人ひとりの自己啓発が必要とされている。人材育成に力を入れる山梨県では、より多くの職員が自ら学ぶきっかけを生み出すために、eラーニングを導入して成果を上げているという。
※下記はジチタイワークスVol.38(2025年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]株式会社Schoo
山梨県
総務部 職員研修所 主事
小林 未歩(こばやし みほ)さん
自己啓発に取り組む職員が限定的で、学びやすい環境づくりが必要だった。
少子高齢化による人口減少や社会環境の変化に対応するため、同県は“創意工夫と高い生産性、前向きな姿勢で組織に貢献する人材”を、職員のあるべき姿として掲げている。成長するためには、主体的にスキルを習得し、その上で業務に取り組む姿勢が必要だ。こうした方針のもと、令和5年度までは通信教育講座や自治体法務検定の経費を助成するなど、スキルアップ支援を行ってきた。
しかし、主体的に学ぶ人は限られていたため、より多くの職員が取り組める仕組みを模索していたという。「日々の業務で忙しい中でも、時間や場所を選ばず学べる環境が必要だと思い、eラーニングを導入することにしました」と小林さん。
行政課題の多様化や社会変化に対応するには、多角的な思考力と判断力の強化が欠かせない。そこで、業務スキルの向上だけでなく、ライフスタイル関連の内容も学べるオンライン学習サービス「スクーフォービジネス(Schoo for Business)」に着目。講師と受講者が双方向でやりとりできるライブ授業や、日々更新される最新の録画授業が、学習習慣の定着に効果的だと判断したという。
職員に響く情報発信を通じて、学びはじめのハードルを下げる。
同県は、全職員を2グループに分け、1人当たりカ月間利用できるように。一度は触れられる機会を設けた後、継続希望者を募った。「コスト面で“全員を対象にする必要があるのか”という意見がありました。しかし、当県では自己啓発が努力義務となっています。多くの職員に参加してもらうことと、学習ニーズを把握する目的もあり、この方法を選んだのです」。実際、当初は関心が薄かった職員も全庁導入をきっかけに学習を始めるように。「最初から希望者のみでは、得られなかった成果だと思います」と小林さん。
導入後は学びを定着させるため、同県の事務局は運営に力を入れた。同サービスには多くの授業があり、“どれから見はじめればよいのか迷う”との声があったそうだ。そこで事務局は、人気の授業や職員が推薦する注目授業を紹介した。各地で災害が相次いだ時期には、防災意識に関する授業を推奨したところ、通常の2倍ほどの反響を得られたという。職位別やトレンドに合わせた内容を選び、関心を引く情報発信を心がけているそうだ。また、職員用のグループチャットに「スクーラボ」と名付けたコミュニティを設け、利用者同士の情報交換を促進している。
事務局運営にあたり、「スクー」と定期的なミーティングを行い、学習促進に有効なアプローチを相談しながら実践を重ねてきた。「職員の利用状況を把握して、必要に応じてアドバイスや情報提供を受けることができたので、とても心強かったです」。
隙間時間を活用できる手軽さで、学びの習慣化と質の向上へ。
これらの取り組みが功を奏し、令和6年度のeラーニングの利用実績は、令和5年度に通信教育を提供した39人から1,423人へと大幅に増加した。利用者のアンケート結果では、同サービスを5段階評価で“4”と評価した人が多く、満足度の高さを実感しているという。“資料作成のコツ”や“AI活用”など業務に直結する授業に加え、ワークライフバランスの向上に関する内容も人気だ。通勤中や食事中など、隙間時間を活用できる点が職員から好評なのだとか。
多彩なコンテンツから興味のあるテーマを選び、手軽に学べる環境が整ったことで、職員の知識が着実に広がりを見せている。「全ての職員が自己の可能性を最大限に引き出し、“持続的な成長とキャリアの充実を実現できる組織文化の創造”というビジョンを達成するには、事務局の働きかけが不可欠です。今後も学習の習慣化や質の向上を図り、意識改革に取り組んでいきます」。
導入実績
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職員も住民も学べるまちへ
手軽に学べるオンライン授業は、職員だけでなく、住民の生涯学習にも活用可能。地域の発展を支える知識習得の場として、学びを取り入れてみては。詳しくは問い合わせを。