ジチタイワークス

滋賀県草津市

おうみ自治体クラウド・RPAおよびAI-OCR導入及び運用・利用事業

取り組み概要

基幹システムを県内の8つの市で共同調達している「おうみ自治体クラウド協議会(法定協議会)」の母体を活かして、「RPAの分科会」を作り、AI-OCRとRPAを共同調達した。
なお、対象業務については、基幹システムへの入力業務のうち業務量の多い、市民税、介護、予防接種から導入することとした。

取り組み期間

令和元年度~(継続中)

※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2020」の応募事例から作成しており、本記事の内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。

背景・目的

草津市において、令和元年度にRPAを活用した生産性向上のための共同研究を行う民間事業者を無償により公募したところ2つの事業者から提案があり、提案に基づき各種業務調査とAI-OCR・RPAの実証実験を行い、費用対効果が見込める業務に対して令和2年度から本格導入を行うこととしたが、より効果的な手法とするため、おうみ自治体クラウド協議会の参画市に共同調達を呼びかけ、賛同いただいた6つの市(草津市含む)で共同導入及び運用・利用することとした。

取り組みの具体的内容

おうみ自治体クラウド協議会に参画している8つの市のうち、6つの市(草津市、守山市、栗東市、湖南市、米原市、甲賀市)において、以下の対象業務に対してRPA およびAI-OCRを共同で導入する。

<対象業務>
・市県民税退職、特別徴収、普通徴収への切替異動入力業務
・介護保険の認定申請入力業務
・健康管理の予防接種入力業務

<RPAツール>
・シナリオの作成が比較的容易であることからWinActorを各市へ導入
・各市のライセンス数は各市の希望にあわせて下表のとおりとした
<AI-COR>
・LGWAN-ASPおよびクラウド方式によるサービス提供を前提として、NTTデータ関西社の「バックオフィス連携サービス」を利用

<保守・サポート>
・RPAの運用、保守業務に加えて、今後の対象業務の拡大を見据えて、RPA推進担当と協議のうえ業務選定、支援および提案を行うこととしている
・今回本格導入する業務の効果を改めて見極めるため、効果測定を報告することとしている
・今後行われる法制度改正について、帳票レイアウト変更に対する対応を行うこととしている  等

<利用期間>
・令和2年10月1日からから令和4年9月30日まで
 ⇒効果測定を充分に行うことと、対象業務の拡大による変更契約を見据え2年契約とした

<帳票様式>
・現在、協議・調整中であるが、ベースとなる草津市の帳票様式は以下のとおり
【市県民税】

【介護保険】

【予防接種】
 

特徴(独自性・新規性・工夫した点)

・RPAの共同利用に当たっては、業務フローが同一である必要があるが、基幹システムを共同調達していることから、基本的に業務フローが同じであるメリットを活かした。
・AI-OCRの共同利用に当たっても、各種申請書の様式が統一されていることが望ましく、各市で様式が異なっているものがある中で、今回のAI-OCRの共同利用に合わせて様式を統一化する予定である。
 ⇒前提条件として、草津市において利用している帳票様式をベースとして協議、調整し、帳票は各市統一のものとすることとした。
 ⇒様式を統一することにより、各種申請書の印刷発注業務についても共同調達することが可能となる。
・その他、共同利用のメリットについては以下のとおり。

取り組みの効果・費用

・令和元年度の草津市における実証実験における費用対効果としては、草津市単独で年間270万円の削減効果(対象3業務にかかっていた人件費の削減額―導入・利用コスト)を見込んでいたが、広域で導入することにより、更に110万円の削減効果が生み出されると見込んでいる
 ⇒ただし、実際の効果測定は改めて実施する
 ⇒草津市以外の5市における費用対効果は現時点では未測定

・対象3業務に係る職員の作業時間は以下の通り減る見込み
 
 導入前:2016時間 ⇒ 導入後:436時間

取り組みを進めていく中での課題・問題点(苦労した点)

・本市でRPAに関する民間企業の共同研究を進めるに当たって、庁内の理解を得るために説明会を実したりもしたが、若手職員からは取り組みに対する賛同を得られることはあったものの、幹部職員からは理解が得られにくかったり、時期尚早であるという意見が多かった。
・他市でRPAに関する実証実験を実施している例は多数があるものの、業務フローが異なるために、他市事例をそのまま本市で適用することはできないため、実証実験の必要性を平成30年度から予算要求していたものの、無償で実施せよという指示であったため、平成30年度と令和元年度に民間企業の協力のもと、全て無償による共同研究・実証実験を実施してきた。

今後の予定・構想

・今年度の10月から本格運用を開始するため、費用対効果の検証を改めて実施することと合わせて、直営でシナリオ作成できる人材育成をプロジェクトチーム方式により実施し、本格運用する業務以外にも拡大できないかを検証する予定である。
・直営でシナリオ作成ができない業務で委託により拡大すべき業務についても、引き続き検証し、可能であれば広域で導入拡大していく予定である。

他団体へのアドバイス

・基幹システムや人事給与システム、財務会計システム等を他市町と共同調達しているのであれば、当該システムへの入力作業等に対してRPAを共同調達することは有効な手段であると考える。ただし、システムを共同調達していても、各市の業務フローや帳票が異なることもあることから、業務の標準化や帳票の統一に労力がかかると思われる。

取り組みについて記載したホームページ

草津市ホームページ「トップページ→市政情報→会議・審議会→会議・審議会報告→地域協働・人権・防災・総務→草津市行政システム改革推進委員会【第3次行政システム改革(平成29年度から令和2年度)】」に掲載
http://www.city.kusatsu.shiga.jp/shisei/kaigishingikai/hokoku/chikijinkenbosaisomu/gyousei3ji.html

問い合わせ先

滋賀県 草津市 経営戦略課
077-561-6544
 

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