
「早い」「安い」から地域との接点へ!自治体職員の胃袋を支える庁舎の食堂が近年、変貌を遂げています。この連載では都道府県庁や市区町村役場の食堂を代表する“この一品”をご紹介。そこには各自治体の特色や地域の誇りも垣間見えます。きょうのメニューは北海道北広島市役所の「白い恋人ソフトクリームぜんざい」。ぜひその魅力をご堪能あれ!
※営業時間、価格など掲載情報は取材当時のものです。
目次:「あの味」を市役所で / 庁舎建て替えで誕生 / 「エスコン」を望む眺望
地元工場の看板商品の味が市役所で楽しめる!
▲平成29年に供用開始となった北広島市の新庁舎。「イシヤカフェ」はその最上階に位置する。
北海道北広島市役所の5階に位置する「イシヤカフェ」は、北海道土産の定番「白い恋人」で知られる「ISHIYA」の直営店です。コーヒーなどのカフェメニューのほか、ランチタイムにはパスタやカレーなどの軽食も提供。いわゆる職員食堂とはひと味違う“市役所の憩いの場”です。
その名物メニューが「白い恋人ソフトクリームぜんざい」(税込650円、令和7年10月現在)。あの「白い恋人」に使われているチョコレートを練り込んだソフトクリームに、十勝産つぶあんとわらび餅がトッピングされています。
ISHIYAが運営するカフェの中でも、ごく一部でしか味わえない“和”スイーツ。「抹茶」と「いちご」の2つの味から選べます。同市にはISHIYAの工場が立地しており、その看板商品の味わいを市役所で楽しめるという趣向です。
イートインに加え、ISHIYAの製品の購入も可能で、職員はもちろん一般市民や観光客にも人気。地域と行政と企業がつながる象徴的な空間といえそうです。
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庁舎建て替えで誕生。職員と市民の憩いのスペース。
▲ランチタイムにはパスタやカレーなどの軽食メニューも提供。職員はもちろん市民にも人気。
同店がオープンしたのは平成29年のこと。市役所の新庁舎建設の際、最上階の5階に、市民と職員の憩いの場となる展望ロビーとカフェスペースが整備されました。
同じ年にISHIYAが北広島工場の稼働を開始。これと連動して市役所に直営カフェを開設したという経緯です。
同市総務課によると、建て替え前の旧庁舎には職員食堂などはなく、来庁者の利便性向上のために新設されたそうです。庁舎建て替えで食堂が姿を消す自治体も多い中、逆に出店の契機となった貴重な例です。
お昼時にはチキンカレー(同700円、同)やエビとアボカドのトマトクリームパスタ(同880円、同)、バゲットサンド(同550円、同)なども提供。それまで食堂がなかったこともあり、お昼の貴重な休息の場として職員の皆さんに歓迎されています。
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▶ 新スタジアム「エスコンフィールド」を核とした、地域が進化するまちづくり。
“まちのランドマーク”を窓から一望。
▲日本ハムファイターズの本拠地、エスコンフィールドを望む眺望。夏場はテラスも開放される。
カフェの窓からは北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」を望めます。
同球場を核とする「北海道ボールパークFビレッジ」は、同市の誘致が実を結んで令和5年に開業。球場のほかホテルや商業施設、マンションなども含む日本最先端の「ボールパーク」で、いまやまちの新たな顔です。
カフェに隣接するテラスは好天時に開放されます。北広島を代表する眺望として、また近くを走るJR千歳線を撮影するフォトスポットとして、観光客にも人気とのこと。
まちのランドマークを眺めながら、ランチやお茶が楽しめる市役所。職員の福利厚生に加え、シティプロモーションにも効果が期待できそうですね。
営業時間:10:00~16:00
定休日:北広島市役所に準ずる
※営業時間や価格は取材当時のものです。