※下記はジチタイワークスVol.35(2024年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
核家族世帯や共働き夫婦の割合が全国的に増える中、刈谷市のアンケートによると、児童の約93%が習い事を行っているという。利用できる公共交通が少ないため保護者の送迎に依存し、約8割の保護者がその負担を感じていたそうだ。また、保護者からは小学校の放課後児童クラブに加え、より質の高い教育を受けさせたいというニーズも寄せられていた。
そこで開始したのが、令和5年度共創モデル実証プロジェクトに採択された「刈谷放課後子育てMaaSプロジェクト」だ。放課後児童クラブと習い事先、放課後教育拠点、自宅を結ぶ子ども相乗りタクシーを導入。市内2つの小学校を対象に約1カ月の実証実験を行った。利用可能時間は平日の15~19時で、無料で利用可能。放課後教育拠点として「つながりステーション」を設け、宿題サポートやプログラミング教室、オリジナル教育プログラムを実施した。実験後の調査では、利用した保護者の90%以上が満足していると回答。令和6年度中に対象を3つの小学校に広げ、有料利用での実証実験を7週間行う予定だ。
「子育て世代を支援するために、モビリティの充実や多様な教育環境を整えたいです」と中村さん。有料制となり、ここからが正念場だと意気込んでいる。
▲放課後児童クラブで過ごす時間を教育に活用する。
刈谷市 企画財政部 企画政策課
中村 友洋(なかむら ともひろ)さん