ジチタイワークス

愛媛県伊予市

Pepperと歩もう!!デジタル社会への道。小学生を対象に「Pepperを活用した防災教室」を開催。

若手を中心としたデジタル化推進プロジェクト会議のメンバーが、未来を担う市内小学生を対象に「Pepperを活用した防災教室」を開催しました。

※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2022」の応募事例から作成しており、本記事の内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。

背景・目的

急激な人口減少、高齢化といった社会問題が深刻となっている中、自治体では、少ない人数、限られた時間で、従来以上のパフォーマンスを発揮することが求められております。
そのためには、デジタル技術を大胆に取り入れることが必要と考えております。そこで、伊予市ではデジタル化推進プロジェクト会議を立ち上げ、ソフトバンク株式会社と締結した、「ICTによる住み続けられるまちづくりとSDGsに関する協定」にもとづき、「3万人が住み続けられる伊予市」の実現のため、デジタル技術を利活用した業務および施策の実施についての調査研究に取り組みました。

その取り組みの中で、協定項目の1つである「教育振興に関すること」において、令和3年度は、市内小学生を対象に「Pepperを活用した防災教室」を開催しました。
全国各地で毎年のように豪雨災害が発生しており、この防災教室を通じて、児童が、普段からどのような危険があるのかを考えるきっかけとなり、災害は身近に起きる可能性があるので、どのような備えをしたらよいか、起こった際にはどのようにすればいいのかを理解してもらうことを目標にしました。

そして今後、各学校でプログラミング教育を進めていく際に、その入口として、今回の教室を実施することにより、プログラミング(デジタル)に興味・関心をもってもらうことを目的としました。

 

取り組み事例
「Pepperと歩もう!!デジタル社会への道」

ホームページ | 中山小学校にPepper(ペッパー)君が登場!防災教室を開催しました!
       翠小学校でPepper(ペッパー)防災教室を開催しました!
       北山崎小学校で防災教室を開催しました!

YouTube | 愛媛県伊予市公式チャンネル 翠小学校 Pepper防災教室(大雨編)

 

取り組み期間

令和2年度~継続中

 

取り組みの内容

●ソフトバンク株式会社との連携協定
相互の連携およびICT(情報通信技術)の活用により、地域の活性化や市民サービスの向上を図り、「住み続けられるまちづくりとSDGs」を推進することを目的として協定を締結しました。

●伊予市デジタル化推進プロジェクト会議設置
デジタル技術を利活用した業務および施策の実施について、調査研究を行うために設置しました。

●Pepper班設立
Pepperとともに立ち上がった、 3拍子揃ったメンバー(明るく、元気で、前向きに)+監督(SoftBank Corp.)

Pepper班

●学校で防災教室をしてみよう!!
現代の小・中学生は、デジタルの環境に慣れ親しむことが将来的にとても重要
毎年のように豪雨災害が発生しているため、災害について学ぶことが必要

●対象校の選定
市内小・中学校全てで実施することは難しいため、対象を小学校に絞り、 旧伊予市、旧双海町、旧中山町から1校ずつ選定しました。

●小学校との事前協議 打ち合わせは綿密に!!
各学校を訪問し、防災教室の資料や台本、準備物、先生とPepper班の役割、実施場所の確認など、詳細な打ち合わせを行いました。

児童に、より興味・関心を持ってもらい、理解が深まるように、学校からいただいた要望にできる限り、対応できるように取り組みました。

●防災教室の実施
いざ本番!!市内小学校3校で実施しました。児童はPepperに興味津々!!

(中山小学校)
5年生が参加しました。最初の開催であり、たくさんの関係者に見守られていたので、Pepper班も児童も緊張気味でしたが、防災教室後の触れ合いの時間ではPepperと楽しく交流できました。

中山小学校の様子

 

(翠小学校)
全校児童が参加しました。学びの時間を多く取り入れてほしい、低学年が理解できるように内容や時間を調整してほしい等の学校の要望に応じて、事前に内容を精査しました。

翠小学校の様子

 

(北山崎小学校)
4年生が参加しました。終始元気よく、クイズの場面では、児童の積極的な反応がみられ、活発的な教室となりました。

翠小学校の様子

翠小学校の様子が取り上げられた新聞記事

翠小学校の様子が取り上げられたニュース

新聞、テレビニュースにも取り上げられました!!

●アンケート集計を通して改善点の洗い出し
実施後の分析が大事です!!

アンケート集計結果

多くの勉強になったという声がありました。時間が短いということは、もっとPepperと触れ合いたかったと考えられます。

アンケート集計結果

低学年と高学年が一緒にするときは、先生のサポート、ワークシートを分ける等、工夫が必要です。難しいテーマこそ、まず関心を持ってもらうことが大事!!Pepperのおかげで関心を持ち、結果として理解が深まったのではないでしょうか。

アンケート集計結果

一緒に遊びたいという意見が多かったので、始めのアイスブレークに取り入れたらよさそうです。(みんなでダンス、じゃんけん大会等)

アンケート集計結果
先生からのご意見

先生の目線はとても参考になります。

防災教室実施での気づき改善点・注意点

児童の緊張をやわらげるためには、アイスブレーク、児童に対する反応(拍手、声かけ等)が大事です。

●今後の活用について可能性を模索

今後の活用について可能性を模索

※この取り組みは、ソフトバンク株式会社の協力のもと、伊予市が独自に実施しています。
※伊予市は、ソフトバンクロボティクス提供の「Pepper 社会貢献プログラム2」を利用しています。

 

取り組みを進めていく中での課題・問題点(苦労した点)

本番はうまくいきましたが、練習ではPepperが思った通りに動かないことがありましたので、動かないときのことを想定して、代替案を考えておき、代替機を用意しておりました。

Pepperは体重が重いので、階段の移動等はかなり大変です。そのため、1階等のなるべく持ち運びの少ない場所で開催することを心がけました。

 

特徴(独自性・新規性・工夫した点)

学校の先生が主体でPepperを活用している自治体は、全国的に少なくないと思われますが、伊予市のように若手中心で構成されたプロジェクトチームで教室を実施し、効果検証をした事例は全国的に珍しいと思います。

学校の先生とPepperの話すスピード、内容の精査等、綿密に打ち合わせをし、より充実した教室になるように努めました。

 

効果・費用

Pepperが講師役となることで、児童がより興味・関心を持つことができました。
Pepperを通して、興味を持ってデジタルに触れることができました。
防災という難しいテーマでも児童が集中して教室に参加することができ、防災に対してより理解を深めることができました。

 

今後の予定・構想

今後の予定(令和4年度)
認知症サポーター養成講座(認知症の人にどのように接したらよいか)
租税教室(税金について学ぼう)

今後の構想
今回は、デジタルに対して、親しみを持ってもらいたいという思いでの取り組みでしたが、今後は児童が1からプログラミングをし、プログラムを完成させ、Pepperを用いて発表するといった1歩踏み込んだ取り組みができたらいいなと考えております。

また、伊予市で開催している講座等で同じ内容を複数箇所で実施するような場合においては、一度プログラミングをしてしまえば、同じことを繰り返すことが可能です。そのPepperの強みを活かし、講座の準備時間の削減、発表者などの人員削減等といった業務改善が見込まれます。その効果について検証していきたいと考えております。

 

他団体へのアドバイス

難しいテーマでも、Pepperを活用することで、興味・関心を持ってもらいながら、デジタルに触れることができます。その結果、テーマの理解も深まると考えております。

防災や税金などの話をするときは、ぜひPepperと御一緒にどうぞ!!

 

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