ノボ ノルディスク ファーマ
医療政策・渉外本部
パブリックアフェアーズ部
シニアダイレクター
加藤 亮(かとう りょう)さん
社会的にも複雑な健康課題を産官学民の連携で克服する。
自治体の方々との会話では、“常に住民の顔を思い浮かべて課題に向き合っているのだな” と、感動を覚える瞬間が多々あります。熱意ある方々との協働は、そこに生活する住民一人ひとりの健康課題が解決される瞬間に立ち会うようで、非常に貴重な経験です。
当社は、深刻な慢性疾患の克服をパーパスとして、自治体への情報提供や提案を続けてきました。しかし、慢性疾患につながる上流の健康課題である肥満症は、社会的にも複雑な側面を抱えています。企業や自治体が単独で立ち向かうには、非常に困難な課題といえるでしょう。だからこそ、「一緒に考え、知恵を絞って課題に取り組む仲間」として、私たちもチームの一員に加わりたいと考えています。健康課題は複雑で克服が容易ではありませんが、産官学民の連携が一つの解決策になると信じています。
これまで当社は、肥満症対策をはじめとする慢性疾患領域において、複数の自治体と連携協定を締結し、様々な支援を行ってきました。役割としては、住民や医療関係者向けの啓発資材の作成、市町や医師会など関係機関との調整、医療従事者向け研修の開催、効果検証の実施などです。国内外で培った産官学民連携の知見を活かし、地域に根差した支援体制の構築を目指しています。こうした取り組みを通じて、より多くの人が適切な医療を受けられる社会の実現に貢献したいと考えています。
自治体と成功事例をつくり全国的な広がりを生み出す。
愛知県春日井市では、熱意ある職員や医師の皆さんとともに、肥満症対策の包括連携協定をスタートさせました。この取り組みは、地域の課題を明確にし、関係者が集まって議論を重ねることで、地域に合ったモデルが生まれる好事例となりました。
こうした連携はまだ前例が少ないものの、確実に新しい動きが始まっています。私たちは自治体の皆さんとともに取り組んでいますが、協働が不要になるほど肥満症関連の政策が整う日がくれば、それは何より喜ばしいことです。住民が深刻な慢性疾患で苦しむことなく、健やかに暮らせる社会の実現こそが、私たちの目指すゴールです。
当社の母体であるノボ ノルディスク財団は、「人々の健康と社会・地球の持続可能性を高めること」をビジョンに掲げています。その理念のもと、深刻な慢性疾患の克服に向けて、自治体の皆さんのパートナーとして協働できることを願っています。
