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福島県喜多方市

【行革甲子園2024】防災おしゃべり自動販売機による防災意識の啓発

全国の市区町村の創意工夫あふれる取り組みを表彰する、愛媛県主催の「行革甲子園」。7回目の開催となった令和6年の「行革甲子園2024」には、35都道府県の78市区町村から97事例もの応募があったという。今回はその中から、福島県喜多方市の「防災おしゃべり自動販売機による防災意識の啓発」を紹介する。

※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2024」の応募事例から作成しており、内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。

取り組み概要

飲料の購入時等に地元ラジオ局(ラジオ福島)のアナウンサーが、「災害に備えてしっかり準備」等、約20パターンの防災意識の啓発を図るアドバイスが流れる自動販売機(ダイドードリンコ社)を設置した。また、この自動販売機は災害救援自動販売機でもあり、大規模災害が発生した際は無料で飲料を提供するインフラとしての役割も担っている。

背景・目的

令和4年8月には、当市内で過去最大の雨量を観測した大雨の影響により、JR磐越西線濁川橋梁が倒壊し8カ月にわたり一部区間で運転見合わせとなり、また、当市と山形県米沢市を結ぶ国道121号大峠道路においても、道路が一部区間で崩落し一時通行止めになる等、自然災害が激甚化し市民や観光客等に多くの影響があり、災害への備えが課題となっていた。さらに、昨年は関東大震災から100周年の節目の年であるとともに、ラジオ福島が開局70周年を迎えられ、「rfc命を守るキャンペーン」を行われており、ラジオ福島、ダイドードリンコ、喜多方市ふるさと振興㈱(道の駅喜多の郷の指定管理者)及び当市の共同により防災意識を啓発することを目的に設置した。

取り組みの具体的内容

飲料を購入する際にラジオ福島のアナウンサーの声で防災の一言アドバイスが流れる防災おしゃべり自動販売機を道の駅喜多の郷に設置した。

特徴

独自性・新規性

〇県内初の取り組み

アナウンサーの声で防災の一言アドバイスが流れるタイプの自動販売機の設置は福島県内で初めて。

工夫した点

〇設置場所

当市は喜多方ラーメンや日中線記念自転車歩行者道のしだれ桜並木等を目的に年間約180万人の観光客が訪れる観光都市であることから、市民に加え、観光客に向けての防災意識の啓発が必要と考え、市民と観光客が多く利用する「道の駅喜多の郷」(令和5年入込数約30万人)に設置した。

一言アドバイス

取り組みの効果・費用

効果

当初の目的である市民や観光客への防災意識の啓発に一定の効果があると見込まれることに加え、県外の自治体などから防災おしゃべり自動販売機に関する問い合わせが複数あり、副次的な効果として当市のPRにもつながっている。

費用

喜多方市ふるさと振興㈱(道の駅喜多の郷指定管理者)が防災おしゃべり自動販売機を設置する手法を採用しているため設置に係る市の負担はゼロであり、また、飲料の売上は喜多方市ふるさと振興㈱の収入としているため、無理なく防災意識の啓発を持続できるスキームとなっている。

取り組みを進めていく中での課題・問題点

上記のとおり、無理なく防災意識の啓発を持続できるスキームであることから、これまでの取り組みにおいては特段の課題や問題は生じていない。
強いて課題をあげるとすれば、今後同様の自動販売機を市有施設等に展開する上で同様のスキームで取り組めるか否かが課題である。

今後の予定・構想

将来的には、市有施設等に同様の自動販売機の導入を目指すほか、紙おむつやおしりふき等子育てに欠かせない商品をラインナップした自動販売機等の導入も検討していきたい。

他団体へのアドバイス

当市は観光都市であるため、観光客への防災意識の啓発ができる場所に自動販売機を設置したが、街の特性を踏まえて設置場所や多言語化等について検討することで効果的な防災意識の啓発に繋がると思われる。

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