ジチタイワークス

新潟県柏崎市

行政情報を統合データベース化、シンプルで見やすく作成した「デジタル予算書」を市民に公開。

世の中が急速にデジタル化する中で、行政分野は書面・押印・対面主義が重要視され、デジタル化が大変遅れている。予算書や決算書にしても電子データでの公開は行っているが、非常に分かりにくく、旧態依然としている現状である。そこで「デジタル予算書」を用いて、予算・決算、行政評価などの行政情報を統合データベース化するとともに、行政の情報をもっと分かりやすく、積極的に公開することで、市民の行政への関心を高め、参加を促進することを目的として開発した。

※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2022」の応募事例から作成しており、本記事の内容は全て「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。

背景・目的

【デジタル予算書を検討するに至った理由】

世の中が急速にデジタル化する中で、「行政分野はデジタル化が非常に遅れている」

予算書にしても電子データ(PDF)での公開は行っているが、従来のフォーマットを踏襲しており、「非常に分かりにくく、旧態依然としている」

デジタル化することで、「行政の情報公開はもっと分かりやすく、見える化」できる

行政はもっとデジタル技術を積極的に活用していくべきである

デジタル予算書のコンセプト 「施策」、「事務事業」、「予算項目(科目別)」といった様々な角度から「シンプルに閲覧できる」

「検索」や「ソート」、「絞り込み」といった「デジタル技術が得意とする機能の充実」

「地図情報」、「写真」といった数値以外の情報を用いた「分かりやすさ」

庁内でバラバラに「Excel」や「システム」で管理されていた「情報の一元管理」

 

取り組み事例 
予算・決算、行政評価などの行政情報を統合データベース化した「デジタル予算書」を開発

ホームページ | 柏崎市デジタル予算書

 

取り組み期間

令和2年度~(継続中)

 

取り組みの内容

川崎市デジタル予算書は、予算・決算、行政評価などの行政情報を統合データベース化することにより、洗練された行政経営を支援するとともに、公開可能なものについてインターネットを介して市民へ積極的に情報公開し、市民の行政への関心を高め参加を促進することを目的として開発しました。

システム設計

 

デジタル予算書画面例(目的別の項目)

目的別の項目(予算書)や重点事業の確認など、各メニューから知りたい情報を閲覧できます。

 

デジタル予算書画面例(事業紹介画面)

市総合計画の基本方針・施策との関連や、実際の事業内容の説明を写真やイラストと合わせ、一目で確認できます。

 

デジタル予算書画面例(財源情報)

事業別に、過去3カ年の予算・決算・財源情報を把握できます。

 

デジタル予算書画面例(事務事業評価)

事務事業実績、評価の内容を集約してほかの情報と共に確認できます。

 

取り組みを進めていく中での課題・問題点(苦労した点)

担当部署において事務事業情報などを入力する際に、「市民への説明資料」として分かりやすい表現をしなければならず、公開情報の表現方法に苦慮しました。

市民に分かりやすい表現をするため、写真・イラスト・地図情報などのビジュアルな情報を追加するようルール付けを行いましたが、担当所属から、どのような写真やイラストを入れればよいかという質問が多く挙がりました。

 

特徴(独自性・新規性・工夫した点)

紙の予算書では、細かい文字や数字が並び、予算書を見慣れていない方にとっては興味がある事業を検索することや事業の内容を確認することが困難でした。デジタル予算書では、款項目、担当課などの検索機能に加え、事業キーワードや中学校区単位の地区情報を設定することで様々な角度から検索や絞り込み機能を駆使し、より分かりやすく目的の情報を調べることができます。

予算書には掲載していない事業の概要・目的を登録しており、更に市がピックアップした重点事業には事業の内容をイメージしやすくするための画像やイラスト、そして地図情報を登録することで、事業の理解や関心が高まります。また、年度が終了した後には、事業ごとに実績・評価などが追加され、分かりやすい形で情報が一元化されています。

 

効果・費用

【取り組みの効果】
1. 個々に管理されていた情報の一元化
2. 市民や市議会議員、庁内職員が同じデータをもとに議論、コミュニケーション
3. 条件検索やソート、関連情報リンクなどで情報の閲覧しやすさの向上
4. 既存公開情報へのアクセスしやすさ向上
5. 積極的な情報提供により、市役所の事業に対する市民の理解が向上
6. 登録された情報の出力機能で転記作業の省力化

【費用】
開発費用:約3,000万円
保守管理費:約400万円(年間)

 

 

今後の予定・構想

世の中が急速にデジタル化する中で、行政分野のデジタル化のモデルケースとして、柏崎市で生まれたデジタル予算書を全国の自治体と共有し、活用を広げていくことで新たなアイデア・発想をいただきながらシステムをブラッシュアップし、より分かりやすく、使いやすいシステムへと構築を進めていきたいと思っています。

デジタル予算書の活用をはじめ、デジタルとアナログを融合させ、市民に分かりやすく安心できる質の高い行政サービスを提供していきたいと思っています。

デジタルとアナログを融合

 

他団体へのアドバイス

できるだけたくさんの自治体に関心を持ってもらい、『うちもやりたい』と声を上げてほしいです。そのためにも柏崎市で『デジタル予算書』の改良を重ねながら、より活用しやすいデータベースにしていきたいと思っています。

 

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