ジチタイワークス

神奈川県大和市

“ひきこもり”ではなく、“こもりびと”と呼び支援を実施。

※下記はジチタイワークスVol.28(2023年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

ひきこもりの状態にある人は、かつては若い世代に多かったが、近年は中高年層を含む幅広い年代に見られるという。大和市では令和元年、ネガティブなイメージをもたれる風潮にあったひきこもりに、“こもりびと”という独自の呼び名を付けた。ひきこもりは誰にでも起こりうる問題であるという認識のもと、当事者に寄り添いたいという思いから、よりぬくもりが感じられる呼び名にしたという。同年、「こもりびと支援窓口」を開設。令和4年には、「こもりびと支援条例」を制定した。

支援には、大きく分けると伴走型と課題解決型がある。伴走型支援では、当事者同士の“フリートーク”、それに加えて当事者の家族同士で語り合うフリートークの場を年4回設置。また、当事者がボランティア活動をする場や、気軽に立ち寄れる居場所としてフリースペースも月1回開設している。課題解決型では、窓口単独での解決が難しい場合に保健師やケースワーカーを交えて事例検討会議を開いたり、各種相談・関係機関への同行支援などを行ったりしている。

窓口への相談件数は、令和4年度前半に比べ後半は1.8倍に。 

「大切なのは、支え合いの地域社会を目指すことです。当事者が自らの意思でもう一度社会とつながりたいと思ったときに、就労や社会参加などの選択肢を増やせるように、自治体間連携も視野に入れながら多様な支援を行っていきたいですね」と佐伯さんは展望を語る。

大和市 健康福祉部 健康福祉総務課 こもりびと支援窓口
佐伯 隆宏(さえき たかひろ)さん

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