※下記はジチタイワークスVol.27(2023年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
熱中症にならないようにするためには、無理のない範囲で汗をかき、徐々に体を暑さに慣れさせる“暑熱順化(しょねつじゅんか)”が大切だという。ラグビータウンとして知られる熊谷市では、熱中症対策の一つとして、この考え方に着目した。令和3年にプロラグビーチーム「埼玉パナソニックワイルドナイツ」が同市へ拠点を移転。それを機に、ラグビーの動きを取り入れたエクササイズ「ラグササイズ」を自宅や1人でもできるようにアレンジした動画を作成し、YouTubeで公開している。
動画には、「FW(フォワード)編」と「BK(バックス)編」があり、実際にチームの選手が出演して、それぞれ6つの動きを紹介。エクササイズは負荷を自分で調整できるように工夫されており、子どもから高齢者まで幅広い世代が自宅で気軽に取り組める運動であることが大きな特徴。動画の中では水分補給や休憩を促すシーンもあり、安全にも配慮されている。
▲元ラグビー日本代表でラグササイズ考案者の三宅 敬さんと選手の竹山 晃暉さん。
この取り組みは、暑さ対策をしながら、ラグビーに親しんでもらう機会にもなっているそうだ。公開後には反響があり、市民が実際にラグササイズをしている動画を自主制作し、SNSに投稿するなどの盛り上がりを見せている。また、熱中症予防の啓発活動を表彰する「ひと涼みアワード2022」では、オンライン啓発部門の最優秀賞を受賞。「毎年暑さが本格化する前に公開していくことで、暑熱順化の訴求とラグビーの認知度向上に徐々につながれば」と滑さんは展望を語る。
熊谷市 総合政策部
スポーツタウン推進課
滑 和也(なめら かずや)さん