ジチタイワークス

東京都八王子市

既存の施設を“避暑地”として活用し 熱波による健康被害から市民を守る。

※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

近年、深刻化する猛暑による熱中症への対策が、全国的な課題になっているという。八王子市では夏の暑い時期に、「はちおうじまちなか避暑地」として、図書館などの公共施設やショッピングモールといった民間の商業施設の一部を開放。市民は、自由に出入りできる無料の休憩スペースで涼むことができる。この取り組みは、東日本大震災の翌年である平成24年度に、家庭の節電対策の一つとしてスタート。以降、毎年実施しており、節電に加えて熱中症対策、さらには地域経済の活性化を図っている。

初回実施時は、商業施設5カ所、公共施設48カ所に設置。その後、回を重ねるごとに拡大し、商業施設だけでも40カ所になったという。令和元年には、環境省などの官と民が一体で展開する「熱中症予防声かけプロジェクト」において、熱中症予防の啓発活動を表彰する「ひと涼みアワード」の官民連携部門・優秀賞を受賞。近年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で設置数は減少しながらも、令和4年度は商業施設13カ所、公共施設71カ所で実施。今年度は、コロナ禍収束後の需要への準備も進めている。

「昨今の熱中症対策の局面で、この取り組みは重要な役割をもっていると考えています。今後は、民間企業と連携して、熱中症予防の講座なども実現させていきたいですね」と、高橋さんは展望を語る。

まちなか避暑地として開放された民間の商業施設。同市と包括連携に関する協定を結んでいる東京造形大学の学生がデザインしたポスターが目印。

令和元年に受賞したひと涼みアワードでは、令和4年にも熱中症予防啓発の取り組みでSDGs部門・優良賞を受賞。

 

八王子市 環境部 環境政策課
高橋 康平(たかはし こうへい)さん

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