ジチタイワークス

鹿児島県鹿児島市

【後藤 光佑さん】地域住民主体で高齢化が進む住宅団地を盛り上げる。

高度経済成長期に、都市部の郊外を中心に全国各地で開発された集合住宅地である「住宅団地」。現在、高齢化と人口減少の影響により、バスの減便や店舗の撤退が続き、地域コミュニティの衰退や空き家が問題になっているという。

そんな中、住宅団地の活性化を目指し、地域住民と楽しみながらまちづくりに取り組む、鹿児島市(かごしまし)の後藤さんに話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

鹿児島県鹿児島市
元・都市計画課
現・道路建設課
後藤 光佑さん (入庁18年目)

住宅団地は人口急増の受け皿として開発された経緯があるため、学校や公園などが整備され、暮らしやすい環境がある。それらを維持するために、地域の担い手の発掘・育成や、住民主体のまちづくり活動の支援を行っている。

まちの課題は地域住民に聞く。

学生の頃にまちづくりに興味をもち、地元の鹿児島市に土木技師として入庁しました。まちは様々な立場や意見に折り合いをつけながらつくられるもの。住民や関係者と話し合って、調整していくことを役割に感じています。

私が都市計画課で、担当していた業務が住宅団地の活性化です。当市では29の団地に人口の4分の1が暮らしていますが、少子高齢化が進み、活気が失われつつあります。そこで市では、令和2年度に「かごしま団地みらい創造プラン」を策定。住民を主体に、魅力ある団地づくりを目指しています。

プランの策定にあたっては、地域の現状を知るために、まずは3つの地域でワークショップを開催。地域コミュニティ協議会からの協力をもらいながら住民に声をかけ、地域の課題、将来どんなまちにしたいかなどについて意見交換を行いました。

自分が暮らすまちについて考える場をつくり、話し合いを重ねる中で、主体的に活動を行う住民グループが生まれ、多様なまちづくりの動きが始まっています。例えば、空き家を活用して交流拠点をつくったり、公民館でカフェを開いたり。また、公園でマルシェを開催するなど、自分たちがやりたいことを楽しく形にされていて、うれしいですね。こうしてまちづくりに、少しずつ協力してくれる人が増えることにやりがいを感じます。 

異動後も続く仕組みづくり。 

取り組みは、もちろん全てがスムーズに進むわけではありません。まずは前向きに関心をもってくれる人と地域で実績をつくり、盛り上がりを波及させていきます。

地域の取り組みには、職員が支援をしていくことが大事ですが、行政では異動がつきもの。そこで、担当者が変わっても続けられる仕組みづくりを意識し、取り組みました。ワークショップは、実際にまちづくりに取り組んでいる専門家にファシリテーションを依頼。ほかにも、活動するグループの横のつながりをつくり、地域を越えて互いに、協力し合いながら自走できるように促しました。行政は調整役や広報活動に取り組み、地域が主体的に活動できるように側面から支援しました。

個人的な意見になりますが、住民の皆さんからは「担当者が関心をもってくれていること自体が支えになっています」とよく言われます。気負うことなく前向きに地域に関われば、自然と楽しめると思います。実際にこの取り組みで、私も楽しみながら地域の方と関わることができました。部署が変わってもまちづくりに携わり、今後も一緒に盛り上げていくつもりです。

▲空き家を活用した交流拠点「あいなか」。


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