※下記はジチタイワークスVol.23(2022年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
第6回 佐賀県武雄市 お結び課
interview
課長 森 一也(もり かずや)さん
“平等公平・無料・スピーディ”自治体だからこその安心感がカギ。
全国的に婚姻数は減少傾向にあり、武雄市も同様の課題を抱えていた。そこで自治体として婚活を支援しようと、課をいち早く立ち上げ、誕生したのが「お結び課」だ。民間業者に委ねず、職員主体で行う独自の取り組みを担当者に聞いた。
Q.課で行っている取り組みを教えてください。
A.自治体にしかできない婚活支援を行うことです。
当課が発足したのは、今から12年前になります。目新しい取り組みでしたが、当時の市長が婚活支援をマニフェストとして掲げ、課が設立されました。婚姻数の増加が少子高齢化対策や地域活性化につながることから、結婚を望む男女の縁結びの取り組みがスタートし、今も継続しています。
結婚を望む方であれば市内在住に限らず、誰でも無料で登録可能。登録日から10日以内のお見合いを案内します。本人の希望を鑑みながらマッチングを行い、住む市町名・年齢・職業の3つの情報を会員に共有。そこで互いに関心をもてば即時にお見合いをセッティングしています。スピーディな対応が成功のカギです。最初のお見合いには職員が立ち会い、全力で場を和ませます。
また、“お結び推進員”として取り組みに協力してくれている市内の老舗旅館や喫茶店の事業主に、お見合いの場を提供していただいています。そして、2人の交際が順調に進み、成婚すると寿退会となる仕組みです。
マッチングの連絡やお見合いの日程調整、面談内容の整理などの事務作業も限られた人員で効率的に対応している。
Q.“お結び課”ならではの取り組みのこだわりは?
A.平等で公平な支援を実直に誠意をもって行うことです。
婚活市場でよくある、“婚活はこうでなければならない”という固定観念をなくし、フラットな支援を行っています。会員登録時の面談は丁寧に行い、本人の潜在的なニーズをくみ取る対話を心がけます。人となりを感じ、長年の経験を活かした細やかなマッチングと支援がこだわり。また、会員を増やすために、婚活イベントを柔軟に企画したり、人が集まるお店へリーフレットを置いたりしています。
現在では県外からも登録者が集まり、会員数は290人、令和4年度お見合い件数は合計355組、設立当初からの累計は2,700組※。市直営の安心感や実績から、ホームページや口コミを通じても、徐々に会員が増え、寿退会も増えています。そうやって一人でも多くの方に登録していただき、本人が望む幸せをつかんでもらいたいですね。
西九州新幹線開業によってこれから人流の増加が期待されています。婚活・良縁を呼び水に、さらに活気あるハブ都市を目指します。
※令和4年10月27日時点
お結び課の看板を掲げた部屋で、面談を行っている様子。