ジチタイワークス

香川県小豆島町

【オリーブ課】“トップワン”であり続けるための“オリーブの島”の挑戦。

※下記はジチタイワークスVol.22(2022年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

第5回  香川県小豆島町 オリーブ課

interview

課長
平野 明子(ひらの あきこ)さん

“トップワン”であり続ける小豆島ブランドを目指して。

瀬戸内海の温暖な気候に恵まれた小豆島町。他地域に先駆け、オリーブの栽培に成功して110年以上になる。名実ともに“オリーブの島”として発展を続ける秘訣、日本のオリーブ発祥地として“トップワン”を目指す取り組みを聞いた。

Q.オリーブに特化した課を創設した理由を教えてください。
A.オリーブが軸の地域活性化を一元的に担当するためです。

当町には110年以上前にオリーブの木が植栽されました。国内3カ所の栽培試験地で唯一、結実に成功し、“オリーブの島”として知られるようになったのです。

しかし、輸入自由化の影響などで昭和39年頃をピークに国産オリーブの需要が下火となり、収穫量も下落。その後、観光客から“まちの特産なのにオリーブが少ない”との声が届くように。せっかくの地域資源を絶やさないためにと、平成2年には「小豆島オリーブ公園」がオープン。以降、当町の苗木助成などにより、再びオリーブの島として定着していきました。

当課はオリーブを軸とした地域活性化のため平成20年に誕生。オリーブ検定や出前講座、オリーブオイル品評会などを通じて地域の人々にオリーブに親しんでもらっています。職員も所属を問わず検定を受けます。まちの資源を知ることが地域活性化につながるからです。

また、結婚や移住など人生の節目を迎える人に苗木をプレゼントしたり、オリンピックのマラソン代表選考大会で贈呈しているオリーブ冠を、町内のマラソン大会で贈ったりしています。

マラソン大会では優勝者にオリーブ冠を贈呈している。
 

Q.特に力を入れていて、成果が出ている取り組みは何ですか?
A.12年目を迎える“トップワンプロジェクト”の取り組みです。

近年、オリーブ栽培は全国各地に広がっています。そこで当町はこれまでの“オンリーワン”ではなく、日本の発祥地として“トップワン”であり続ける目標を掲げました。さらなるブランド力の強化や産地継承のため、平成23年度から「小豆島オリーブトップワンプロジェクト」に取り組んでいます。

中でも主な指標は収穫量の増加と6次産業化の推進です。県が研究開発した新品種の苗木助成や、生産者への苗木提供、採油機の導入支援などを行っています。令和3年の収穫量は422tで、プロジェクトの開始年の約3倍になり、順調に成果が出ていると感じます。製品もオイルのほかにサイダーや牛、ハマチ、堆肥など多様化しました。

参入企業や生産者との連携で、人材育成も進めていますが、担い手の高齢化や収穫時の人手不足などは喫緊の課題です。これらを解決するため、他課とも連携し、移住者をはじめとする新規就農者を増やすことに、“継続は力なり”の志で取り組んでいきます。

小豆島産をはじめとする県産のオリーブオイルは香川県オリーブ品評会などで高評価。

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