福井県では、少子高齢化が進む中、地域を元気にするために若者のチャレンジを応援する特別なポジションが新設された。「君に任せる!」という知事の期待を受け、パワフルに奔走するチャレンジ応援ディレクター(以下、COD)寺井さんの魅力に迫る。
※下記はジチタイワークスVol.22(2022年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
福井県 県民活躍課 チャレンジ応援ディレクター
寺井 優介 さん(入庁16年目)
人と触れ合い、人を発掘し、福井が輝くチャレンジを応援。
令和3年4月、県民活躍課の新ポスト「チャレンジ応援ディレクター」に就任した寺井さん。13人のチーム員と一緒に“若者のチャレンジを応援” “県内のワクワクドキドキを情報発信”というミッションのもと活動中だ。今年9月には豪華講師陣を迎え、とがった人材を育成する「エキセントリック・カレッジふくい」を開校。「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2022」でも受賞するなど、その多才さと活躍ぶりに注目が集まっている。
ブランド化とPRに挑戦。
私が大学進学で東京に出た際、福井があまりにも知られていないことに驚きました。友人たちへ地元について語る時間をもつうちに”もっとPRしたい“という思いが芽生え、県庁職員を志したのです。入庁後は観光や裁判、原子力防災などの分野に携わりました。中でも転機になったのは、ブランド営業課ですね。
福井は日本一の恐竜化石発掘数を誇っており、私は「福井県立恐竜博物館」のPRを担当することに。ブランディングについて自分なりに学び、恐竜ブランドキャラクター「ジュラチック」や関連グッズを開発。県内外で多くのイベントも開催しました。
また、自分自身のキャラづくりもPR活動の一環と考え、個性的なだてメガネをかけ始めたのもこの頃です。活動を通し、相手に伝わる話し方などの大切さを痛感し、交渉やコミュニケーションのスキルを磨きました。すると、当初は年間50万人程度だった入館者数が、5年後には約92万人に。やりがいを感じながら、楽しく取り組みました。
昨年4月には、CODに就任。地元の意欲ある面白い若者たちを「ふくいチャレンジャー」として世に出すための活動をしています。
人と人をつなぐ“ハブ”に。
私以外のチーム員は他課と兼務のため、オンラインで会議をし、得意なことを任せるようにしています。私は毎日色々な人に会いに行き、就任から1年ほどで約250人に取材。県庁内のシステムで情報を共有しつつ、レギュラーのラジオ番組やウェブ、SNSなどで彼らを県内外に紹介しています。すると、チャレンジャーがメディアで取り上げられるように。
また、チャレンジャーたちが様々に人とつながるイベントも開催。ハブとして活動する中で、若者に企業の社長が出資して会社を設立したり、若者同士が一緒に動画をつくったりと、新たな動きも生まれました。
彼らを積極的にPRしていたら私自身も認知され、自然と人や情報が集まるようにもなりました。一方で、若者たちの取材時などには徹底して聞き役にまわり、その人をいかにプロデュースするかを考えるようにしています。
これまで地味な仕事や大変なことを経験したからこそ、今は好きな仕事ができるのだと思います。公務員の仕事の大半は”大事だけど地味“。それでも自分がやりたいことを目指していれば、夢はかなうのではないかと。
私は今後も現場で福井の魅力をPRする仕事を続けていきたいです。