オンライン市役所は、現役公務員なら誰でも参加できるプラットフォーム。地域や所属を超えた情報や経験のシェアにより、地域課題の解決につなげる場だ。このコーナーでは、同市役所の活動内容などを取材!その中から今号は、「庁内研修」を紹介する。
※下記はジチタイワークスVol.19(2022年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
入庁していれば誰でも参加できる!
オンライン市役所には、特定の課に属していない人でも参加できるコンテンツがある。それが不定期開催の「庁内研修」。入庁さえすれば、業務に役立つ情報を得られる場だ。特に異動時期は、未経験の業務に戸惑い、悩む公務員も多いと聞く。その点も踏まえ“新任担当者泣かせ”の業務を基礎から学べ、仲間をつくる機会が設けられている。今回は、実際に庁内研修に参加し、オンライン市役所での活動を業務に活かしている3人に話を聞いた。
庁内研修で取り上げられたテーマ例
「生活保護」 「債権回収」 「市民税」「ICT・DX」 「防災対策」 「空き家活用」 など
テーマ:市民税業務
失敗をおそれず挑戦する大切さを実感!
参加人数 約120人
埼玉県秩父市(ちちぶし) 市民税課
深田 好人(ふかた よしと)さん
異動と庁内研修のエピソード
市民税課に異動したときは、“収入”と“所得”の違いすら分からない状態……。当然悩みも多く、横のつながりをもちたくて、昨年末にオンライン市役所へ入庁しました。どう活動しようか迷っていたとき、年末イベント「管理職ゲスト大集合」の会を知って参加。そこで管理職の方が“失敗をおそれず新しいことに挑戦する大切さ”を語っているのを聞き、背中を押されました。その後すぐ庁内研修に参加するなどし、活動を続けています。
オンライン市役所の活用方法
Messengerグループでのやりとりや、Zoomを用いた研修会での学びを仕事に活用。疑問というのは、自分だけのものじゃない。同じように悩むほかの人たちのためにも、こういった交流の場で素朴な疑問をぶつけることは大事ですね。
テーマ:債権回収業務
滞納整理業務にも前向きになれた!
参加人数 約170人
千葉県山武市(さんむし) 収税課 課長 鈴木 昌子(すずき まさこ)さん
異動と庁内研修のエピソード
昨春、収税課に異動したときは、税務が未経験だったので大ショックでした。分からないことだらけの中、5月に開催された「新任徴収職員向け研修会」に参加したんです。そこで「市民に寄り添って行うのが滞納整理だ」という話を聞き、ネガティブな印象しかなかった業務への意識が変わりはじめました。ここでの学びを部下たちにも共有するようにしたら、「この仕事が楽しくなってきた」と言ってもらえる変化も!おかげで、みんなで前向きに取り組んでいます。
オンライン市役所の活用方法
Facebookグループの投稿をスマホで確認。最初は何を質問すればいいかも分からなかったので、過去の質問投稿を見るだけでも勉強になりました。また、その投稿リストが大変見やすく整理されているので、すごく助かっています。悩みを共有できるのは心強いですね。
テーマ:生活保護業務
この活動が仕事と自分をラクにする!
参加人数 約140人
東京都西多摩福祉事務所 國枝 和基(くにえだ かずき)さん
異動と庁内研修のエピソード
入庁当初、職場では健康づくり施策に携わっていましたが、次にしたい業務を踏まえ、オンライン市役所では生活保護CW課へ。その後に異動がかなったものの、やはり最初は色々悩みました。そこで、「生活保護の新任担当者向け庁内研修」に参加。基礎知識だけでなく、この仕事に対する皆さんの“思い”を聞けたのが良かった!大 変なときでも、自分の後ろには“多くの先輩がいる!”という安心感に支えられています。
オンライン市役所の活用方法
Messengerグループでの情報交換と月1回の定例会参加が主体。この活動について「意識が高いね」と言われることがありますが、私は仲間を増やすことで“仕事も自分もラクになる”と考えて取り組んでいます。活用しないともったいないと思うので、敷居を高く感じず、もっと気軽に参加してほしいですね。
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