ジチタイワークス

【佐久間 智之さん】PowerPointでも広報動画はつくれます!

どの部署も“動画”で住民に周知する時代。

自治体の広報ツールといえば、紙とWEBサイトが主流だ。しかし、近年はYouTubeなどの動画から情報を得る人が増え、自治体の広報活動にも動画を取り入れようとする動きが出てきた。とはいえ、初心者がいきなり動画をつくるのはハードルが高そうだ。そこで、元・自治体職員で、「PowerPointからPR動画まで! 公務員の動画作成術」の著者である佐久間さんに取り組みのヒントを聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.17(2021年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

元・埼玉県三芳町職員
PRDESIGN JAPAN 代表取締役
佐久間 智之(さくま ともゆき)さん

プロフィール

1976年生まれ、東京都出身。埼玉県三芳町で税務、介護保険担当を経て2011年に広報担当に。「広報みよし」が広報コンクールで内閣総理大臣賞を受賞。2020年に退職し、「早稲田大学マニフェスト研究所」の研究員や、「厚生労働省年金広報検討会」構成員のほか、自治体の広報アドバイザーなどを務める。

どの部署も“動画”で住民に周知する時代。

誰でも動画はつくれるし、誰もが広報できる時代です。

ビジュアル系バンドマンから三芳町職員に転身し、自ら手を挙げて広報の部署に異動した佐久間さん。これまで様々な広報戦略を描き、積極的に動画も取り入れるなど話題を集めてきたが、「僕自身、スキルゼロからのスタートで、当時は参考となる本やサイトもありませんでした。だから初心者の力になりたくて、身近なPowerPointやスマホを使って動画をつくるための本を出しました。これがあれば、編集ソフトや機材がないからつくれない、なんて言い訳はできなくなりますよ(笑)」。

広報といえば、自治体の広報部局にいる担当者の仕事だと思いがちだ。しかし、“全ての職員が広報マインドを持つことが重要”と強調する。「例えば、税金の納付書を送るときに同封するお知らせの紙だって、広報ツールの1つと捉えることができます。しっかり内容が伝われば、住民が安心するだけでなく、問い合わせやクレームの電話が減る場合も。すると業務負担は軽くなる。そういった意味では、職員はどの課にいても“広報担当”であるべきですし、今はWEBの力でそれができる時代です」。

例えば、危機管理課だって動画作成が必要なのです。

総務省の調査によると、今や全世代の約8割がYouTubeを利用している。「従来は紙で知らせていたことの中にも、動画の方が伝わりやすいものが多々あります」。例えば、インターネットでのワクチン接種の予約方法や住民票登録の流れなどは、解説付きの動画で届けた方が伝わりやすいのは間違いない。さらにYouTubeなら音声に合わせて自動で字幕が出るので、難聴や視覚障害者の人も理解しやすいというメリットがあるといえるだろう。

また、“平時にこそ準備が大切”と熱を込める。「みんなが混乱する災害時、紙のマニュアルがあっても、急に簡易トイレを組み立てたり、発電機を動かしたりするのは大変です。であれば事前に解説動画をつくり、対象のツールに二次元コードをつけておけば、必要なときに読み込んで利用できる。これは広報課ではなく、危機管理課の範ちゅうになるでしょう。発信する情報をいつどのように使ってもらうかを考えると、“全員広報”の心構えが必要なことが分かります。自治体の動画作成は再生回数を増やすことだけが目的ではないのです」。

“発信したいものを発信する”という広報から脱却を。

共感・共有・検索を心得て住民視点でつくりましょう。

動画づくりで大切なのは、“共感・共有・検索”の3つを念頭に置くことなのだそう。「自身の課が“発信したいものを発信する”になっていませんか。重要なのは住民が知りたい内容を丁寧に調査し、それを軸に分かりやすく発信することです。ニーズに寄り添った動画は共感を呼びます。そして、見た人はほかの人にも知らせたくなり、共有や拡散へ発展します。その中には自ら検索し、さらに詳しい情報にアクセスしてくれる人も出てくるのです。このサイクルこそが広報戦略において大切です」。

自治体だからこそ注意したいポイントもある。「肖像権や商標権に留意して、人の顔や車のナンバーなどはぼかし、ペットボトルのラベルは剝がします。最近はジェンダーへの配慮が求められていますので、登場するのが男性ばかりというのも望ましくありません」。

自治体にとっての動画作成は、住民サービス向上のために有効な手段であり、どの部署でも動画をつくり配信する時代がやってきた。「動画なんて無理と思っている職員は多いようですが、やってみると意外と簡単で、目に見えてやりがいも感じられます。気負わずに、まずは1本つくってみませんか」。

内部職員向けの解説
住民向けの申請書記入例
図書館の紙芝居読み聞かせ
×写真や映像・字幕が多い動画や演出の凝っている動画
複雑な制度の解説
ワクチン接種などの手順
※「公務員の動画作成術」P41より抜粋

佐久間さんの著書をご紹介!!

「公務員の動画作成術」学陽書房

第1章 自治体動画作りをする前に
第2章 PowerPoint&Windowsで動画作り
第3章 スマホ1台で動画作り
第4章 一眼レフ&有償ソフトで動画作り
第5章 YouTubeで動画配信&分析


Step1:準備する!

今回用意したのは、PowerPointがインストールされているカメラ付きパソコンとマイク付きのイヤホンのみ。フリー素材の音源などもあるとグッド!

Step2:作成する!

まず、スライドを作成。通常のプレゼンテーション資料をつくる感覚で。ワイプ(動画再生表示部)を入れるスペースを想定してデザイン。

Step3:録画する!

PowerPointの撮影機能を使用し、通常のプレゼンテーションをする感覚で操作しながら動画撮影。蛍光ペン機能でポイントを強調するとメリハリが。

Step4:確認する!

撮影した内容をmp4形式で出力。きちんと録画されているかを確認した上で、YouTubeにアップ。スライド作成を除けば、約2時間で完成できた。

完成!
▼視聴はこちら

佐久間さんより一言

うわー!すごいです!初めてPowerPointでつくったとは思えないクオリティの高さに脱帽です!本当に素晴らしい。

 

 

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