取組概要
西尾市が保有する公共施設のうち低圧電力を需給している78施設149契約について、電気事業者に対し電気料金の削減提案書の提出を依頼し、最も削減見込額の大きかった事業者と2年間の需給契約を締結した。
取組期間
令和元年度~実施中
※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2020」の応募事例から作成しており、本記事の内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。
背景・目的
高圧電力を需給している公共施設については、全国的にも入札等で電気料金の削減を行っている自治体が多くみられ、西尾市においても電子入札を実施し大きな削減効果を生んでいるが、低圧電力を需給している公共施設については、全国の自治体でもまだまだ成功事例が少なく、入札の不落や削減効果が事務負担に見合わないという現状が見られた。
しかし、低圧電力を需給している公共施設は数多くあるため、無理のない程度の事務負担と削減効果を出す方法はないかと考え、取り組んだものである。
取組の具体的内容
特徴(独自性・新規性・工夫した点)
取組に当たって、いくつかの【低】をテーマとした。
【低圧】
先進事例が少ない中で、高圧電力見直しの経験を参考に【低】圧電力の見直しにチャレンジすることができた。
【低額】
事業者への聞き取りやインターネットでの情報収集から得た情報を基に、見直しの対象にする公共施設の選別ができたことにより、事業者にとってもメリットの大きい案件にできたため、大きな削減効果に繋がっていると思う。
具体的には、従量電灯C及び従量電灯Bと低圧電力を対象とし、なおかつ年間を通じた使用電力量が著しく少ない施設は省くなど、削減効果の高い施設だけを選定することで事業者からの提案を最大限引き出すことができ、前年度比25%という【低】額で契約することができた。
【低リスク】
事業者が事務負担の大きさから敬遠する入札や見積合わせでなく、削減ができる施設を事業者から提案させるという手法を取ることによって入札による不落を回避し、【低】リスクで見直しを行うことができた。
また、現契約者である地域の一般送配電事業者とも打ち合わせを行い、見直しが失敗した場合でも現契約よりも負担が大きくならないようにリスクマネジメント。
【低負担】
見直しに当たって施設所管課の負担が大きくならないように、削減効果が小さい施設は除外するとともに、実績の把握等情報収集についても可能な限り企画政策課で行った。
また、効果検証や次回の見直しのための実績の取得についても、事業者のWEBページからRPAによって取得することによって、施設所管課の事務を【低】負担とすることができた。
契約事業者が頻繁に変わると事務負担が増加するので、2年間の長期継続契約とした。
取組の効果・費用
年間1200万円程度の電気料金削減を契約期間の2年間見込んでいる。
取組を進めていく中での課題・問題点(苦労した点)
●課題
近年SDGsを始め、クリーンなエネルギーの活用が叫ばれており、自治体が先進的に取り組んでいくことは至上命題であると考える。今回の事業者からの提案にあたって、環境に関する指標の基準をあらかじめ示し、クリーンなエネルギーの需給を目指すことも検討した。
しかし、今回は料金の削減を第一に掲げ見直しを行ったため、結果として環境に関する基準の考慮はしなかった。
今後の契約の見直しにおいては、環境に関する指標を仕様書に盛り込めるかどうか検討していきたいと考えている。
●苦労した点
見直し対象とする施設の選定における事業者からの聞き取り調査や、手法及び仕様の決定に多くの時間を有した。当初想定していた切替時期には間に合ったが、停電を伴うメーターの取替工事等の調整期間が短くなり、工事日の調整において対象施設に厳しい選択を迫る結果となってしまった。
今後の予定・構想
2年後の契約期間満了時に向けて、さらなる情報収集と効果検証をしながら見直し方法や対象施設の選定を行っていく。
他団体へのアドバイス
まずは取り組みやすい高圧電力の見直しから実施し、その経験を生かして低圧電力の見直しも検討すると無理なく削減に繋げていけるのではないかと思う。
問い合わせ先
愛知県 西尾市 企画政策課
電話番号 0563-65-2155