取組概要
内子町は、平成29年度から独自の環境マネジメントシステム“うちエコ”の運用を開始し、町における環境施策の推進を図っている。本システムは町民参加のもとで運用することを基本としており、これにより、町民目線で施策のチェック・進行管理を行うとともに、町民から家庭へ、そして地域へと環境配慮の取り組みを展開し、行政と住民が一体となって「キラリと光るエコロジータウン内子」の実現を目指す。
取組期間
平成29年度~(継続中)
※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2020」の応募事例から作成しており、本記事の内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。
背景・目的
内子町は「キラリと光るエコロジータウン内子」をキャッチフレーズに掲げてまちづくりを進める中で、
平成18年度に、環境自治体会議が開発した認証制度「環境自治体会議スタンダード(LAS-E:ラス・イー)」を導入し、24年度に最高レベルとなる第3ステージに合格した。その後、同制度を土台として独自の環境マネジメントシステム“うちエコ”を構築し、29年度から運用を開始している。
本システムの運用を通して、各種施策についての町民の認識向上を図るとともに、その意見を反映し、改善に生かしている。また参加した町民自身の環境に対する意識の高まりや行動につながり、町全体として環境保全の取り組みが進むことをねらいとする。
取組の具体的内容
〇うちエコの目標設定・監査チームの構成員として町民や環境団体が参画し、専門家・行政職員と共に毎年度、町における環境施策の取り組み項目や目標値の設定、監査、実績の評価を行う。
〇監査は年1回以上行うこととしており、委員は事前研修を行った上で、2~3日程度かけて各部署を訪問し、政策にかかる目標の達成見込みや職員の環境意識などを確認する。
〇これとは別に、オフィス内における日々の環境配慮行動(省エネ、資源ごみのリサイクルなど)を確認するための「エコ見回り」を実施。「大人」と「子ども」に分けて役場や学校などの公共施設を回るほか、対象を商店街の店舗などにも広げ、取り組みの拡大を図っている。
〇町全体で環境保全を推進するため、うちエコの取り組みに賛同していただく事業所の拡大に努めるとともに、参加事業所についてはエコ・コミュニケーション監査を実施し、取り組みを共有している。
特徴(独自性・新規性・工夫した点)
〇3つの監査を設け、身近なところで行える「エコ見回り」については監査チームとは別に参加者を募集。子どものエコ見回りは保育園児や小学生が実施しており、普段から園や学校内で電気・水道のチェック、資源ごみの分別などに取り組んだ上で施設や店舗を訪ねて見回りを行うなど、さまざまな立場で、より多くの町民が関わっていけるように工夫している。
〇うちエコの目標設定・監査チームには、町の新採職員全員が研修生として参加。町の取り組みの全体像を把握し、それぞれの部署でマネジメントの推進や自らの行動に役立てていくことをねらいとしている。
取組の効果・費用
〇自治体にとって環境保全の取り組みは最重要課題の一つであり、町民参加を前提とした環境マネジメントシステムを構築・運用することにより、町の環境施策全体について、町民目線でのチェックを取り入れることができる。また同システムの運用に参加することで、町民自身の認識の向上や、エコロジータウン内子を目指すまちづくりへの参画促進につながる。
〇子どものエコ見回りについては、普段からの電気や水道のチェック、資源ごみの分別などを通して環境意識を育むとともに、家庭や友達への波及効果も期待できる。また見回りを受ける側にとっても襟を正す機会となり、環境配慮を促す好機となっている。
〇大人のエコ見回りへの参加者が次期監査チームのメンバーになるなど、取り組みが継続・発展している。
取組を進めていく中での課題・問題点(苦労した点)
〇参加メンバーの拡充(リーダーの育成、新規メンバーの入れ替え)
〇監査のマンネリ化防止と常に町民目線でチェックを受けることに対する職員の意識改革(負担感の払拭)
今後の予定・構想
〇システムの改善を図りながら、継続して取り組みを進めていく。
〇子どものエコ見回りの取り組みを、町内全ての保育園・幼稚園・小学校に取り入れていきたい。
他団体へのアドバイス
(特になし)
取組について記載したホームページ
https://www.town.uchiko.ehime.jp/site/kankyo/uchieko.html
問い合わせ先
愛媛県 内子町 環境政策室
0893-44-6159