ジチタイワークス

愛媛県上島町

公営路線バスの予約制導入

取り組み概要

・年々利用者数が減少している上島町が運営する路線バス(自家用有償旅客運送)の一部路線(弓削支線)について、予約制に切り替えることにより運行経費の削減を図るとともに事務の効率化を推進する。

・今後のさらなる高齢化や人口の減少を見据え、バスの予約制の実証運行を行うことで、将来的な運行形態の再構築と住民サービスの向上を目指す。
 

取り組み期間

令和2年4月~(継続中)

※本記事は愛媛県主催の「行革甲子園2020」の応募事例から作成しており、本記事の内容はすべて「行革甲子園」応募時のもので、現在とは異なる場合があります。

背景・目的

・弓削支線の利用者数は著しく減少している。(H23:1,513人 → H30:161人
・運行経費は増加傾向にある。
・町内唯一のバス事業であるため、地域の大切な移動手段として、運行の維持確保を行わなければならない。
・高齢化や人口の減少により、大量輸送のサービスよりも、個々の需要に応じた輸送サービスが求められると予想される。
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★このような背景の中、バス運行を維持確保するとともに運営の効率化を図ることを目的に、弓削支線の予約制を導入し、運行経費の削減に努める。また、予約制の実証運行を行うことにより、地域の実情に合った交通体系を構築するための検討材料とする。

 

取組の具体的内容


 

特徴(独自性・新規性・工夫した点)

・利用者の予約をする手間が発生するため、ポイントカード制を導入した。

・立石港内の町営回漕店(生名フェリー)を受付先にすることで、年中無休での受付対応が可能となるとともに、予約受付にかかる経費や事務作業の負担を軽減した。

・予約伝達にLINEアプリを用いることで、予約伝達にかかる経費や手間を軽減した。また、LINEにより、予約の有無の情報をバス運転手、回漕店及び事務職員で共有することで、予約伝達ミスをなくすよう工夫した。
 

取組の効果・費用

【効果】
・予約がない場合にはバスを運行しないため、燃料費の削減による経営改善に繋がるとともに、利用実態に応じた効率的な運行を図ることができる。
燃料費の削減 △300,000円/年(見込み)
・予約がない場合には、運転手が他の業務に従事することが可能となるため、事務職員の負担軽減などを含め、全体的な事務の効率化が図られる。
・予約制化による効果、影響や問題点等のデータを得ることができることから、将来的なバスの運行形態の検討時に有効活用することができる。

【費用】
合計:約39,000円
・タブレット購入費:19,800円
・予約受付票印刷費:10,780円
・その他必要事務用品:8,405円
 

取組を進めていく中での課題・問題点(苦労した点)

・予約制への移行に関し、利用者の理解を得ることが難しかった。(バスの運行が無くなるのではないかと不安に思う利用者が何人かいた)
・利用者をバス運転手からの聞き取りで洗い出し、一人ひとり説明を行うことで、予約制移行への理解を得ることができた。
 

今後の予定・構想

利用状況や利用者のニーズ等から判断し、その他の路線についても予約制の導入や車両の小型化、AIによる予約配車システムやMaaS等の先端技術の導入も視野に入れ、地域の実情に合った運行形態を構築したい。
 

他団体へのアドバイス

・交通の抱える状況は、地域ごとに大きく異なるため、どのような方法が効率的で利便性が高いのか、それぞれの地域に合った仕組みを検討する必要がある。

・利用者の予約を行う事への抵抗が思いのほか強いことや、自分のためにわざわざ運行してもらうのは申し訳ないという気持ちが働くようなので、その他の事業の検討においても、利用者目線に立った立案やシステムづくりを進めることが重要である。
 

取組について記載したホームページ

なし
 

問い合わせ先

愛媛県上島町 公共交通課
0897-72-9123

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