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【相談室】条文を読んでも頭に入ってきません。何かコツはあるのでしょうか?

「何でこうなってるの?」「もっとこうならいいのに」毎日仕事をする中で、頭をよぎる疑問や悩み…そんな「モヤモヤ」を、一歩先ゆく公務員の皆さんに解決して頂く企画。

第9回は、多くの公務員を悩ます「法律の条文」を読み解くコツについて、佐倉市役所の塩浜克也さんに寄稿いただいた。

【今回のモヤモヤ】

条文を読んでも頭に入ってきません。何かコツはあるのでしょうか?

実は、法律の条文が苦手で、目で追っていても頭に入ってこず、理解に時間がかかります。何かコツがあれば知りたいです!

 

法律の条文には「お約束」があります。以下のコツを踏まえれば、読みやすくなります。

・見出しをヒントにする。
・本文を分解して読む。
・特別な用語を意識して読む。

条文を読むにはコツがある

私が役所に入って初めての仕事は、固定資産税の評価業務でした。当時は参考書もあまりなく、では、と地方税法を広げてみると、まあ、これが読みにくい。個々の条文が長いだけではなく、カッコ書きが多用されて、文章を目で追ううちに何を読んでいるかわからなくなってしまいます。

実のところ、税に関する法律は、普通の法律より読みにくいものとなっています。これは、「租税法律主義(憲法84条)」に基づいて、税の対象や内容については、厳密に法律に定める必要があることによるものです。

程度の差はあるものの、他の法律でも読み込むのに骨が折れる条文は少なくありません。ただし、法律の条文にはいくつかの「お約束」があります。コツを踏まえれば、内容を解きほぐすことは、それほど困難ではありません。

今回は、地方税法を例に、条文の読み方のコツについてご説明しましょう。

見出しをヒントにする

法律の条文には、その内容を簡潔に表現した「見出し」が付されています。見出しにより条文の内容を大まかに知ることができれば、本文を読む助けになります。図表1では、「(地方団体の課税権)」の部分が見出しです。

なお、法律の中から特定の内容の条文を探そうとするときは、見出しを目で追うと効率的です。

本文を分解して読む

本文の文章が複雑に見えても、図表2のようにその構成を分解すれば、趣旨が読みやすくなります。

①主語・述語・目的語を確認する

法律の条文は、主語・述語・目的語を明確にすることが心掛けられています。何行にもわたる長文であっても、「誰が」「何を」「どうするのか」を確認しながら文章を読んでみてください。

資料に書き込みが可能であればボールペンなどで、主語・述語・目的語に傍線を引いたりするなどの工夫をしてみましょう。

②カッコ書を飛ばして読む

条文の中にカッコ書がある場合は、カッコ書を飛ばして読んでみましょう。用語の意味や対象の例外など、補足的な説明をいちいち頭の片隅に置きながら理解を進めるのは、脳のキャパシティ上、限度があるからです。

条文によっては、カッコ書の中に、さらにカッコ書があるものもあります。そのような場合は、資料に書き込みが可能であれば、マーカーなどで対応するカッコを確認しながら読み進めてみましょう。

特別な用語を意識して読む

①法令用語を踏まえて読む

法律には、言い回しなどに細かなルールがあります。これは、条文の誤読を防ぎ、読み手を共通の理解に導く必要があるからです。

例えば、「及び」「並びに」は、日常用語では「AND」の意味でほぼ同様に利用されますが、法令用語では、「及び」を原則とし、これらに更に対象を加えるときは「並びに」を利用します。

法令用語には、他にも種類がありますが、機会を見て覚えていっていただけたらと思います。


 

②定義された用語に気を付けて読む

その法律の中で使用される特定の用語について、意味等のルールを決めることがあります。これを「定義」といいます。

法律によっては、「児童」の語について「満18歳に満たない者」(児童福祉法など)と「6歳以上13歳未満の者」(道路交通法)の意味があるなど、定義の内容が異なるものもあります。このように条文を読む際は、用語の意味に注意が必要です。

条文の読み方にオススメ!の書籍

役所であれば、どの分野に異動しても法律を読むことは避けられません。苦手意識を持たず、経験を積み重ねていただけたらと思います。

最後に、条文を読む勉強のためにオススメの書籍をご紹介しましょう。これらを読んで、条文に対する気持ちのハードルが少しでも低くなれば幸いです。

・『日本一やさしい条文・判例の教科書』品川皓亮(著)・土井 真一 (監修)(日本実業出版社)

条文と判例の意味や勉強の仕方について、2色刷りでわかりやすく解説しています。

 

・『元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[改訂第3版]』吉田利宏(ダイヤモンド社)

著者独特のユーモアあふれる文章で、法律の基礎知識を学ぶことができます。「教示(きょうじ)」「不作為(ふさくい)」など難字の読み方も掲載されています。

 

・『法律って意外とおもしろい!! 法律トリビア大集合』第一法規法律トリビア研究会(第一法規)

戸籍に使える漢字の根拠や、そんなことまで!と驚く規定など、法律の豆知識が掲載されています。読了後は、法律への苦手意識も少しは低くなるのではないでしょうか。

 


塩浜 克也(しおはま かつや)

1968年生まれ。1997年佐倉市入庁。資産税課、財政課等を経て、2016年から現職。
著書は、『自治体の法規担当になったら読む本』(学陽書房、2014年、共著)、『法実務から見た行政法 エッセイで解説する国法・自治体法』(日本評論社、2014年、共著)ほか多数。


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