住民の生活を支える道路やダム、橋などの社会インフラ。近年、災害が激甚化、頻発化しており、インフラ整備の重要性が高まっているが、少子高齢化が進む中で、担い手不足が懸念されている。そんな状況を打開すべく、静岡県では土木の魅力を発信するサークル「静岡どぼくらぶ」を平成29年に設立。現在、運営広報を担当している富田さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.27(2023年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
静岡県 交通基盤部
政策管理局 建設政策課
富田 ひかる(とみた ひかる)さん(入庁6年目)
どぼくらぶは“土木+クラブ”を由来とする造語。建設産業や県の未来をともに考える現場の人たちが仲間になり、誇りと愛情をもって働き、次世代につなげていくことを目指す。「どぼくらぶソング」などもある。
土木を盛り上げる調整役に。
学生の頃、建設中の新東名高速道路を見学したことをきっかけに、土木の分野に興味をもち、大学で土木を専攻。東日本大震災後の東北を訪れた際に、被災したまちを間近で見ました。そこで、まちの未来を考えられる仕事がしたいと思い、土木技術職として地元の静岡県に入庁。令和3年4月から建設政策課に配属となり、静岡どぼくらぶの主担当として活動しています。
静岡どぼくらぶとは、土木の魅力や県の未来について考え、建設産業の現場でつながる広いサークルです。参加に申請は不要で、土木への誇りと愛をもって関わる人は全員メンバーとしています。活動内容は、学生向けに現場見学や出前講座を提供する「静岡どぼくらぶ講座」をはじめ、ダムや橋などの土木構造物を掲載したオリジナルカード「静岡どぼカード」の発行、SNSによる情報発信など。土木の仕事や社会インフラの魅力を伝えるため、幅広く活動をしています。ただ、あくまでも私は調整役として、他部署や建設企業の人たちへ働きかけることが役割です。各所と連携しながら、一緒に土木を盛り上げるための取り組みを行っています。県の建設業協会の業界アンケートでは、認知度がほぼ100%に達していて、うれしく思っています。
学生の輝く表情がやりがい。
私が特にやりがいを感じるのは、学生と接することができる見学会や出前講座です。建設企業と連携して、令和4年度はダムや高速道路で計26回実施し、1000人以上の参加がありました。学校から依頼があれば、希望を聞きながら1日の行程を企画します。実際に、目をキラキラと輝かせて熱心に話を聞く学生の姿を見ると、やって良かったと思います。
今年度から新企画として、小・中学生を対象にした図画コンクールを開催しています。未来のまちをテーマに絵を募集。最優秀賞を受賞した生徒には、作品をイメージした“未来のまち”を「VIRTUAL SHIZUOKA(※)」という仮想空間上で表現し、動画としてプレゼントします。子どもたちが土木やインフラ、まちづくりに興味をもつきっかけになればと考えています。
活動は、県職員はもちろん企業や学校など多くの人の協力によって成り立っています。私一人ではできませんし、建設に携わる全ての人を巻き込みながら、一緒に盛り上げたい。イベントの開催などは、ハードルが高いですが、ヘルメットにどぼくらぶのロゴを入れたり、工事のことを分かりやすく誰かに説明したりするだけで十分なんです。そうやって小さなことから地道に賛同してくれる仲間を増やし、魅力を広めていけたらと思っています。
※3次元点群データを用いて、静岡県を仮想空間上に再現したもの
▲工業高校生の現場見学会の様子。
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