※下記はジチタイワークスVol.26(2023年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
熊本県を中心に、全国各地に大雨をもたらした令和2年7月豪雨。人吉市でも市街地の広い範囲で浸水したほか、市内北部を東西に横切る球磨川が氾濫し、甚大な被害を受けた。当時、防災行政無線による屋外スピーカーでの避難指示が、雨風の音で聞こえにくかったという声が複数上がった。また災害直後は、まちから光が消え、とても暗くなったという。
そこで取り組んだのが、明かりを使った被災地復興。その取り組みの一つとして橋にLED照明を設置し、氾濫危険度を色の変化で知らせる「ライティング防災アラートシステム」の運用を開始した。通常時は温かみのある電球色でまちを彩り、大雨の際は水位の変化に応じて危険度を視覚的に知らせることができる。そうして観光と防災両面での役割を果たすという。
光の色は、氾濫注意水位で白色に、氾濫危険水位に達すると赤色に変化。重大な災害が起こる恐れがある計画高水位になると赤色が点滅する。橋の様子は、「防災ポータルサイト」で24時間ライブ映像を配信。川に近づくことなく、遠隔地から確認できる。「危険をいち早く察知することで、ご自身はもとより、自分だけでは危険の認識や避難が難しい人の援助ができるよう取り組んでいきたいですね」と鳥越さん。「ほかの地域にも危険を知らせる様々なシステムがあります。どこに行っても防災につながる情報に留意し、身の安全を確保してください」と
思いを語る。
通常時は温泉地らしい温かな電球色で、日没~22時に点灯。
令和4年のサッカーワールドカップで日本の試合が行われた12月5日は、チームカラーの“サムライブルー”に変化。
人吉市 総務部 防災課
課長 鳥越 輝喜(とりごえ てるき)さん
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