ジチタイワークス

【相談室】常に仕事に追われており、つらいです

「何でこうなっているの?」「もっとこうならいいのに」毎日仕事をする中で、頭をよぎる疑問や悩み…そんな「モヤモヤ」を、一歩先ゆく公務員の皆さんに解決していただく企画。

今回は、「常に仕事に追われている感覚があり、つらい」…そんなお悩みに対し、さいたま市の柳田香さんに回答いただいた。

【今回のモヤモヤ】

「常に仕事に追われており、つらいです」

常に仕事に追われている感覚があり、残業も続いてつらい、スキルアップする時間も取れない…そんな状況を突破するためのアドバイスを頂きたいです。 


毎日、残業して頑張っていても仕事が終わらないなんて本当につらいですね。

私は以前、夜遅くまで残業が続き、休日でも仕事が頭から離れませんでした。
仲間うちで楽しみにしていた長岡の花火大会も完全に楽しめず、翌朝、帰宅したその足で出勤し、重要な説明会に参加しました。
今考えれば、無理のないスケジュール調整もできたはずでしたが、当時の私は、常に仕事に追われて考える余裕が全くありませんでした。

20代~30代の若手の皆さんは、特に仕事を通じてスキルアップできる時期です。
スキルアップする時間も取れない、つらい状況から解放されるためにはどうしたらよいのか一緒に考えてみましょう。

まわりに「つらい」と言葉で伝えてみよう

仕事が減らなくてイライラする、集中できない、眠れない等ということがあれば、倒れてしまう前に、「もうそろそろ限界です」と、職場の仲間や上司に伝えてみましょう。
そうすれば、新たな仕事は舞い込むことがなくなりますし、負担が軽くなるような策も模索してもらえるかもしれません。

何がどのようにつらいのか?これは、人それぞれですから、本人が働きかけないとまわりに気づいてもらえない場合が多いものです。
「え、そうだったの?何かお手伝いしましょうか?」と助けてくれるかもしれません。

コロナ禍の昨今、皆、自分のことで精いっぱいですから、他者を気にかける余裕がないように感じますが、こういう時代だからこそ、心や身体の健康を最優先にして、不調を感じたらすぐに発信できる勇気を持ちたいものです。

何も考えなくてもよい時間を生み出そう

特に、子育て世代は、多忙で24時間じゃ足りないなんて声が聞こえてきます。

ちょっとした工夫で自分の中に時間的な余裕ができると、自然に笑顔になったり、心が穏やかになったりするので、感じがいい人と思われたり、上司からのアドバイスも冷静に聞き入れられるようになります。

何も考えなくてもよい時間を生むために、毎日の作業などをまとめてルーティン化してみましょう。
例えば、

■休日には…
子どもや自分の服や靴を5日分セットする。
⇒ 毎日考える手間がなくなり、これはとっても便利です。
野菜などはまとめて切ったりゆでたりしてストックするなど使いやすいようにしておく。
⇒ まな板を使わず、時短料理になります。

■平日の夜は…
前の晩に、明日の夕食をつくってチンするだけにしておく。
⇒ 夕食のメニューや買い出しをしなくてよいので、ゆったりとした気持ちで帰宅できます。
  自分や家族のために時間を有効に活用できますね。

■仕事では…
作業や指示事項等は必ずメモする。
⇒ 目の前の作業に集中できるようになります。

私は、その日の仕事や事柄を必ずメモしておくことを10年くらい続けています。

PC上にExcelで、「〇日 〇〇を行った」「〇〇から~と指示あり」「〇〇について〇〇と確認した」などと書くだけの簡単なものです。
さらに、気になったこともメモしておきます。

簡単なメモをすることで、頭の中を空っぽにして、目の前の作業に集中できるので、少しの時間かもしれませんが「つらさ」からも解放できると思うのですが、いかがでしょうか。

在宅ワークをうまく活用しよう

まだ在宅ワークを実施したことがない方は、職場の協力も得て、在宅ワークにもチャレンジしてはいかがでしょうか。
自宅という静かな環境下で仕事をしてみると、「仕事に追われている感」から少し解放されて、冷静に自分を観察できるかもしれません。

また、保育園の送迎や通院などと組み合わせると、通勤時間を省けるので、とても便利です。
私も、午前中は親の通院の付き添い、午後は在宅ワークを活用してみたら、時間に追われることがなく快適でした。

働き方改革は、制度を理解し、ライフスタイルに合わせて積極的に活用していくことが必要なのだと感じています。

最後にスキルアップについては、私たち自治体職員には人事異動がつきものですから、希望どおりの職場や仕事をしている人はほんの一部にすぎません。
「やらされ感」を持っているとスキルアップもしにくいのではないでしょうか。

仕事をする際は、目標を達成するための小さな目標を掲げて、日々努力し続ける癖をつければ、発見や学びの機会も増え、知らないうちにスキルアップしているものだと思います。

 


柳田 香(やなぎだ・かおり)

さいたま市南区役所健康福祉部参事。人材育成、シティセールス、行財政改革等を経て2022年4月より現職。
『月刊ガバナンス』(ぎょうせい)の連載、「公務員女子のリレーエッセイあしたテンキになーれ!」(2020年4月号~)の取りまとめ役などの活動を通じ、若手・中堅職員の悩みや不安の解消に意欲的に取り組んでいる。
著書に『時間を生み出し成果を上げる!公務員30歳からの時短仕事術』(2022年3月発行/学陽書房)がある。


■合わせて読みたい

【相談室】公務員はなぜ約3年で異動しなくてはならないの?

【相談室】自治体職員と議会との関わり方はどうあるべきだと思いますか?

【相談室】他の自治体の事例を真似するのではダメなの?

このページをシェアする
  1. TOP
  2. 【相談室】常に仕事に追われており、つらいです