茨城県龍ケ崎市

公開日:

全庁を挙げた業務改革を目指し、デジタル導入を戦略的に推進。

情報政策
読了まで:4
全庁を挙げた業務改革を目指し、デジタル導入を戦略的に推進。

ノーコードでアプリ開発ができる業務改革支援ツール

DXでは、取り組みに関わる職員や部署の数に比例して効果も増大する。しかし、デジタル活用の全庁展開には困難も伴う。龍ケ崎市では、先行事例を取り入れつつ、職員を巻き込む戦略で成功事例を生んでいるという。

※下記はジチタイワークスVol.44(2026年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。


[PR]サイボウズ株式会社

プロフィール画像

龍ケ崎市
総合政策部 デジタル都市推進課
課長補佐 益子 正人(ましこ まさと)さん

プロフィール画像

龍ケ崎市
総合政策部 デジタル都市推進課
副主査 佐藤 史帆(さとう しほ)さん

ベンダー依存からの脱却を目指した1年間のトライアルプロジェクト。

同市にデジタル都市推進課が設置されたのは令和5年。DXを加速させるというミッションを受け、益子さんは業務改革に最適なツールの模索を続けていた。「様々なツールを検討する中で、“キントーン”の活用に目を向けました」。

「サイボウズ」が提供する同ツールは、専門知識がない職員でも業務アプリをノーコードで開発できるのが強み。内製に着目した背景には“ベンダー依存”の問題があったという。「開発を事業者に依頼する従来の方法では、システムの中身がブラックボックス化してしまいます。小さな修正でも時間がかかりがちで、コストも膨らむ。こうした点が、内製で解消できると考えました」。

詳細を知るため、同社が主催するイベントに参加。その際に「自治体まるごとDXボックス」という導入支援プログラムの存在を知った。「全職員が最大13カ月無料でツールを使えるという点に魅力を感じました。十分な効果検証が可能です」。こうして令和6年4月からの利用開始を決めたが、並行して他自治体の先行事例を調査。活用をスムーズに進める方法について情報収集し、スタートから活用拡大までの戦略を立てていったという。

細やかな根まわしと積極的な提案で、庁内にDXへの共通認識を醸成する。

まずは5月に全庁への説明会を実施。同ツールの使い方を解説し、全員が改革の主役だと伝えた。並行して第1号アプリの開発に着手。選んだのは“公用車運転日報アプリ”だった。「他自治体の事例を参考に、“全職員が使えて、効果を感じやすいものから始める”というセオリーを取り入れました」。アプリが完成すると、それを使って上層部への説明会を実施。「職員が手を動かして開発を推進していくには、上層部の理解と後押しが欠かせないと考えたのです」。

7月にはアプリの実例発表会を希望者向けに開催。佐藤さんは「興味をもってくれた職員に向けて、いくつかのデモアプリを披露しました。活用で業務がどう変わっていくのか、実際に目にすることでイメージが具体的になったのではと思います」と振り返る。そうした中、開発に積極的な部署があらわれはじめた。その一つが広報部門だ。

広報部門では、広報紙への掲載依頼をメールや紙で受け付けていたが、その管理の煩雑さに悩みを抱えていたのだ。そこで、キントーン上で依頼を受け付け、原稿や写真などのファイル添付もできるアプリを開発。8月に正式リリースされ、大幅な効率化につながったという。こうした活用促進や根まわしが功を奏し、予算要求もスムーズに通過。令和7年度からの正式導入に至った。

日常の中に改善のヒントを探し、職員の負担を減らしていく。

現在、同市でアプリを活用している課はほぼ全庁にわたり、広報部門と同様、簡単なアプリは各課の職員自身が開発している。業務のデジタル化をDX部門の職員だけに頼らない体制で、全庁的・同時多発的な業務改革が進んでいるという。並行して、改革意識のさらなる向上を目指し、他自治体の職員を講師に迎えたデジタル人材育成研修なども実施しているそうだ。

アプリ内製によるDXを戦略的に進めた同市の取り組みだが、大切なのは“現場の小さな悩みに気づくこと”だと語る。「職員同士の何気ない会話の中にも、改善のヒントがたくさんあります。丁寧に声を拾って効率化できれば、小さな成功体験が生まれる。これを全庁で積み重ねていくことが大切だと思います」。庁内共通のアプリ開発環境が、こうした体験を支える基盤になっているのだという。

最後に益子さんは、DXで目指す将来像を次のように話してくれた。「様々な業務や新たな課題に向き合う中、職員たちは疲弊しています。住民サービスの維持・向上のためには、現状に余白を生むことが必要。そのためにも、デジタル活用をより推進していきたいです」。

▲「自治体まるごとDXボックス」の詳細はこちら

お問い合わせ

サービス提供元サイボウズ株式会社

東京都中央区日本橋2-7-1
東京日本橋タワー27F

Email:cy-public@cybozu.co.jp

お問い合わせ・詳細はこちら