千葉県市原市

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下水道管理をデジタル化し、予防保全の強化を目指す。

都市整備・上下水道
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下水道管理をデジタル化し、予防保全の強化を目指す。

下水道維持管理のクラウドサービス

施設の老朽化や職員の減少などを背景に、下水道事業でのデジタル技術の活用が推進されている。市原市は、下水道維持管理のクラウドサービスの開発に向けた実証実験にフィールドを提供し、処理場やポンプ場で実施するという。

※下記はジチタイワークスINFO.(2026年7月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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市原市
上下水道部 下水道施設課
係長 永島 清貴(ながしま きよたか)さん

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市原市
上下水道部 下水道施設課
主任 石塚 圭一(いしづか けいいち)さん

点検記録の管理方法がアナログで事業者も市の職員も不便だった。

高度経済成長期に整備された下水道施設が更新時期を迎え、点検・維持管理業務が重要視されている。多くの自治体では点検業務を民間事業者に委託しているが、記録管理の方法がアナログで、体系的なデータ化や標準化が課題だという。

同市も情報管理に課題を感じていた。事業者は点検内容を紙で記載し、事務所で写真やデータを整理して、報告書を作成。市はそれをもとに修繕などに対応するが、情報は紙で保管されている。「ストックマネジメント計画の策定に必要な情報量は多いため、活用の際に抜け落ちてしまうことも。データが分かりやすく整理されれば、より効率的な施設管理ができると思います」と石塚さん。

庁内でDXが進む中、下水道管理業務のデジタル化も視野に入れはじめていた同市。下水道施設の改築設計業務の受注経験がある建設コンサルタント会社「NiX JAPAN(ニックスジャパン)」から声がかかり、システム開発に協力することになった。同社が開発しているのは、下水道維持管理クラウドサービスの「すいクラ」だ。「令和9年度以降、下水道施設の維持管理情報をデータベース化していることが、管路施設の改築で国土交通省の交付金を受ける要件になります。私たちが管理している処理場・ポンプ場施設はまだ要件化されていませんが、今後のためにDX技術を学びたいと考えました」。


情報をデジタルで一元管理してデータの共有や活用を円滑に。

同サービスは、下水道管路施設や処理施設を対象としたクラウド型維持管理プラットフォーム。点検・台帳管理からストックマネジメント計画策定まで、一体的に支援する仕組みだ。点検時にはスマホのアプリで情報を入力でき、撮影した写真も設備データにひも付けられる。建設コンサルタントとして現場の課題を知る同社ならではの設計やサポートが強みだ。

同市での実証実験は市内にある3つの処理区のうち、2つで行われる。「データベースを用いた点検台帳管理など、最新技術に触れる貴重な機会だと捉えています。よりよいシステムづくりに貢献したいですね」と永島さん。現場へのヒアリングから点検アプリの検証、改善点を反映した試行運用まで10カ月ほどかけて実施し、今年度中のリリースを予定している。

下水道管理情報のデジタル化が進むことにより、点検する事業者の作業効率化や、市とのスムーズな連携に期待がかかる。さらにその先では、蓄積したデータをストックマネジメント計画に活かすことも見据えている。「当市の下水道施設にはポンプなどの機械・電気設備が3,000点以上あり、計画を立てて更新しています。将来的にはデータをもとに不具合を予測して未然に防ぐ“予防保全型”の管理を促進したいと考えています」。

安心・安全な暮らしを守るため新たな手法で課題解決に挑む。

下水道は住民の暮らしを支える社会インフラであり、汚水や雨水を集めて適切に処理する重要な機能を担っている。専門性の高い分野だが、人事異動があるため熟練した人材を育てることは難しい。「知識や経験の蓄積といった個人の能力に依存する要素を、DXによって少しでも補いたいというねらいがあります。この機会を通して、業務のあり方も見直していきます」と石塚さん。

また、新しい試みが技術職の人材確保につながる可能性もある。「インフラの業務を改革していく面白さを感じています。これを機に下水道に注目してもらえたら」と永島さん。下水道設備に故障や事故が起きれば、市全体に与える影響は大きい。様々な取り組みの先にあるのは、住民の安心・安全だ。システムの開発と併せて、下水道施設の管理向上につながることを期待したい。



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