神奈川県藤沢市

公開日:

低コストな家庭用浄水器が、学校の水問題を打開する。

低コストな家庭用浄水器が、学校の水問題を打開する。

学校現場への浄水器設置プロジェクト

学校施設の老朽化が全国的に進行している。給水設備については、受水槽方式から直接給水方式への転換を進める動きもあるが、多額の費用がかかるという。そんな中、藤沢市が採用したのは“家庭用浄水器”という意外な選択肢だった。

※下記はジチタイワークスINFO.(2026年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

プロフィール画像

藤沢市
教育委員会
教育部 学校施設課
主任 鎌田 幸太(かまた こうた)さん

給水設備の老朽化が進む学校が増え、現場から改善要望が挙がっていた。

同市では市内全ての小・中学校などを対象に、現場の課題を毎年ヒアリングしている。毎回複数の学校から挙がっていたのが、“水のにおいや味が気になるので何とかしてほしい”という要望だ。「もちろん水質検査はクリアしています。しかし、においや味については数値的な検査基準がないのです」と鎌田さんは指摘する。

受水槽の更新や直接給水化を進めているが、多額の費用が必要だ。特に直接給水化は1校当たり約4,000万~6,000万円かかり、補助金もないため、毎年2~3校が限界だという。「2週間以上も断水する工事なので、夏休みに行っています。ただ、その工期では、校舎内の給水管までは更新できません。築50年以上の校舎が多く、直接給水でフレッシュな水を通しても、古い給水管では水のにおいなどが気になる場合もありました」。冷水機の設置も検討したが、管理面への懸念から難色を示す学校もあり、解決策を見出せずにいたという。

そうした中で新たな選択肢を示したのが「東レインターナショナル」だ。その内容は、約40年前から展開している家庭用浄水器「トレビーノ」を、学校の蛇口に取り付けるというもの。「目からうろこの視点で、長年の課題が一気に解消しそうだと期待しました」。


 子どもの水道水離れ 

水筒の持参が一般化していること、ペットボトル飲料やウォーターサーバーの利用者が増えたことなどから、水道水を直接飲む習慣のない子どもが増えているという。
水筒がカラになると水分補給が遅れ、熱中症や脱水症状のリスクにつながることも。

モニタリングを実施した学校では80%以上が“継続使用”を希望。

まずは令和6年9月から、要望が毎年挙がっていた小学校1校に設置してモニタリングを開始。「私から校長に概要を説明した後は、同社が学校と調整してくれました」。使用したのは蛇口直結型の浄水器で、様々な水栓の形状に合わせて8種類のアダプタが用意されている。レバーを浄水モードにして水を出すと、ミネラル分はそのままに、不純物や残留塩素などが除去される仕組みだ。

約3カ月のモニタリング後、同社が児童・教員にアンケートを実施すると、80%以上が継続を希望。児童からは“おいしい水になってうれしい”“水筒がカラになっても困らなくなった”といった声が寄せられたという。「80%という数字はもちろんですが、子どもたちのコメントがそれ以上にうれしく、やってよかったと思いました」と笑顔を見せる。

児童が水道水を飲めることは、教員の不安解消にもつながったという。「夏や体育のある日は、水筒の中身がなくなる児童もいます。今では“浄水器から水筒に入れておいで”と声をかけられるようになったそうです」。

費用は交換カートリッジ代のみで維持管理の手軽さもうれしい。

この成果を踏まえ、令和7年度は3校への導入が決定。その際に強く実感したのが“導入ハードルの低さ”だという。例えばコスト面では、本体と初回の浄水用カートリッジが無料提供される。その後は約半年ごとにカートリッジの交換が必要だが、1個当たり2,000円程度と少額で、事務的な負担も少ないそうだ。

維持管理の手間も最小限で、家庭用として長年改良を重ねてきた製品ならではの手軽さがあるという。「一部の古い水栓に取り付ける際は少しコツが要りましたが、用務員さんが対応してくれました。また、同社から提供された現場向けのツールも助かっています。月1回の清掃は、提供されたガイドを見ながら保健委員の児童が担っているようで、教員からの問い合わせもありません。現場の負担を増やさずに済んでよかったです」。

鎌田さんを驚かせたのが、浄水器が教育面でも活用されはじめたことだ。「家庭科で“おいしい水でお米を炊こう”という授業をしたそうです。安心して水を飲めるだけでなく、学びにも使われ、いいことばかりだと感じています。来年度以降も、導入校を増やしていきたいです」と展望を語ってくれた。家庭用浄水器という意外な選択肢が、老朽化する学校の水問題を打開する糸口になるだろう。


 企業担当者の思い 

プロフィール画像

東レインターナショナル
鬼村 浩一(おにむら こういち)さん

日本の水道技術は世界最高水準にありますが、水道水を飲めない人が増えていると聞きます。私たちは長年、水道水をおいしくする技術を培ってきました。ペットボトル飲料購入の経済的負担軽減や、増えつづけるプラごみの削減など、様々な社会課題に貢献していきます。

CHECK!

無料トライアル可能

藤沢市と同様のモニタリングは全国で実施が可能。学校と必要数の調整後、本体とカートリッジが無料で提供され、トライアルができる。下記より問い合わせ・申し込みを。

お問い合わせ

サービス提供元東レインターナショナル株式会社

東京都中央区日本橋本町3-1-1

TEL:03-3245-6445

お問い合わせはこちら