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建築営繕DXの取り組み~自治体技術職の業務効率化~

読者投稿ページは、自治体職員が日々の業務や活動している内容を発表・共有できる場です。読者自ら執筆した原稿の中から、編集室が選出した記事を、ジチタイワークスWEBで公開させていただきます。
ぜひ、皆さんの自治体職員としての経験や取り組みを、編集室にお届けください。
※掲載情報は公開日時点のものです
投稿者(自治体職員)プロフィール
テーマジャンル : 建築営繕DX、業務効率化
投稿者名 : 亀岡 暉斗さん(30代)
所属部門 : 西宮市 営繕課
課題は“超過勤務の削減”と“ミス防止”
兵庫県西宮市 営繕部は、公共施設の新築・改修の設計・工事監理等を所管する部署です。当部署では“超過勤務の削減”と“違算防止・業務の質の向上”という大きな課題を抱えていました。
そこで、私が部を代表して、庁内公募のDX推進の取り組みに参加しました。まずは営繕課にてスモールスタートで実証実験に着手。その後、部内へきめ細かなヒアリング等を行いながら、段階的に取り組みを増やし、その範囲を拡大していきました。
また、半年間の庁内研修「各部署におけるDX推進リーダーの育成プログラム」にも参加。長期的な目線で、来たる人員縮小を見据え、現在もDXを一歩ずつ進めています。
建築営繕DX、4つの取り組みと効果
具体的には、以下の4つの課題に対し、DXによる解決を図っています。
課題1)受注者との意思疎通、紙での書類対応
→解決策)情報共有システムとデュアルモニター・タブレットの導入
これにより、現場・執務室のどこでも円滑な意思疎通が可能となりました。また、大量の紙の書類を持ち歩く必要がなくなったことでセキュリティ面も向上。図面チェックも電子上で問題なく行えるようになり、意思疎通の利便性向上とペーパーレス化を実現しました。
課題2)各種書類の差分チェック
→解決策)AI図面比較システムの導入
事業者が修正する設計・工事関係書類を確認する際、従来は全ての差分を紙ベースかつ目視で確認していました。しかしシステムを導入したことで、修正前後の箇所が一目瞭然に。指摘箇所のみのピンポイント確認で済むようになり、大幅な負担減につながりました。

課題3)違算防止対策・積算業務
→解決策)違算チェックができるシステムを企業と共同開発・導入
全国共通の営繕積算システム「RIBC2」のデータにて、見積間の異常値判定など内訳書内の違算チェックができるシステムを企業と共同開発・導入。それにより、違算防止対策と積算業務の効率化につながりました。



課題4)積算業務の一層の省力化
→解決策)(今後の展望)課題解決システムの開発導入
事業規模によっては設計図書が3,000枚に上ることもあり、内訳書と図面の整合確認にかかるヒューマンエラーのリスクや労力は計り知れません。この単純作業をAI等で自動化できれば、職員がその他のコア業務に注力でき、設計業務全体の質を向上できると期待しています。そのため、現在は課題解決システムの開発導入に向けた検討を進めています。
現場主体のDX推進で意識した3つのポイント
私は部内のDX推進リーダーとして、職員の困りごとや業務改善方法を洗い出すため、まずは業務の棚卸しから始めました。推進にあたって意識したポイントは以下の3点です。
①効果×難易度による優先順位づけ
“難易度が低く効果が大きいもの・目に見えて素早く成果が出るもの”を最優先しました。実際にすぐ成果が上がることで、周囲の抵抗感が減り、その後のDX検討がスムーズに進むようになったのです。

②効率的な情報収集
市ホームページでのRFI※をはじめ、国の省庁事例、民間のDX事例サイトやプレスリリース、AI検索エンジン、高度なGoogle検索、企業への直接ヒアリングなど、効率的なリサーチ方法を工夫しました。
※RFI=Request For Information(情報提供依頼)
③企業との無償実験
企業と秘密保持契約を締結した上で、無償実験を複数行いました。
中には失敗もありましたが、DX推進において“とりあえずやってみる”という姿勢が非常に重要であると実感しています。こうした挑戦を理解し、協力してくれる上司や周囲の存在が、何よりの推進力につながりました。
全国で共に自治体DXに取り組む仲間を募集中
自治体間における業務上の課題には、共通する点が非常に多くあります。だからこそ、本市での取り組みやノウハウをオープンに共有することで、お互いに様々なメリットを享受できると考えています。
現在、部内のDX推進と並行して、共に課題解決に取り組める“他自治体の仲間”を見つけることも活動目的のひとつとしています。この読者投稿への寄稿をはじめ、「デジタル改革共創プラットフォーム(デジタル庁)」への参加、「ヒョウゴタレントショーケース」への登壇、各種講演会やイベントなど、様々な機会に積極的に参加するようにしています。
今回の西宮市の事例が、皆さまの業務改善の参考になれば幸いです。ぜひ、一緒に自治体DXを盛り上げていきましょう!


















