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「この押印いる?」から始まった公用車管理の手づくりDX

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「この押印いる?」から始まった公用車管理の手づくりDX

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※掲載情報は公開日時点のものです

毎日くり返す“押印がない”“日誌がない”

また日誌が出ていない……。
ここ、押印が足りない……。
公用車管理を担当していたころ、私の仕事は、まるで間違い探しのようでした。

当市には200台を超える公用車があり、運転命令や運転日誌は全て紙の簿冊で管理していました。利用する職員は約650人。年間2万4,000件以上もの記録が、手書きと押印でまわっていました。

もちろん、紙には紙のよさもあります。しかし、記入漏れ、計算ミス、押印漏れ、簿冊の保管、監査対応……。気づけば、車を管理しているというより、“紙と押印を追いかけている”ような状態でした。

そんな毎日の中で、ふと思いました。
この押印、本当に必要なのだろうか?
今なら、もっとラクにできる方法があるのではないか
この小さな違和感が、“公用車管理DX”の出発点でした。

目指したのは、迷わずに使える仕組み

まず確認したのは、制度上、本当に電子化できるのかという点。道路交通法を確認し、運転記録の電子化が可能であることを整理したうえで、必要な例規改正を進めました。

その後、LoGoフォームを活用し、自席のパソコンから入力できる仕組みを作成。さらに、公用車に二次元コードを貼り、出発前や帰庁後にスマートフォンからでも入力できるようにしました。押印はすべて廃止し、上司への口頭確認とチェックで代替しています。

公用車内に貼られた二次元コード
  公用車内に貼られた二次元コード  
公用車内に貼られた二次元コード
  公用車内に貼られた二次元コード  

こだわったのは、説明を読まなくても使えること。全職員が使う仕組みなので、複雑な操作にしてしまうと、すぐに使われなくなります。そこで、入力項目をできるだけ減らし、選択式を中心にしました。

入力作業を「考える作業」から「選ぶ作業」へ――。

これだけで、職員の負担感は大きく変わります。

完成までには約半年かかりました。情報担当課の協力を得ながら何度も修正し、全職員で1カ月間のテスト運用も行いました。若手職員からは「スマートフォンで完結できるのは超便利!」と好評で、少しずつ庁内に広がっていきました。

年400時間削減。実情に合わせた手づくりだから現場になじんだ

運用開始後、「押印がなくてラク」「車内で入力できて便利」といった声が徐々に聞こえるようになりました。運転命令の作成は約30秒で完了し、入力時間は従来の半分以下に短縮。年間約400時間の業務削減とペーパーレス化にもつながりました。

さらに、電子化したことで、車検期限、走行距離、給油量、車両ごとの稼働率なども一覧で確認できるようになりました。以前は紙の中に埋もれていた情報が、業務に活かせるデータに変わったのです。

公用車管理には、民間の専用ソフトもあります。けれど、今回は現場の実情に合わせて、自分でイチからつくりました。だからこそ、無理なく使えて、続けられる仕組みになったのだと思います。

大きな改革は、最初から大きな声で始まるとは限りません。「これ、本当に必要?」という、小さなつぶやきから始まることもあります。現場の違和感を見逃さず、自分たちの手で少しずつ変えていく。小さな気づきを大切に。今回の経験を、次の改善にもつなげていきたいと思います。