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アワードを受賞した【すごい公務員のすごくない話 #3】油谷 百合子さん

「株式会社ホルグ」が主催する「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード(以下、公務員アワード)」。その受賞者と聞くと「皆さん、もともと仕事がデキる“スーパー公務員”なんでしょう?」「自分とは違う世界の人たち……」などと思ってしまいませんか?
しかし、そんな彼らにも、思い出したくないような失敗や自信を失ってもがいた時期、今なお抱える等身大の悩みがあるんです。
本連載では、公務員アワード2025受賞者の人間臭いリアルにフォーカス!表彰の場では語られていないしくじり体験談や、苦悩・葛藤のエピソードなどを3回に分けてお届けします。
最終回は、“農業者は戦友・絶対不可能を覆す実践者”として表彰された、茨城県 県南農林事務所 つくば地域農業改良普及センターの油谷 百合子さんです。
※記事の掲載情報は公開日時点のものです。

Interviewee
茨城県 県南農林事務所 つくば地域農業改良普及センター 地域普及第一課長
油谷 百合子(あぶらや ゆりこ)さん
“公務員らしさ”と“普段の素顔”をチェック!
まずは、油谷さんがどんな人物なのかを探っていきましょう。“公務員らしさ=公務員としてのお仕事スタイル”と、プライベートにおける“普段の素顔=日常の行動傾向”の2つの視点から、ご自身でチェック(自己分析)をしていただき、その結果を図表化(チャート化)してみました。

このチャートから分かることは?
公務員らしさのチェックでは、裏方意識が“5”、調和優先が“4”と、周囲を支えながら物事を進めるサポート役としての意識の高さがうかがえます。一方で、失敗回避は“2”と低め!周囲との調和を大切にしながらも、失敗を恐れずに新しい挑戦へ踏み出す絶妙なバランス感覚こそが、困難なプロジェクトを成功に導いたカギかもしれません。

このチャートから分かることは?
ご自身の素顔については、仕事人間度が“5”と満点! さらに内向・シャイ度は“1”と非常に低く、公私の垣根を越えて仕事を楽しむ姿勢や、オープンなコミュニケーション能力の高さが際立っています。自ら先頭に立ちグイグイ引っ張るリーダー像というよりは、誰とでもフラットに接しながら周囲の意見を調和させていく柔らかな推進力が、油谷さんの強みであり魅力だといえそうです。
また、今回チャートに添えたのは、休日に職場の皆さんと畑ピクニックを楽しんでいる写真!明るくフレンドリーに周囲と接する人柄が伝わってきますね。
そんな油谷さんが、“公務員イズムがしみ込んでいるなと感じる瞬間”は、農産物は産地がどこかを見てしまう、茨城県産があったら買ってしまう瞬間だそう。“今夜はそぼろ丼のつもりだったけど、茨城県産のレンコンを使ったはさみ揚げに変更!”……油谷家でのそんなほほ笑ましい食卓の様子が目に浮かぶようです。
油谷さんに聞いた!ここだけの“すごくない”話
ここからは、その素顔や人柄を感じられるエピソードを紹介!
今だから笑って話せる“過去のしくじり体験談”
頻繁にある田んぼでの調査業務。その最中での落とし物・置き忘れは何度も経験があります。
当然のことながら、泥の中に入ってしまうと見つけるのはひと苦労。また、地面の上に落ちていたとしても、草が伸びていると地面は全く見えません。こちらも見つけるのは至難の技です。それを理解しているからこそ十分に気をつけているはずが、いつもついうっかり失くしてしまうのです。
これまでに落としたのは、公用車の鍵、ステンレスの定規(コンバインに巻き込まれると故障につながり、大変なことになります)、機械の部品など……。

ただ、幸運なことに、なぜかいつも見つかります。ありがたいです。
実は、普段もおっちょこちょい。過去に3回もコンビニのトイレにお財布やスマホを忘れてきたことがあります。でも、これも3回とも返ってきました。うち1回は、なんと警察経由で10年後に!(笑)
抜けてるところが多くダメダメな私ですが、運だけはとても良いのが取りえです!
これまでで“一番しんどかった時期とその乗り越え方”
新卒採用から3年間が、とてもつらかったです。
大学は理学系で、入庁当初は農業も経営も知識が全くありませんでした。そんな中、農業者へ経営改善指導をする担当に配属。農業者の方がよく現場を知っていて、自分は名ばかりの支援者。当然、経営改善の支援などできるわけもなく、無力感にさいなまれ、仕事に行くのが怖くて仕方ありませんでした。
当時は正直、転職を考えたこともありました。でも、まずは“部署を変えて別の経験を積んでみよう”と思い、異動希望を出しました。
2回目の異動で研究所に配属され、田んぼで稲をつくる仕事に携わりました。そこで知識も経験も増えたことで、気がついた時には、それまでの無力感や恐怖感を克服できていました。
今、直面している“壁”や“悩み”は?
経験を積むにつれ、プレイヤーからマネジメントをする側に変わってきました。自分自身はプレイヤーの仕事が大好きなので、その機会が減っていくことに寂しさとつまらなさを感じています。自分の得意なことを活かせず、年齢を重ねてしまうことへの焦りもあります。
“そこに固執せず、マネジメント能力の向上に全振りすべきだ”と頭では理解しながらも、なかなか気持ちがついていかないのが悩み。中間管理職としての自分には、まだ全然自信が持てません。“もっとこうすればよかったかな”など反省を繰り返す毎日です。
全国で日々頑張る“すごい公務員 予備軍”の皆さんへエールを!
頑張る人には必ず素晴らしい出会いがあると信じています。出会いによって、1人ではできないことも、可能になるチャンスが広がります。ご縁を大切にし、感謝の気持ちをもって、前に進んでいきたいですね!
すごい公務員に選ばれた油谷さんの、親近感がわく“すごくない素顔”はいかがでしたか?
油谷さんが受賞した取り組みの全容や奮闘、葛藤の軌跡を知りたい方には、地方公務員アワードを主催する加藤 年紀さんが筆を執った一冊がオススメ!公務員アワード2025受賞者14人への取材をもとに、公務員としての“仕事”と“人生”を描いたルポルタージュ「幸せに生きるための公務員の『生存戦略』(公職研)」。ぜひ本記事と併せてチェックしてください。












