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「幸せに生きるための公務員の“生存戦略”」現場を学べる一冊 【番外編】

自治体現場のリアルを伝える一冊を、著者自身の言葉でひもとくセルフレビューコーナー。今回は、「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」を主催する加藤 年紀さんの著書を取り上げ、番外編としてお届けします。地方公務員アワードの始まりは2017年。今年で10回目を迎える節目に、2025年の受賞者14人へのインタビューをまとめた一冊が出版されました。本書が届けるのは、一人ひとりの葛藤や挑戦、そして幸福との向き合い方。仕事の成果だけでなく、その裏側にある悩みや選択にも丁寧に光を当てた内容で、これからのキャリアや生き方に新たな視点とヒントを与えてくれます。
※記事の掲載情報は公開日時点のものです。
【著者プロフィール】

加藤 年紀(かとう としき)さん
株式会社ホルグ 代表取締役。株式会社LIFULLインドネシア子会社COO/取締役(2012~2016年)を経て、株式会社ホルグを設立。「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」「地方公務員オンラインサロン」などを運営。三芳町魅力あるまちづくり戦略会議政策アドバイザー、生駒市人事制度担当官、境町人事戦略アドバイザー、富山県成長戦略会議 県庁オープン化戦略WG委員などを歴任。著書に「なぜ、彼らはお役所仕事を変えられたのか?」(学陽書房/咢堂ブックオブザイヤー2019受賞)。
「公務員は幸せに働けているのか?」と感じるようになった
これまで二つの自治体の人事改革担当に、地方公務員の立場で関わらせていただきました。その際に、公務員の仕事の現場は、以前よりかなり厳しいものになっているように思いました。実際に自治体内部や周囲の公務員にヒアリングをしてみると、仕事の量は増えるが人員は不足しているという声がありました。また、表立っては言いづらいが本音の部分では、“人員の質”についても不安を覚えることがあるという話も多くありました。
結果として、役所では若手や、転職先が見つかるような、辞められる人から辞めていく傾向があります。その背景の中、役所の中で奮闘しながら自らのやりたいことを実現してきた人は、どのような決断のもと仕事に向き合い、どのような幸福感のもとに生きているのかを書かせていただくことになりました。
どのようなキャリアを歩むべきか、どのような考えのもと幸福を手にしていけるのか、そういった悩みを持つ方にご覧いただきたいと思っています。
公務員の生き方や幸せに、生々しくフォーカス
書籍は“30歳以下の若手”“組織のはざまで揺れる中堅”“自治体で不足している専門職”“酸いも甘いも知る管理職世代”の四つにグループ分けされた14人のルポルタージュを読み進めていくことが可能です。
若手は同じ若手から、仕事術や考え方を学ぶことができるのと同時に、管理職世代の考えにも触れることができます。一方で、管理職世代は、同じ管理職の奮闘や葛藤を読み進めるとともに、若手の率直な考えや思いを知ることができます。ここで紹介する「地方公務員アワード2025」を受賞した14人の歴史を通じて、公務員の生き方、幸せへの向き合い方のヒントになればうれしいです。
この本で意識して描いているのは、公務員一人ひとりの心の動きです。行政施策の好事例集のようなものは調べると数多く出てきますが、その事例の裏には、必ず奮闘する公務員が存在します。しかし、一人ひとりの具体的な考えや失敗が語られている場所はほとんどありません。
14人の皆さんには、事例の裏にあった行動や選択、さらにはご家族の離婚や休職をはじめとして、赤裸々なお話もたくさんしていただきました。表には出せないということで残念ながらカットになってしまったお話もありますが、それでもここまで等身大の公務員を描いた書籍は珍しいのではないかと思います。
公務員は住民を不幸から守る、あるいは幸福にしていくという価値ある仕事ですが、まずは公務員自身が幸福でないと、その実現も遠のくのではないでしょうか。地方公務員の労働環境が厳しくなるからこそ、地方公務員が幸福になることが求められるタイミングではないかと感じています。
加えて、2024年までの受賞者のうち77人から、アンケートに回答していただきました。“今の仕事が楽しいか”“転職・退職しているか”“仕事の失敗”“もっともつらかったこと”“幸せの秘訣”など、約20問の生々しい質問があります。「地方公務員アワードを受賞してよかったですか?」という質問では、1人が「いいえ」と回答されていたりと、皆さん本音で回答してくださっています。
地方公務員アワードは今年10年目の開催となり、すでに受賞者の皆さんに大きな変化があります。その現状と考えも、14人のルポルタージュと同様に、地方公務員が幸せに生きるためのヒントになるのではないかと思っています。
公務員の仕事は大幅に削減される、でも地方公務員には幸せになるアドバンテージがある
書籍の最後に触れていますが、地方公務員という仕事は、これまでの幸福の研究に照らしても非常に恵まれた立ち位置にあります。その立場を活かして、皆さんそれぞれの望む未来を切り開いていただけるとうれしいです。
人を幸せにするにはまず自分から。公務員は自分より周囲を優先してしまいがちですが、時には自らの幸せを追求してみるのはどうでしょうか。まず自分の心を整えることのほうが、長期的には周囲にプラスの影響を与えることもあるからです。
生成AIが進化していくと、公務員だけでなく、世の中から多くの事務仕事が失われていきます。
その時にどのような人が幸せでいられるのでしょうか。その準備は誰にとっても必要なのではないかと思います。
CHECK!
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