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【ジチタイのアイデア帳 #01 前編】属人化や決裁の壁を越えたインスタハック!

【ジチタイのアイデア帳】とは?全国の自治体には、大きな予算をかけなくても、職員のアイデアや工夫で課題を乗り越えている取り組みがあります。
“そんな方法があったのか!”“うちでも真似できそう!”……そのような工夫が生まれたきっかけや、現場ならではのアイデアを紹介する企画です。
初回は、三重県南伊勢町のInstagram(インスタグラム、以下インスタ)運用チームを取り上げます。
人口を上まわるほどのフォロワー(ファン)を集めたアイデアをのぞいてみましょう。
※記事の掲載情報は公開日時点のものです。

三重県南伊勢町(みなみいせちょう)
まちづくり推進課
森本 富由季(もりもと ふゆき)さん
高齢者支援課
中村 一裕(なかむら かずひろ)さん
【基礎知識】南伊勢町とは?


南伊勢町のゆるキャラ たいみー
南伊勢町は、町域の約6割が伊勢志摩国立公園に指定された自然豊かなまちなんだみ~。特産品は甘くてコクのあるみかんと、県内トップの漁獲量を誇る海鮮類。マグロやマダイの養殖も盛んなんだみ~!
――インスタの運用を本格的に始めたきっかけと、当時の課題とは?
森本:公式アカウント自体は存在していましたが、担当課が忙しく、インスタの運用まで手がまわっていない状態でした。
本格稼働したのは6年前です。当時のまちづくり推進課長から「情報発信をなんとかできないか」と声をかけられたのがきっかけですね。予算はなかったので、職員の“やる気”だけでなんとかなるツールとして、インスタなら可能性があると考えたんです。
――なぜ、公募型の有志チームに?
森本:“各課から1人ずつ指名”や特定の職員に声をかける“一本釣り”といった方法だと、どうしてもやらされ感が出てしまい、続かないと思いました。そこで、課長会議にて周知したあと、庁内インフォメーションで全職員に向けて、参加したい人を募集。年齢や部署に関係なく、広報に関わりたい職員が集まりました。これが属人化を防ぎ、長く続けるためのポイントになったと思います。
――続けるために大切にしていることは?
中村:投稿を“作品”と思うことです。内容的に間違いがなければ、なるべく訂正しません。メンバーの気持ちを尊重し、自由な発想で投稿できるようにしています。
森本:手を挙げたとはいえ、本業がおろそかになってはいけませんし、強制にしたくありません。ですから年に1回、“チームを卒業したい人”がいないか確認しています。楽しくやるために、“無理強い”をしないこともポイントですね。

地域には、役場の職員だけでは拾いきれない情報も。そこで、職場の有志チームに加えて、病院(地域のメディカルセンター)や保育所、子育て支援センターなどが参加するサブグループを設けているのだそう。
――サブグループとは、どのような仕組みですか?
森本:サブグループごとに「LINE(以下、ライン)」のグループトークがあり、文章や写真をそのノート機能を使って上げてもらっています。担当職員が内容を確認し、有志チームに転送します。チーム内で再度確認してから投稿します。
――サブグループを含めた情報発信により起きた変化とは?
中村:たとえば保育所が子どもたちの様子を発信すると、“うちの子が載っている!”“かわいいね!”と喜んでもらえるようになりました。
町のおじいさん、おばあさんの様子を掲載したときには、町外で暮らすお孫さんから“うちのじいちゃんです”、“おばあちゃんがお世話になっています”とDMやコメントが来たこともあるんですよ。そこからお孫さんの同級生間でもシェアされました。SNSを通じて人と人とのつながりを感じられたのがうれしかったですね。

【サブグループメンバーの声】
南島メディカルセンター 西世古(にしぜこ)さん
インスタを見てセンターに足を運んでくださる方が増え、“見たよ!”と声をかけられる機会も増えました。狙って投稿したものより、何げなく発信した投稿の反応が良いことも多いですね。そんな予想外の反応もSNSの面白さだと感じています。
情報の“旬”が大切なSNSでは、決裁のスピードも課題の一つ。そこでラインの“いいね”を承認に使う独自ルールを取り入れたそうです。

――ラインの“いいね決裁”はどんな仕組みですか?
森本: 情報は、生もの。課長のハンコをもらうために何日もかけていては、旬を逃します。そこで、ライングループの“いいね機能”を決裁代わりにしました。グループ内には課長もいますが、課長の“いいね”がなくても、メンバー3人が“いいね”を押したら投稿可能としている点もポイント(※)です。
※インスタの「ストーリー」投稿の場合はメンバー2人の“いいね”が必要
――リスク管理では、何に気をつけていますか?
中村:投稿用のルールを決めています。個人情報が写っていないか、車のナンバーやパソコンの画面が写り込んでいないかなどを確認します。民間事業者を紹介する場合は、特定の事業者の宣伝に偏らないよう、公平性にも配慮を。写真や文章を見た人が不快に感じないかという視点も大切ですね。

――ラインの“いいね決裁”はどんな仕組みですか?
森本: 情報は、生もの。課長のハンコをもらうために何日もかけていては、旬を逃します。そこで、ライングループの“いいね機能”を決裁代わりにしました。グループ内には課長もいますが、課長の“いいね”がなくても、メンバー3人が“いいね”を押したら投稿可能としている点もポイント(※)です。
※インスタの「ストーリー」投稿の場合はメンバー2人の“いいね”が必要
――リスク管理では、何に気をつけていますか?
中村:投稿用のルールを決めています。個人情報が写っていないか、車のナンバーやパソコンの画面が写り込んでいないかなどを確認します。民間事業者を紹介する場合は、特定の事業者の宣伝に偏らないよう、公平性にも配慮を。写真や文章を見た人が不快に感じないかという視点も大切ですね。
――他自治体が導入するなら、何を決めておくべきですか?
森本:私たちの投稿時間を見ている人がいて、早朝や夜間だと“こんな時間まで働いているの?”と心配されることがありました。
他自治体で始める場合も、“何時から何時まで投稿するか”“何人の承認で投稿できるか”という基本ルールを最初に決めておくと運用しやすいと思います。
目指すのは、“映える投稿”よりも“南伊勢町らしさ”が伝わる発信。投稿後の反応を見ながら改善を重ね、町外の自治体やクリエイターとの交流からも、新しい発信のヒントを得ているそうです。
――どんな発信を大切にしていますか?
森本:“南伊勢町のファンを増やす”ことを目標として投稿しています。“映え”を意識するより、ありのままの南伊勢町を発信する。絶景や美しい映像だけでなく、晴れでも曇りでも、いつもの日常をありのままに見せる。そうすると“故郷の風景を見ているようで落ち着く”といった、温かいコメントが届くんです。

――投稿後の反応も分析しているそうですね。
中村:インサイト(統計情報)を確認するのが朝の日課になりました。変化があればグループで情報共有しています。分析すればするほど面白くなってきて、仕組みに詳しくなりました。
最近はスキップ率や視聴完了率、リーチ数、シェア率などを見ています。県内自治体のフォロワー数もチェックしていて、南伊勢町が他自治体のフォロワー数を上まわるたびに、その自治体を地図上で塗っていく“マッピング”もしています。反応の数値が伸びると純粋にうれしいですし、モチベーションにもなります。

――町外との交流は、どのように広がっていったのでしょうか?
中村:初めての交流は三重県名張市でした。DMを送り、オンラインで課題や運用方法などの意見交換会を実施しました。
そこから志摩市や菰野町観光協会、そしてクリエイターさんとのつながりが広がっていきました。この外部とのつながりが、私たちの発信力を支える大きな力です。
ジチタイのアイデア帳|今回のおさらい
アイデア1 指名制ではなく、“やりたい人”を募る
アイデア2 役場だけで抱えず、地域の現場も巻き込んで発信
アイデア3 決裁方法を工夫して、情報の“旬”を逃さない
アイデア4 “らしさ”を大切に、数値分析と外部視点で発信を磨く
南伊勢町の発信が広がる中で生まれたのが、地域を愛するクリエイターとのつながりでした。一通のDMから始まった関係は、今では新しい企画を一緒に考えるまでに。
後編では【自治体×地元クリエイター】の発信の裏側を紹介します。
\ コラボ仲間を募集中! /
南伊勢町インスタチームでは、自治体や地域の団体、クリエイターなどとのコラボも歓迎しているそうです。“取り組みについて詳しく知りたい”“一緒に何かできるかも”と思った人は、下記へ問い合わせを。
【ジチタイのアイデア帳】では大きな予算をかけずとも、職員のアイデアや工夫で課題を乗り越えた取り組みを募集しています。“他の自治体に知ってほしい”というアイデアがあれば、ぜひ教えてください。
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