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実証で相続人調査の時間を8割削減、経験に左右されにくい業務へ

令和6年に始まった相続登記の義務化。自治体では、所有者不明土地の解消や納税義務者の特定が急務となる一方、膨大な時間と専門知識を要する相続人調査が、現場の大きな負担になっている。こうした課題の解消を支援するのが「サムポローニア」の相続人調査支援システム「AI相続ミツローくん」。AI-OCRで戸籍を読み取り、記載内容を解析・データ化した上で、相関図の作成や法定相続人の判定、相続分の計算などを自動化するシステムだ。令和7年9月の取材記事では同社と福島県郡山市の実証事業の開始について取り上げた。その検証結果がまとまり、平均作業時間を約8割削減(※)する成果が明らかになったという。
なぜ、これほどの効率化が可能だったのか。同社の小栗さんに、改めて話を聞いた。実証の成果や現場の声、ニーズを反映して進化を続けるシステムの現在に迫る。
※令和7年9月~令和8年3月実証事業 郡山市調べ
※記事の掲載情報は公開日時点のものです。
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株式会社サムポローニア
相続DX事業本部
小栗 謙一(おぐり けんいち)さん
高度な専門業務にこそ、脱・属人化の仕組みが必要
少子高齢化の進行に伴い、自治体における相続人調査の負担は年々増している。固定資産税の納税義務者特定、空き家対策、生活保護における扶養義務者調査、用地取得など、戸籍を読み解き、相続関係を整理する業務は多岐にわたる。

しかし、戸籍の解読や複雑な相続判定には、高度な専門知識が求められる。そのため現場では経験豊富な一部の職員に業務が集中し、属人化しやすいという課題を抱えてきた。
こうした背景から行われた郡山市との実証事業では、作業時間の大幅な短縮に加え、業務の標準化や属人化の解消といった変化も見られた。
「職員数が減る一方で、死亡者数が増え続けています。このままでは、いずれ現場がパンクすることは目に見えています。だからこそ今のうちに、誰が担当になっても業務をまわせる仕組みを整えておく必要があります」。
平均60分の作業時間が10分に。職員は“つくる”から“確認する”側へ
共同実証では、職員が手作業で行っていた相関図の作成時間が、1件当たり平均60分から10分へと短縮。実証前には20分程度への短縮を見込んでいたが、実際にはその予測を上まわる結果に。郡山市によると、一連の作業にかかる時間の削減率は約83%に上ったという。
もう一つの成果は、相続人調査の経験が少ない職員でも、業務を進めやすくなった点だろう。実際に同市では、配属されたばかりの職員が相続人調査に対応できるようになったそうだ。
こうした成果を支えているのが、AI-OCRによる戸籍情報のデータ化と、同社が実務を通じて培ってきたノウハウ。これらを戸籍解析の仕組みに組み込むことで、相続人調査の効率化を支援。読み取った戸籍情報から、法定相続のルールに基づく相関図の作成や、持分割合の計算までをワンストップで行う仕組みが、人的ミスの防止や職員の心理的負担軽減につながっている。
実際に利用した職員からは、「相続関係の全体像が視覚的に把握しやすい」といった声が寄せられた。特に自動で作成される相関図の精度を評価する声が多かったという。
「納税義務者の特定を間違えれば、謝罪や還付など、多くのリカバリー業務が発生します。職員が感じるプレッシャーは相当なものでしょう。私たちが提案しているのは、まずシステムが7~8割程度のたたき台をつくり、職員はその内容を確認する側にまわる業務フローです。この転換が、ミスの防止とストレス軽減につながり、時間短縮以上の価値を生んでいるのだと思います。こうした実証結果を受け、令和8年度からは、岐阜県大垣市など、全国12自治体で正式導入が決定しました(※)」。
※令和8年6月 サムポローニア調べ

LGWAN対応から縦書き戸籍まで、課題に応える機能を拡充
同システムは、郡山市での実証や導入自治体から寄せられた声を受け、機能拡充が進められている。その一つが、LGWAN-ASP(※)への対応だ。
※LGWAN-ASP=総合行政ネットワークを介して、自治体向けに各種行政事務サービスを提供する仕組み
従来の“オンプレミス環境で利用できるスタンドアロン型”では、専用端末の設置場所が限られることなどから、他部署との連携に課題があった。LGWANを通じて利用できるようになったことで、庁内のさまざまな部署からアクセスしやすくなり、相続人調査のデータを共有・活用しやすい環境が整ったという。例えば、税務部門で調査したデータを空き家対策部門でも活用するなど、部署をまたいだ利用が期待されている。
また、自治体の規模や利用目的に合わせて導入しやすいよう、必要な機能を絞った「ライトプラン」と、主要機能を幅広く利用できる「フルプラン」を用意。予算や業務量に応じて導入を検討可能だ。縦書きの“タイプ打ち戸籍”についても、令和9年度の製品アップデートに向けて、解析機能の開発を進めているという。
「すべての文字を判読するのではなく、相続人を特定するために、実務上どの項目を押さえる必要があるのか。その知見を独自の解析ロジックとして組み込んでいます。AI-OCRの技術だけでなく、実務の中で蓄積してきたノウハウが、私たちの強みです。導入自治体からは、被相続人を切り替えてシミュレーションしたいといった要望も寄せられています。今後も自治体業務や運用方法に寄り添いながら、システムの改良を続けていきます」。

期間限定!最新版システムを実務環境でトライアル可能
自治体における相続人調査業務は、今後さらに増加することが予想される。
「私たちの目的は、自治体が抱える課題の改善を支援すること。相続人調査を迅速に進められるようになれば、職員の皆さんにも余力が生まれ、空き家問題の解消など、ほかの重要業務にもより取り組みやすくなるのではないでしょうか。 その先にあるのは、住民の安心・安全な生活。私たちがしっかり伴走しますので、相続人調査業務に限界を感じておられましたら、まずはシステムに触れていただきたいです」と、小栗さんは力を込める。
同社では、システムのトライアルについて期間限定で無償対応している(令和8年9月まで)。
“複雑な相続関係でも対応できるのだろうか?”……そんな疑問を持つ自治体こそ、これまで対応に苦労した事案を使ってトライアルを。実務を想定した環境で、作業時間や操作性、相関図の精度などを確認することで、活用イメージを具体的に描くことができるはずだ。
お問い合わせ
サービス提供元株式会社サムポローニア
東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル4F
E-mail:info@sumpaulo.jp
TEL:03-6262-1905












