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帳票作成のツールを統一して全庁的な工数・コスト削減へ。

直感的な操作で設計から出力まで可能な帳票作成ツール
自治体では、通知書や督促状など、様々な種類の“帳票”を用いている。各課バラバラの帳票作成方法に課題を感じていた久留米市は、共通で使えるツールを導入。職員が効率よく内製できる環境整備に乗り出した。
※下記はジチタイワークスVol.44(2026年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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久留米市
総務部 情報政策課
課長補佐 小栁 謙二(こやなぎ けんじ)さん

久留米市
総務部 情報政策課
大野 誠(おおの まこと)さん
標準化でカバーできない帳票作成を全庁的に改善しようと内製化を検討。
同市では、住民向けの通知書を中心に帳票作成の見直しを進めていた。帳票とは、通知書のほか帳簿や伝票など、一定のフォーマットが存在する書類のことだ。作成を各課に委ねていたため、バラバラで非効率な方法や、属人化に懸念があったという。小栁さんは「これまでは原課の職員がExcelやWordで作成するケースが多かったです。しかし、データの処理に時間がかかったり、レイアウトの微調整が必要になったりと大変でした。Accessは使用できる職員が限られているため属人化につながっていました」と振り返る。
通知書作成では、住民基本台帳から該当するデータを抽出し、記載項目を精査する。大量かつ機微なデータを取り扱うため、ベンダーに依頼をするのが通常の流れだ。しかし、標準化の影響でベンダーのリソース確保が難しくなったため、代替サービスを探すことに。「標準化により共通業務の帳票は統一される方針でしたが、自治体が独自に運用してきたものも多く、全てをカバーすることは難しい状況でした」と大野さん。ベンダーに頼らなくても、職員が帳票をつくれる方法を探す中で「パピレスレポーツ」を知った。令和6年7月、庁内のデジタルツール体験会を経て、翌年6月から情報政策課で導入することになったそうだ。

直感的な操作感や実務的な機能のほか行政事務標準文字の対応も後押しに。
プログラミング不要で帳票のレイアウトの設計、データ作成、出力ができる同ツール。住民基本台帳から抽出したCSVデータをもとに、直感的な操作で帳票をつくれる。「入れたい要素をドラッグアンドドロップで配置できるなど、使い勝手がよいですね。簡単な帳票なら約30分で完成します」。従来のExcelやWordではレイアウトの微調整のために、何度も印刷をやり直していたそうだ。また、払込票の収納用バーコードや、電子申請フォームの案内用に掲載する二次元コードなどの生成・配置もシステム上で完結する。
特に評価しているポイントが、行政事務標準文字に対応していることだ。外字を作成する工数や管理コストが不要になるため、自治体にとって価値がある機能だと小栁さんは力を込める。「当市には外字が含まれる地名も多数あります。人名や地名の文字の置き換えが不要になるのはありがたいですね」。
同市では督促状や給付金の通知などで活用を想定している。システム構築から始める場合、データの抽出・帳票作成・印刷と段階的に進めるため約1カ月かかるが、内製化すると約1週間で完成する。帳票作成にかかる時間を短縮し、住民に必要な情報をスピーディに届けることを目指しているそうだ。

原課のシステム担当とともに全庁展開に向け準備を進める。
全庁への展開は次年度の予定だ。令和8年3月時点では、同課と原課のシステム担当との間で必要な帳票の仕様を確認し、実用化に向けて試作を重ねている。「原課のシステム担当も“これなら一般職員でもつくれそう”と手応えを感じています。内製化しても職員の負担を増やさず、むしろ業者選定の工数削減につながりそうです」と大野さん。
内製化による創意工夫で、従来は封書で送っていた通知書を圧着はがきに印刷できることが分かった。この切り替えによって、郵送費や封入作業の削減を模索していく。今回の取り組みは、市からのお知らせのあり方を考えるきっかけにもなったという。「今後は、伝えたい内容を全て書面に詰め込む必要はないのかもしれません。詳細は二次元コードからWEB上で確認してもらい、電子申請に誘導する方が、若い世代には有効だと思っています」。伝えたいポイントを絞ることで、情報伝達の効率化を見込んでいる。「同ツールが他自治体にも広がると、帳票のレイアウト共有や情報交換ができると思います。今後も、よりよい使い方を見つけていきたいです」と話してくれた。
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