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庁内に散在している人事データをまとめ、新たな施策の可能性を広げる。

様々な人事データを一元管理できる人材管理システム
秋田県では人事データが複数ファイルに散在し、必要な情報をその都度探して集約していた。そこで情報の整理に着手し、一元管理の仕組みを整えたことで業務が効率化。新たな人事施策の展開にもつながったそうだ。
※下記はジチタイワークスVol.44(2026年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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秋田県
総務部 人事課
調整・人事チーム
主任 岩出 翔太(いわで しょうた)さん

秋田県
総務部 人事課
調整・人事チーム
主任 齊藤 零(さいとう れい)さん
人事情報がまとまっておらず検索や加工に大きな手間がかかる。
同県の人事システムでは、管理項目が職員番号や氏名といった基礎情報と、異動履歴などの基本的な項目に限定されていた。人事評価はシステムでの運用が想定されておらず、毎回、各所属でExcelなどを用いて評価情報を取りまとめ、人事課が回収・管理せざるを得ない状況だったという。その結果、データが散在し、人事施策を検討するたびに膨大な整理や加工が必要となっていた。
「職員番号をもとに、システムの基本情報と、別ファイルにある評価情報などを毎回ひも付けて整理していました。また、異動の際は“育休の取得状況”や“親族同士の配置”といった細かな条件も配慮する必要があり、散在する情報を集約し活用するまでに、多くの労力と時間を費やしていました」と岩出さん。齊藤さんは、「どこに目的のファイルが保存されているのか分からないことも多く、パソコン上で複数のウィンドウを開きながら探しまわる状態でした」と振り返る。
業務効率化の重要性は認識されていたが、人事施策の拡充に伴い扱うデータは増えつづけ、整理が追いつかない状態に陥っていた。そこで同県では管理の一元化を目指し、人事に特化したシステムの導入を検討。プロポーザルを実施して採用したのが「プラスアルファ・コンサルティング」が提供する人材管理システム「タレントパレット」だった。
データを個人ごとに集約しておくとその後の修正や追加もラクになる。
同システムは、職員の経歴や資格、勤怠、人事評価などを一元管理し、人材データを“見える化”するものだ。現場ニーズを反映し、7,200以上の機能を備える拡張性の高さも強みとなっている。「企画提案において、価格と機能のバランスが当県の理想に最も近かったことが決め手になりました。また、運用方法の要望を伝えたところ、追加費用がかからず標準パッケージ内で対応可能と聞き、その柔軟性にも魅力を感じました」。
導入決定後は、散在するデータを取り込むため、情報の整理から始めた。「基礎情報や人事評価、異動希望など、別々に管理していた情報を職員ごとに整理しました」。地道な作業ではあったが、CSV形式にすれば一括で取り込める機能が備わっていたため、効率的に進められたという。
こうして、システム上でデータを一元管理できる環境が整った。「一度きちんと整理しておけば、変更や追加があってもシステム上で完結できます。複数のファイルを修正する必要がないので、作業負担が大きく減りました」。

人事評価や庁内公募を行う際もシステム内で完結するように。
令和6年度の運用開始から約2年、様々な人事施策で活用している。人事評価や異動希望、研修の受講など全職員が定期的にシステムを利用する体制が整ってきたという。「例えば人事評価に関しては、職員の入力から上長の承認、人事課への提出までをワークフロー化しています。以前の運用と違い、誰が提出したかなどの進捗も含めて一元管理できています」と齊藤さん。
さらに同県では、勤務時間の最大20%を他部署の業務に充てられる「庁内マルチワーク制度」にも同システムを活用している。これは若手職員からの提案にもとづいた、働きがいを高めるための施策だ。募集部署が業務内容や求める人材像を登録し、興味をもった職員が自ら応募。「募集からマッチングまでシステム内で完結するため、書類の作成や人事課による受付・審査といった手間がかかりません」。また、公募内容や参加者を把握できるため、運用状況を確認しやすい点もメリットだそうだ。
同制度での参加実績は、人事評価とも連携している。「職員は“所属外の業務で頑張ったこと”を自己評価に反映でき、上司もその挑戦を適切に評価できます。職員にとって、やりがいにつながっているのではないでしょうか」。

ノーコードで直感的に操作でき人事施策の変更を柔軟に反映。
人事情報を一元的に管理できるようになったことで、業務負担が大きく軽減した。「職員の情報にアクセスしたいとき、職員番号を入力するだけで必要な情報を確認できるようになり、非常に便利になりました」。
同システムはノーコードツールで、デジタル系の専門知識がない担当者でも操作しやすい点も強みの一つだ。「以前のデータベースは設定が複雑で、作業するには一定の知識が必要でした。今は専門知識がなくても編集や加工ができるので、人事施策の変更をタイムリーに反映できます」と岩出さん。
同システムの構築にあたっては、デジタルに苦手意識がある職員に配慮し、入力項目を選択式にするなど、操作しやすい画面を心がけた。その結果、現場からの問い合わせは想定より少なく、庁内に無理なく浸透しているという。
システムの定着により、全庁的な業務負担も軽減している。齊藤さんは「現場からは“提出の取りまとめ工程が減ってラクになった”という声が寄せられていますし、当課でも各部署からのデータ到着を待たずに作業を始めることができるので助かっています」と笑顔を見せる。データ活用を軸とした人事DXの推進は、同県の組織づくりをさらに加速させていきそうだ。
今後はAI機能も活用しながら職場環境をさらによくしたい。
多機能なシステムを使いこなすのは、難しそうだと感じるかもしれない。しかし同県では、“人事を変えなければいけない”との問題意識が強く、“機能が多いからこそ、できることも幅広い”と、期待も込めて推進の第一歩を踏み出したという。その取り組みを支えたのが、充実した同社のサポート体制だ。
導入後は専任のコンシェルジュが伴走し、活用方法について相談ができる。「新たな制度を始める際にも、豊富な機能の中からベストな選択肢を提案してくれるので心強いです」。実際、庁内マルチワーク制度も同システムの存在が実現を後押ししたという。導入当初はシステムを活用することは想定していなかったが、相談を通じて対応可能だと分かり、スムーズな運用開始に至った。
人材不足が進む中、育成やキャリア形成の重要性が増している。そのため今後は、“異動シミュレーション”やAIによる“最適配置”といった機能の活用も検討中だという。従来の感覚的な判断も大切にしつつ、客観的なデータにもとづく人材配置も進めていく考えだ。「若手やUターン人材を活かしつつ、既存の職員もやりがいをもって働ける環境をつくっていきたいです」と岩出さん。齊藤さんも「個人の力を最大化することが組織の力につながると実感しています。全員の希望をかなえるのは難しくとも、何が最適かを考えながら、制度設計を進めていきたいです」と語ってくれた。

データ活用による人事業務の最適化を支援
官公庁におけるさらなる人事業務の効率化、および人事戦略の推進を支援するため、同社では“タレントパレット ガバメントエディション”をリリース。データによるアプローチで、属人化からの脱却や、やりがい創出を支援している。



※ISMAP-LIU=ISMAP for Low-Impact Use(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度の一つ)

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