山口県長門市

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LINEだけで完結する施設予約で、住民の不便を減らしていく。

情報政策
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LINEだけで完結する施設予約で、住民の不便を減らしていく。

AIでスピーディに手続きを開発できるスマホ市役所

住民への情報発信や各種申請のデジタル化は今や不可欠だが、予算や人的リソースにも限りがある。長門市はこの課題にLINEの採用と申請機能の内製で向き合い、今後はAIも活用しながら行政DXを進めていくという。

※下記はジチタイワークスVol.44(2026年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

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長門市
総合政策部 デジタル戦略課
主任 福村 真惟(ふくむら まさよし)さん

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長門市
総合政策部 デジタル戦略課
デジタル推進専門員
前田 紗耶(まえだ さや)さん


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長門市
総合政策部 デジタル戦略課
デジタル推進専門員
杉原 優香(すぎはら ゆか)さん

双方向コミュニケーションが可能なデジタルツールとして、LINEを選定。

同市がLINE上に“スマホ市役所”を開設したのは令和5年10月。きっかけは住民とのコミュニケーション向上だったと福村さんは振り返る。「広報紙やホームページでの情報発信は一方通行になりがちです。住民が本当に必要としている行政サービスを知りたいという気持ちがありました」。

この課題の解決を目指し、ツールの導入を検討。候補として浮上したのが「ボットエクスプレス」が提供する「ガブテックエクスプレス」だった。行政手続きをLINE上に実装できる同システムは、住民との双方向のやりとりが可能。また、LINEユーザーならダウンロードの手間がなくスムーズな利用拡大が見込めること、手続きの機能開発を職員自身が内製できることも魅力だったという。

導入が決定し、内製を進めるにあたって開発・運用の専門員として任命された杉原さんは、「IT職の経験はないので、最初は大丈夫だろうかと戸惑いましたが、同社のサポートを受け、学びながら構築していきました」と語る。また、同じく専門員の前田さんは「ごみ収集の通知や道路の不具合通報など、テンプレートがあって難易度の低いものから順に開発していきました」と付け加える。こうして順調に機能を追加しつつ、LINE上でのプレミアム付き商品券の販売といった企画を打ち出し、友だち登録者数を増やしていった。

住民の負担を減らしたいという熱意が、施設予約に大きな変化を生んだ。

同市が令和7年に挑戦したのが、市内に複数ある体育施設の予約機能構築だ。従来の予約方法は、電話か窓口訪問で空き状況を確認し、申請書に記入して窓口に提出するという方法だった。「利用時は地域交流プラザ(公民館)に鍵を受け取りに行き、利用後に返却。日誌に利用報告を記入し、現金で精算という手順でした。それをLINE予約とスマートロック、電子決済に変え、住民の負担を軽減しようと考えたのです」と福村さん。

しかし、体育施設の中には卓球場やホールなど多様な区分があり、料金もそれぞれ異なる。さらに半面予約といった設定も必要で、システムに落とし込むのが簡単ではないのだという。専門員の2人は試行錯誤を繰り返しながら開発を進め、令和7年9月から、施設の利用頻度が高い一部の住民に限定して試用を開始。安定性を確認した上で、令和8年2月に27施設の予約機能を正式リリースした。

住民の満足度は89%にのぼり、職員の集計作業もラクに。

「試用期間中にも、“この体育館への導入はいつか”という声が届き、期待を感じました。LINEだけで予約から利用報告までが完結するため、住民の利便性は上がったと思います。施設側からも“新しい利用者が増えた”という声が届いています」。さらに、当初の課題だった“双方向コミュニケーション”に向け、施設利用者のLINEにアンケートを配信。その結果、満足度は約89%にのぼり、便利さへの評価など、複数の声が寄せられているそうだ。

スマホ市役所の開設から2年が経過し、友だち登録者数は人口の約半分に増加。「職員側の負担軽減にも寄与しています。例えば施設予約では、1施設当たり数時間かけていた利用者数や料金などの月締め作業が大きく縮減しました」。また、これまでの歩みには同社のサポート体制も貢献していると杉原さん。「セミナーやユーザーチャットなどが充実しているので助かっています。システムのアップデートでどんどん使いやすくなるのもありがたいですね」。

AIの開発スピードを追い風に、手続きのオンライン化を加速。

そのアップデートの一つが、令和8年1月にリリースされた“機能開発AI”だ。職員がプロンプトで指示を出すだけで、ゼロから機能をつくることができる。実際にAIを使ってみた前田さんと杉原さんは、「半日程度かかっていた施設予約機能の開発が、5分ほどで完了して驚きました。この早さは心強いです」と評価する。福村さんも「担当課に手続きのLINE化を提案するとき、すぐにサンプルをつくれます」と期待を語る。

LINE活用のメリットを引き出し、さらに拡大を目指す同市の取り組み。ここまでの成果について「小さなことでも、目に見える成果があれば次の取り組みにつながります。オンライン化は、住民だけでなく職員にもプラスの効果を生むものなので、やりがいがある。これからもコツコツと成果を積み上げていきたいです」と笑顔で語ってくれた。AIの力も加わり、その動きはさらに加速していくことだろう。



職員による開発は“システムの設定”から“AIへの説明”へ

ガブテックエクスプレスでは、令和8年1月から職員が機能の開発を行う際に、“機能開発AI”を利用できるようになったという。長門市の3人に、実際にAIを使って機能を開発してもらった。

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従来は手間がかかっていた

27カ所の体育施設を一つずつ設定するのは時間がかかりました。LINE上で意図した動きにならないときは、その原因究明が必要でした。

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半日作業が約5分に短縮!

1施設当たり半日ほどかかっていた設定が、AIとのチャットで条件を指示するだけで完了。1施設5分ほどで終わったので驚きました!

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条件を補完してくれた

全面/半面の予約が可能な体育館の場合、“半面の予約が入った時間は、全面予約ができないようにしますか?”とAIの方から追加条件を提案してくれたんです。なんて気が利くんだろうと思いました。

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担当課への提案もラクに

AIの活用で機能のサンプル開発も劇的に速くなるので、担当課にどんどん提案できるようになりそうです。活用がさらに進むと思います。


AIの活用で行政がもっと身近になる

職員をラクにするとともに、住民側にもメリットをもたらすAI機能は、様々な自治体で活用中。ここでは住民の不便を軽減し、行政との距離をもっと近付ける機能を紹介。

1. AI総合案内|神奈川県座間市(ざまし)ほか

住民が求める情報をAIが適切にガイドする

手続き名や制度名を知らなくても、“引っ越ししてきた”といったキーワードを入力するだけで、各種サービスが案内される。内容に応じて、LINE上で手続きや予約まで可能。

2. AI Q&A|岡山県浅口市(あさくちし)ほか

ホームページにも設置可能なAIチャットボット

住民がLINEから質問すると、AIチャットボットがホームページ情報をもとに回答と参考URLを返信。LINE上だけでなくホームページ上にも設置できる。

3. 多言語対応|神奈川県厚木市(あつぎし)ほか

多言語でのメッセージ配信で安心を

日本語で作成したメッセージをAIが自動で複数言語に翻訳。住民自身が選んだ言語で受け取れる。日々のごみ分別から災害情報まで、外国籍住民の生活を支える。

4. AI解析|青森県むつ市ほか

災害対応順位をAIが判定し意思決定を迅速に

訓練時に1,000件超えの被害報告があり、集約だけで手一杯に。実災害で迅速な判断が不可能と考え、情報の一元化と、AIによる対応優先順位の一次判定機能を導入。


 システム利用料は定額制 

システムは定額(月額13万円~)で使い放題。機能を追加するたびに予算化する必要がなく、複数部署での調整もスムーズに進めやすい。

 操作感を体験しよう 

スマホ市役所の多彩な機能を、デモアカウント上で実際に触って試すことができる。自治体職員なら誰でも利用可能。


 施設予約セミナーを開催 

令和8年7月2日(木)14:00~15:00
AIを活用した施設予約機能の開発や、自治体事例、セキュリティ体制などを解説。

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