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処分通知のデジタル化で、住民対応のスピードを上げる。

公印を要する処分通知をデジタル化するソリューション
全国で進む行政手続きのデジタル化。住民・自治体双方の負担軽減となるが、アナログ処理が残っていると、そこが効率化の妨げとなる。大分県ではそうしたボトルネックの解消に向け、電子公印の活用を始めたという。
※下記はジチタイワークスVol.44(2026年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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大分県
総務部 デジタル政策課
主事 山口 明日香(やまぐち あすか)さん
デジタル化が進む一方で残されていた5万件の処分通知で発生する手作業。
同県は、行政手続きのデジタル化として令和3年度に電子申請システムを導入。令和6年度末までには、住民や事業者からの“申請”は100%デジタル化を達成したという。しかし、申請手続きがデジタル化された一方で、補助金の交付決定通知や使用許可書など、申請に対しての結果を知らせる“処分通知”の発行は紙のままだった。つまり“出口”の部分がアナログだったと山口さんは振り返る。「通知を印刷して封入し、郵送するといった事務作業が職員の負担になっていました。また、住民側も来庁の必要がある上、通知の受け取りまで時間がかかることも課題でした。現場には改善を求める声も届いていたのです」。
庁内で試算したところ、封入・封かんにかかる時間は1件当たり約15分。しかも対象となる手続きは約700種類、件数にして年間5万件以上の通知が発生しており、これらにかかる時間とコストを削減する方法を検討した。そこで浮上したのが、「GMOグローバルサイン・ホールディングス」の「GMOサイン行革DX電子公印」だったという。
処分通知の発行には公印が必須であり、デジタル化するには電子公印が必要だ。同システムは署名者本人の身元を厳格に証明する当事者型を採用しているため、なりすましや改ざんを防ぎ、従来と同じ法的効力を発揮するという。「処分通知に適したシステムであり、LGWAN環境で使用可能。ISMAP(※)のリストにも登録されていることから、予算を獲得する際の根拠資料になりました」。さらに、同社の電子契約システムをすでに導入していたことも、後押しになったという。こうした理由から、同システムの導入が正式に決定した。
※ISMAP=Information system Security Management and Assessment Program(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)

段階的に導入ステップを踏み全庁へ電子公印を展開する。
電子公印の導入にあたっては、例規の改正も必要になる。この部分は慎重に時間をかけて進めたという。「例規担当の部署と連携し、他県の事例などを参照しました。また、同システムを導入済みの自治体情報を共有してもらったり、法律に関する不明点を同社の弁護士に相談したりして、懸念点を解消していきました」。現場からの様々な疑問点についても問い合わせ、電子公印に関係する用語の説明なども受けながら、理解を深めていった。
令和8年1月、例規を整えた上で、まずは試験運用も兼ねてデジタル政策課でスモールスタート。実務の中で使い勝手などを確認し、有用だという確信を得た上で翌月に全庁へ展開した。「利用促進に向けて、マニュアルも丁寧につくりました。ボリュームが大きくなったので、全体の概要と、システムの操作方法、電子証明書の発行方法という3つに分けてリリースしています」。同時に、職員向けの説明会も実施したところ、すぐに10の部署から“活用を検討したい”と手が挙がったそうだ。
小さな業務改善を積み重ねて大きな効率化につなげる。
同県では電子契約を活用していたこともあり、スムーズに広がっているという。「活用イメージが湧きやすかったのだと思います。特に土木系の部署からの関心が高いと感じています」。ただし、事前の調査や他自治体への確認などには、思いのほか時間がかかったとも語る。「電子公印導入の取り組みは、早めに進めるのがオススメです。判断に迷うこともあるので、事業者と連携して乗り越えるのが近道だと思います」。
同システムが全庁に浸透していけば、1件当たり約15分の作業時間と郵送料110円の削減が期待できる。この効果を高めていきたいと山口さん。「1件では小さな数字ですが、活用に比例して大きな成果を生みます。削減した時間でコア業務に注力することができ、住民へ通知を届ける時間も短縮できます」。
今後は補助金の交付決定通知や行政財産の目的外使用許可など、取り扱い件数の多い業務へ活用を広げていきたいという。職員の負担軽減と住民サービスの向上を両立する上でも、導入の価値は大きいといえるだろう。

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