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施設予約のDXをきっかけに、県域を越えた共同利用を実現。

広域で共同利用できる公共施設オンライン予約システム
広島県では、公共施設の予約管理システムを導入。県内の市町に加え、山口県とも共同で利用し、住民サービスとコスト効率を向上させているという。国も推奨するシステムの共同化について話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.44(2026年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]株式会社HARP

広島県
総務局 DX推進課
主査 森 丈徳(もり たけのり)さん

広島県
総務局 DX推進課
主査 大内 陽介(おおうち ようすけ)さん
県と市町が連携してDXを議論し、共同利用を前提にベンダーを選定。
同県では“デジタルで住民サービスを向上させ、行政事務の高度化・効率化、地域間格差を解消させる”という目的のもと、平成14年に「広島県電子自治体推進協議会」を設立。県内の全市町が参加する同協議会では、部会として“施設予約”を据え、デジタル化を議論してきたという。こうした経緯で、同県を窓口に、複数の市町と共同で施設予約システムを導入。1つのプラットフォームから、エリアを越えて予約できるよう設計し、住民に提供していたという。しかし、「検索画面の分かりにくさなどから利用率が伸びなかったのです。その改善を目指して平成25年度にプロポーザルを実施しました」と大内さんは話す。その結果、採択されたのが「HARP(ハープ)」が提供する公共施設予約システム「よやく~る」だった。
「同社は、北海道と民間の共同出資による第三セクター。公的な団体の性格に民間のノウハウを併せもち、自治体の事情にも精通しています。北海道の自治体向けに、共同利用できる電子基盤開発に力を注いでいることから、安心感がありました」と森さんは評価する。そして翌年度には、県内6団体による共同利用で「ひろしま公共施設予約サービス」がスタートした。

隣県ともシステムを共同化することで住民の利便性とコスト効率がアップ。
同システムでは、WEB上で施設の案内から予約や使用料の収納状況、利用実績までを一元管理でき、帳票も出力できる。運用はそれぞれの自治体が行うが、施設を利用したい住民は1つのアカウントで、登録されている全施設の予約申し込みが可能だ。空き状況は画面で確認でき、用途や日時から検索できるなど利便性も高い。自治体がシステムを導入するには初期費用と利用料が発生するが、共同利用なら費用負担が軽減されるという。「この点も後押しになり、導入を希望する県内の自治体は年々増加。スマホの普及も手伝って、住民の利用も増えました」と大内さん。
県内でシステムが浸透する中、隣の山口県から連携を打診されたという。「以前利用していたシステムが同じだったことから、相談がありました。想定外のことで驚きましたが、県境に住む人にとっては隣県の施設も選べた方が便利。連携は自然な流れだと思いました」。前例のない試みに同社が技術で応え、共同利用を実現。山口県でもDX担当部署が統括し、県内の市町へ参加を促したという。こうして、令和2年度に山口県内の8団体が加わり、県域を越えた全17団体が共同利用する「ひろしま・やまぐち公共施設予約サービス」が始動することとなった。
県や市町が垣根なく協力し合い住民サービスを向上させる。
令和5年に再度入札を実施した結果、同社が落札。システム更改により、マイナンバーカードによる個人認証が可能となった。「人員や予算が限られる中、県が旗振り役になることで、デジタル人材が不足している自治体でもDXに取り組みやすくなるはずです。県や市町の垣根をなくし団結して進めれば、サービスの質は向上し、住民の満足度も高まります。山口県とも引き続き連携し、利用自治体を拡大していきたいです」と森さんの言葉にも力がこもる。
令和8年4月時点で、広島県16団体・山口県11団体の計27団体が共同利用に参加し、約1,100施設が登録されている。同課では、県内自治体へのさらなる周知を図るため、中山間地域振興課とも連携する。「オプションのスマートロック機能を導入すれば、鍵の受け渡しが不要になり、人手不足のさらなる課題解決にもつながります。将来的には、蓄積された履歴データを分析・活用して、より最適な行政サービスへとつなげていきたいですね」。こうした共同利用は市町村単位での導入も可能だ。組織のリソースにかかわらず、デジタル化に着手できるシステムの共同化。このメリットは、大きいといえるだろう。

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