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北海道厚沢部町

公開日:2023-02-28

保育園留学®が起爆剤となり子育て世代の関係人口を創出。

こども
読了まで:4分
保育園留学®が起爆剤となり子育て世代の関係人口を創出。

地域の保育園に子どもを預けて家族で長期滞在する「保育園留学®」が、移住促進施策として注目を集めているという。厚沢部町では開始から数カ月で100世帯以上を呼び込み、リピート希望率は95%超え。

その理由を担当者に取材した。

※下記はジチタイワークスVol.24(2023年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社キッチハイク

新しい移住体験のアイデアは“親心”がきっかけだった。

“世界一素敵な過疎のまち”のキャッチフレーズを掲げる厚沢部町。人口約3,500人の同町は人口減少や若者の流出が進む中、道内でもいち早く移住促進施策に着手していた。しかし「結果、夏に避暑地として訪れるだけの人が多く、移住にはつながりませんでした」と木口さんは振り返る。

一方で、町内3つの保育園を統合する認定こども園の新設に携わっていた木口さん。自身も父の顔をもち、“良いものができれば移住を検討してもらえるかもしれない、せっかくなら世界一のこども園を目指そう”と奔走。令和元年に「認定こども園 はぜる」がオープンした。そして、転機となったのが「キッチハイク」代表の山本さん家族が、子どもに色々な経験をさせたいという思いでワーケーションを兼ねた移住体験に訪れたことだ。

はぜるの一時預かり制度を利用し、地元野菜の収穫体験を通じてまちの子育て環境に惹かれた山本さんから、思いがけない提案を受ける。それが保育園留学®のアイデアだった。

既存事業を組み合わせることで保育園留学®という新たな形へ。

保育園留学®は、子育て世代をターゲットに、移住体験と現地での保育体験などをセットにしたプログラムだ。1~3週間程度の滞在で、親はテレワーク、子どもは地域の保育園に“留学”し、地元の園児と交流する。「山本さんと対話し、これまで個別に進めてきた移住体験、こども園での一時預かり、収穫体験などの施策が1つにまとまり、まちにとっても良い影響があると感じました」。

令和3年11月に受け入れが始まると、SNSなどを通じて認知が拡大。事業開始から100世帯以上の家族が留学を体験したという。「体験した子どもから最終日に“これからもはぜるに通う!”といった声が聞かれるなど、利用者の満足度も高く、リピート希望率は95%を超えました」。また、年間で140家族が申し込み、今年3月までの受け入れ枠もすでに埋まっているという。「町内に6棟ある移住体験住宅も、常時100%近くの稼働率です。住民票の有無を除けば、6世帯の子育て家族が移住したのと同じ影響力があると考えています」。

「保育園留学®」は、株式会社キッチハイクの商標です。特許取得済。(特許第7164260号「滞在支援システム、滞在支援方法、およびプログラム」)

チームで現場と連携することが事業をスムーズに進めるカギ。

保育園留学®は、移住体験にとどまらず様々な波及効果をもたらしている。「町外の子どもたちとの交流は、まちの子どもたちのコミュニケーション能力の醸成や心の成長にも寄与していると感じます」。さらに、取り組みが頻繁にメディアで取り上げられ、シティプロモーションの面でも大きな効果を生んでいるようだ。

事業を円滑に進めるためには、行政側が保育園や宿泊施設など各現場と関係を構築しながら、課題を丁寧にクリアしていく必要があるという。「子どもを預けるのは、保護者にとって大切な決断。ゆえに問い合わせも多く、自治体だけで対応するのは大変です。同社と一緒に進めることで自治体がやるべき業務に注力できました」。子育て家族の気持ちに寄り添うこと、そして園や関係者の負担も軽くするオペレーションと体制が、重要なポイントだろう。

「今後は、留学で訪れた家族と地元住民との交流機会も増やしていきたい」と意気込む木口さん。二拠点居住などライフスタイルの多様化も進む中、保育園留学®の可能性はさらに広がっている。

厚沢部町 政策推進課
木口 孝志(きぐち たかし)さん

保育園がセットのワーケーションで移住促進施策のネックを改善する。

従来の移住促進施策では“子どもの預け場所がネック”という声も多かった。保育園をセットにすることでワーク・ライフ両面での移住体験が可能になる。

運営を一括で委託可能

自治体が保育園留学®を導入するメリット

1.子育て世帯の長期的な関係人口増加

約10自治体で導入事例があるが、移住体験した家族の大半はまちのファンになり“また来たい”と答えるという。関係人口を増やすことで、長期的には移住の促進につながることが期待される。

2.長期滞在による経済効果と持続可能性

保育園留学®を通じた長期滞在による域内への経済効果は大きい。また、保育園、移住体験住宅など既存施設を活用することで、多額のイニシャルコストを伴わずに持続可能な事業運営が可能だ。

3.“子育てによいまち”としてのブランディング向上

“子育てによいまち”との口コミが広まることによるシティプロモーション効果は大きい。住民にとっても、訪れた家族との交流を通じて地域の魅力を再発見でき、インナーブランディング向上につながる。

今から始める“100年後の未来への種まき”

保育園留学®を通じた移住体験は、地域の未来を見すえた“種まき”だとキッチハイクは考えています。地域の価値を拡充するために、私たちも課題を共有しながら伴走支援していきます。100年後の地域を一緒につくっていきましょう。

掲載サービスの詳細はこちら

お問い合わせ

サービス提供元株式会社キッチハイク

TEL:050-1754-1086
住所:〒110-0015 東京都台東区東上野4-13-9 ROUTE89 BLDG. 4F
E-mail:partners@kitchhike.com

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